2026年5月2日、オンラインでカウンセラー向けスキルアップ講座「意外と知らない、カウンセリングのリカバリー術」を開催しました。
カウンセリングでは、知識や技法を学んでいても、実際の面談になると、
「話が進まない」
「相手の話を聴いているのに、どこかすれ違っている」
「次に何を言えばよいのかわからない」
「こちらが整理しようとすると、かえって流れが止まってしまう」
といった場面に出会うことがあります。
この講座では、面談が進みにくいときに何が起きているのかを見分け、相手の感情の状態に合わせて関わり方を選ぶための考え方を扱いました。
開催概要
開催日:2026年5月2日(土)
開催時間:16時30分〜20時30分
開催形式:オンライン
担当講師:大門昌代
主催:神戸メンタルサービス
面談が進みにくくなる理由
面談が進まないとき、質問の仕方や知識が足りないとは限りません。
相手がいま、
- 出来事を説明している段階なのか
- 感情に触れ始めている段階なのか
- 気持ちが言葉にならず止まっている段階なのか
を見分けられていないことで、関わり方が合わなくなることがあります。
まだ出来事を整理している人に、急いで感情を尋ねても答えにくいことがあります。
反対に、感情に触れかけている人へ状況整理や助言を続けると、本人が話そうとしていたことが引っ込んでしまうこともあります。
この講座では、そのとき相手がどの状態にいるのかを「感情の層」として捉え、状態に応じて言葉のかけ方や待ち方を変える方法を整理しました。
講座で扱った「感情の流れ」
この講座では、カウンセリングの会話を、
出来事
↓
そのときの気持ち
↓
本人が出来事をどう受け取ったか
↓
本当はどうしたかったのか
という流れで見ていきました。
実際の面談では、必ずこの順番で話が進むわけではありません。
出来事の説明が長く続くこともあれば、気持ちに触れた途端に言葉が止まることもあります。頭では状況を整理できていても、感情については話せないまま残っている場合もあります。
どこで流れが止まっているのかがわかると、カウンセラー側が焦って質問や助言を増やす前に、いま必要な関わりを選びやすくなります。
講座で扱った3つのポイント
1.相手がどの感情の層にいるのかを見分ける
出来事を説明しているのか、気持ちに触れているのか、感情を抑えて言葉に詰まっているのか。
会話の内容だけでなく、話し方や反応も見ながら、現在の状態を確認する方法を扱いました。
状態を見分けられると、面談が進まないからといって、すぐに質問や提案を増やさずに済みます。
2.状態に応じて対応を選ぶ
面談の中で行う対応は、一つではありません。
その場で短く整理する方がよい場合もあれば、時間を取って気持ちを確認する方がよい場合もあります。
また、その回で答えを出そうとせず、次回の面談で改めて扱う方が進みやすいこともあります。
講座では、相手の状態に合わせて、
- その場で整える
- 少し時間をかけて確認する
- 次回の入り方を決める
という対応の選び方を扱いました。
3.信頼関係を損ねにくい言葉を選ぶ
カウンセラーが役に立とうとするほど、早く整理したり、提案や助言を急いだりすることがあります。
しかし、相手がまだ話し切れていない段階で答えを示すと、「わかってもらえなかった」と感じさせてしまう場合があります。
講座では、
- 提案として伝える
- 相手に確認してから進める
- すぐに答えを出さず、言葉を待つ
- 話の方向がずれたときに戻り方を伝える
といった、面談の流れを立て直すための言葉の選び方も取り上げました。
受講者向けの持ち帰り資料
講座では、面談中や面談後に確認できるよう、次の資料を配布しました。
- 感情の流れチェック・サイン早見表
- リカバリー三段階「30秒・2分・次回冒頭」
- 押し付けになりにくい言い換えフレーズ集
講座で聞いた内容を、実際の面談で確認しやすい形にまとめた資料です。
面談で迷ったときに、見る場所を持つ
カウンセリングでは、毎回同じ順番で話が進むわけではありません。
話が止まったり、予想とは違う反応が返ってきたりすることもあります。
そのときに必要なのは、正しい言葉を急いで探すことだけではありません。
いま相手が何を話しているのか。
どの感情に触れかけているのか。
まだ言葉になっていないものは何か。
それらを確認できると、面談の途中で迷ったときにも、次に見る場所がわかりやすくなります。
この講座では、進みにくい場面を失敗として終わらせず、面談を立て直すための見立てと対応についてお伝えしました。
現在募集中のセミナー・講座については、最新のセミナー・ワークショップ情報をご覧ください。
