本当はどうしたいかわからない時|やりたいことと行動がズレると苦しくなる心理

ストレスを抱える象徴的なイメージ 感情・心のしくみ
やりたくないことを続けることで感じる心の不調

まだ寝ていたいのに、起きなければいけない。

仕事に行きたくないのに、仕事に行かなければいけない。

こういう朝、ありますよね。

布団の中では、

「このまま寝ていたい」

「今日は何もしたくない」

「できれば誰にも起こされずに、ずっと丸まっていたい」

と思っている。

でも現実には、仕事がある。

家のこともある。

予定もある。

だから、嫌だと思いながら起きる。

気分はもちろん重い。

これはわかりやすいですよね。

寝ていたいのに起きる。

休みたいのに動く。

やりたいことと、実際にしていることが逆だから、気分が悪くなる。

ただ、これと同じことが、人間関係や恋愛の中でも起こっていることがあります。

本当は仲良くしたいのに、怒ってしまう。

本当はわかってほしいだけなのに、責めてしまう。

本当は近づきたいのに、冷たい態度をとってしまう。

本当は優しくしたいのに、突き放してしまう。

こういう時も、心の中では大きなズレが起きています。

この記事では、やりたいことと実際の行動がズレると、なぜ苦しくなるのか。

そして、「本当はどうしたいのか」がわからなくなった時に、どこを見ればいいのかを解説していきます。

やりたいことと行動が逆になると、心は苦しくなる

たとえば、朝の場面を考えてみます。

本当は寝ていたい。

でも起きなければいけない。

本当は休みたい。

でも仕事に行かなければいけない。

この場合、気分が重くなるのは自然です。

「寝ていたいのに起きている」

「休みたいのに動いている」

自分の内側の希望と、外側の行動がズレているからです。

もちろん、だからといって「嫌なことは全部やめましょう」という話ではありません。

仕事もあります。

生活もあります。

人との約束もあります。

やりたくないことでも、やらなければいけないことはあります。

ただ、ズレがある時に心は消耗するということです。

自分では「これくらい普通」と思っていても、内側では抵抗が起きています。

「本当は嫌だ」

「本当は違うことをしたい」

「本当はこうしたくない」

その気持ちを無視したまま動き続けると、だんだん苦しくなっていきます。

そしてこのズレは、朝起きる時だけではなく、人間関係の中でも起こります。

恋愛で怒ってしまう時、本当は何をしたかったのか

たとえば、彼がデートに遅刻してきたとします。

あなたは待っている間、だんだん腹が立ってくる。

「なんで時間を守れないの?」

「私が待っていることを軽く見ているの?」

「楽しみにしていたのに」

そんな気持ちになる。

ようやく彼が来た。

でも、彼はあまり悪びれた様子もない。

そこで怒りが爆発する。

「どれだけ待ったと思ってるの?」

彼は彼で、

「遅刻くらいでそんなに怒らなくてもいいだろ」

と言い返してくる。

そこからケンカになる。

せっかくのデートなのに、気分は最悪。

この時、表面的には、

「彼が遅刻したから腹が立った」

「彼がちゃんと謝らなかったからケンカになった」

と見えます。

もちろん、それは間違いではありません。

遅刻されて嫌だった。

軽く扱われたように感じた。

謝ってほしかった。

それは当然出てくる気持ちです。

でも、もう少し奥を見ると、別の気持ちがあるかもしれません。

本当は、彼と楽しい時間を過ごしたかった。

本当は、会えたことを喜びたかった。

本当は、仲良くデートしたかった。

本当は、「待たせてごめんね」と言われて、「もう、次は気をつけてよ」と言って、そこから気持ちを切り替えたかった。

つまり、本当にやりたかったことは、彼とケンカすることではなかったのです。

本当は仲良くしたかった。

でも実際にしていることは、怒る、責める、言い返す、ケンカする。

ここに大きなズレがあります。

このズレが、さらに気分を悪くしていくことがあります。

怒りの下には、別の気持ちがあることがある

怒りは、とても強い感情です。

だから、怒っている時は、自分でも「私は怒っている」と感じやすいです。

でも、怒りの下には別の気持ちが隠れていることがあります。

寂しかった。

楽しみにしていたのに、残念だった。

大切にされていないように感じた。

待っている時間が不安だった。

軽く扱われたようで悲しかった。

わかってほしかった。

こうした気持ちです。

ただ、寂しい、悲しい、不安だ、という気持ちは、出すのが難しいことがあります。

「寂しかった」と言うのは、少し勇気がいります。

「楽しみにしていたから残念だった」と言うのも、どこか照れくさい。

「大切にされていないみたいで悲しかった」と伝えるのは、かなり無防備な感じがします。

だから、怒りとして出ることがあります。

怒っている時、表では強く見えます。

でも奥では、本当はわかってほしかったのかもしれません。

本当は、もっと大切に扱ってほしかったのかもしれません。

本当は、仲良くしたかったのかもしれません。

怒りが悪いという話ではありません。

ただ、怒りだけを見ていると、本当の願いが見えにくくなることがあるのです。

「顔も見たくない」のに、後から苦しくなる理由

もう一つ、別の例で考えてみます。

「あの人の顔なんて見たくない」

そう思っている人がいるとします。

職場の人かもしれません。

昔の友人かもしれません。

家族や親戚かもしれません。

恋愛で傷ついた相手かもしれません。

ある日、その人と偶然会ってしまった。

顔を見た瞬間に、嫌な気持ちになる。

すぐにその場を離れたくなる。

そして実際に、そっけない態度をとって、その場を離れた。

ここまでは、わかりやすい流れです。

顔を見たくない。

だから離れる。

やりたいことと行動が一致しています。

その後、気分が切り替わって普通に過ごせるなら、それはそれでいいのです。

でも問題は、その場を離れた後も、ずっと気分が悪い場合です。

なぜか心が落ち着かない。

嫌な態度をとった自分が気になる。

相手の表情が頭から離れない。

「別に悪いことはしていない」と思いながらも、気分が重い。

この場合、もしかすると本当は、「顔も見たくない」だけではなかったのかもしれません。

心のどこかでは、違う関わり方をしたかったのかもしれません。

本当は、そこまで冷たくしたくなかった。

本当は、普通に挨拶くらいはしたかった。

本当は、まだどこかでわかり合いたい気持ちが残っていた。

本当は、仲良くしたい気持ちを完全には捨てきれていなかった。

でも、傷ついた気持ちや腹立たしさがあって、冷たくするしかなかった。

そうなると、行動と本音がズレます。

表面では「会いたくない」と思っている。

でも奥では「本当はこんな態度をとりたくなかった」と感じている。

このズレが、後から気分の悪さとして残ることがあります。

本当は優しくしたいのに、優しくできない時

人間関係で苦しくなる時、私たちはよく「相手が悪いから苦しい」と思います。

もちろん、相手の言動が問題になることはあります。

失礼なことを言われた。

約束を破られた。

無神経な態度をとられた。

こちらの気持ちを軽く扱われた。

こういう時に、腹が立つのは自然です。

ただ、その後もずっと気分が悪い時は、相手の言動だけでなく、自分の中のズレも見てみるといいかもしれません。

本当は優しくしたかったのに、きつく言ってしまった。

本当は話し合いたかったのに、無視してしまった。

本当は寂しいと言いたかったのに、「もういい」と突き放してしまった。

本当は助けてほしかったのに、「一人でできる」と言ってしまった。

本当は謝りたかったのに、意地を張ってしまった。

こういう時、私たちは相手との関係だけでなく、自分自身との関係でも苦しくなります。

「本当はそんなことをしたかったわけじゃない」

心のどこかでそう感じているからです。

自分の本音と違う行動をとった時、人は自分の中に小さな違和感を残します。

その違和感が、イライラ、モヤモヤ、後悔、罪悪感、疲れとして出ることがあります。

「本当はどうしたい?」は簡単な質問ではない

では、苦しくなった時に、

「本当はどうしたいの?」

と自分に聞けばいいのかというと、これが意外と難しいのです。

すぐに答えが出るとは限りません。

むしろ、最初に出てくるのは、

「どうしたいって言われても困る」

「相手が悪いんだから、どうしようもない」

「本当はどうしたいかなんて、わからない」

という反応かもしれません。

それでいいのです。

本音は、いつもわかりやすい形で出てくるわけではありません。

特に、怒りや不満が強い時は、その下にある気持ちに気づきにくくなります。

だから、いきなりきれいな答えを出そうとしなくていいのです。

最初は、こんな問いかけくらいで十分です。

私は、本当は何が嫌だったのだろう。

本当は、相手に何をわかってほしかったのだろう。

私は、どんな扱われ方をしたかったのだろう。

この後、本当はどんな関係でいたいのだろう。

私は、怒る以外に何を伝えたかったのだろう。

このくらいから見ていくと、少しずつ本音に近づきやすくなります。

やりたいことと行動がズレる時、そこには理由がある

本当は仲良くしたいのに怒ってしまう。

本当は近づきたいのに離れてしまう。

本当は頼りたいのに強がってしまう。

本当は休みたいのに無理をしてしまう。

こうしたズレには、たいてい理由があります。

ただ性格が悪いからでも、ひねくれているからでもありません。

たとえば、

傷つくのが怖い。

拒否されるのが怖い。

負けたような気がする。

また同じことを繰り返されるのが嫌。

自分ばかり我慢している気がする。

素直になったら、相手に軽く扱われそう。

こうした気持ちがあると、本当にしたいことをそのまま行動に移すのが難しくなります。

本当は仲良くしたくても、先に怒りで守る。

本当は寂しくても、先に突き放して守る。

本当は頼りたくても、先に「大丈夫」と言って守る。

心は、自分を守るために、時々本音とは逆の行動を選ぶことがあります。

だから、「どうして私はこんなことをしてしまうんだろう」と責めるより、

「私は何から自分を守ろうとしていたんだろう」

と見てみるほうが、整理しやすくなることがあります。

本音に気づくための練習

本当はどうしたいのかを知るには、日常の中で少しずつ自分の反応を見ることが大切です。

いきなり大きな問題から始めなくてもかまいません。

小さな違和感から見ていきます。

たとえば、誰かに頼まれごとをされた時。

反射的に「いいですよ」と言ったけれど、後から気が重い。

その時は、

「本当は断りたかったのかな」

「せめて今すぐではなく、明日にしたかったのかな」

「引き受けるなら、条件をつけたかったのかな」

と見てみます。

また、誰かにきつい言い方をしてしまった時。

その後に気分が悪くなったなら、

「本当は何を伝えたかったのかな」

「怒る前に、どんな気持ちがあったのかな」

「本当はどう言えたらよかったのかな」

と考えてみます。

ここで大切なのは、正解を出すことではありません。

自分の中にあるズレに気づくことです。

「私は本当は違うことを望んでいたのかもしれない」

そう気づけるだけでも、次の行動を選びやすくなります。

言動を変える前に、まず本音を見つける

問題が起きた時、私たちはすぐに「どう行動を変えればいいか」を考えがちです。

怒らないようにしよう。

優しく言おう。

断れるようになろう。

素直になろう。

もちろん、言動を変えることは大切です。

でも、その前に本音を見つけておかないと、ただ我慢の形が変わるだけになることがあります。

たとえば、怒らないようにしようと思って、怒りを飲み込む。

でも本当は寂しかった。

本当は大切に扱ってほしかった。

そこに気づいていないと、怒りを我慢しても、別の形で苦しくなります。

また、優しくしようと思って無理に笑う。

でも本当は、相手に対してまだ傷ついた気持ちが残っている。

そこに気づかないまま優しくすると、後からどっと疲れます。

だから、言動を変える前に、

「本当は何をしたかったのか」

「本当は何を伝えたかったのか」

「本当はどんな関係でいたかったのか」

を見ていくことが大切です。

行動を変えるのは、その後でいいのです。

本音に沿った行動は、少しずつでいい

本音に気づいたからといって、すぐに大きく行動を変えなくてもかまいません。

たとえば、本当は彼と仲良くしたかったと気づいたとしても、次の瞬間から完璧に優しく話せるとは限りません。

本当は謝りたかったと気づいても、すぐに謝れるとは限りません。

本当は会いたかったとわかっても、いきなり素直に「会いたい」と言えるとは限りません。

それでもいいのです。

まずは、少しだけ本音に近い行動を選ぶ。

それで十分です。

たとえば、

責める前に、「私は待っている間、寂しかった」と言ってみる。

無視する代わりに、「今は少し気持ちを整理したい」と伝える。

強がって「平気」と言う代わりに、「少し手伝ってもらえる?」と言ってみる。

怒りをぶつける前に、「本当は楽しみにしていたから残念だった」と言ってみる。

これくらいの小さな変化でかまいません。

本音に近い言葉を少しだけ使えるようになると、自分の中のズレが少し減ります。

ズレが減ると、心の苦しさも少し軽くなります。

まとめ

まだ寝ていたいのに起きる。

休みたいのに仕事に行く。

こういう時、気分が重くなるのはわかりやすいです。

でも同じように、人間関係でも、やりたいことと実際の行動がズレている時、心は苦しくなります。

本当は仲良くしたいのに、怒ってしまう。

本当は寂しいのに、突き放してしまう。

本当は頼りたいのに、強がってしまう。

本当は優しくしたいのに、きつく言ってしまう。

このズレがある時、私たちは相手との関係だけでなく、自分自身との関係でも苦しくなります。

大切なのは、まず気づくことです。

「私は本当は何をしたかったのだろう」

「本当は何を伝えたかったのだろう」

「本当はどんな関係でいたかったのだろう」

そこを見ていくこと。

そして、少しずつ本音に近い言葉や行動を選んでいくこと。

いきなり完璧に変えなくてもかまいません。

まずは、自分の中で起きているズレに気づくこと。

そこから、今までとは違う選択が少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

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