離婚した方がいいのか迷うとき|「離婚できない」から「自分で選べる」へ

恋愛・夫婦関係

「離婚した方がいいのかもしれない」

そう思うことがあっても、実際に離婚を考え始めると、さまざまな気持ちが出てくるものです。
「離婚したら、結婚に失敗したことになるのかな」「親に何て言われるだろう」「この先、一人で生活していけるのかな」と、いろいろな不安が出てきます。

子どもが小さい場合は、「子どもに申し訳ない」という気持ちが強くなることもあります。
本当は夫婦関係について考えたいのに、離婚という言葉が浮かんだ途端に、世間体や親の目、経済的な不安、子どもへの罪悪感が一気に出てきて、自分がどうしたいのかわからなくなることがあります。

そうなると、「この結婚をこれからどうしたいのか」を考える前に、「離婚してはいけない理由」をたくさん探すようになります。

この記事では、離婚すべきかどうかではなく、なぜ「離婚できない」と感じるのかを整理していきます。

離婚=失敗、ではありません

離婚をすると、結婚が失敗だったように感じる人がいます。「最後まで続けられなかった」「相手選びを間違えた」「夫婦関係をうまく作れなかった」と、自分を責めることもあります。

でも、結婚生活が終わることと、自分の人生が失敗することは同じではありません。

結婚したときには、その人を選んだ理由があったはずです。好きだったのかもしれないし、安心できたのかもしれない。一緒に家庭を作りたいと思ったのかもしれません。その当時の自分にとって、その人との関係が自然だったこともあるでしょう。

その後、自分が変わることもあります。以前は相手に合わせることが当たり前だった人が、自分の気持ちを大切にできるようになると、それまでは受け入れていたことが苦しく感じられるようになることもあります。

「前はこれでよかった。でも今は違う」と感じることがあっても不思議ではありません。

だからといって、結婚したときの自分まで否定する必要はありません。そのときには、その人を選ぶ理由があった。そして今は、今の自分でこれからを考えればいいのです。

「離婚したい」と思うことと、「夫が嫌い」は同じではない

離婚を考えるほど夫婦関係が苦しくなっていても、夫のことを全部嫌いになっているとは限りません。

一緒に暮らした中で、助けてもらったこともあるでしょう。楽しかった時期もあったかもしれません。家族として支えてくれたことや、感謝していることが心に残っている人もいます。

だからこそ、「悪い人ではないのに、離婚を考える自分はおかしいのでは」と迷うことがあります。

でも、「良いところがある」と「これからも夫婦として一緒に生きたい」は別の話です。

感謝していることがあってもいい。嫌いではなくてもいい。それでも、「この先も夫婦として暮らしたいか」と考えたときに、答えが違うことはあります。

離婚を考えるときに、相手を悪い人にしなければならないわけではありません。

「離婚できない」と思うと、自分の気持ちがわからなくなる

離婚を迷っているとき、

「親が反対するから」

「世間体が悪いから」

「生活できる自信がないから」

「子どもがいるから」

という理由が出てくることがあります。

どれも大切な問題です。ただ、それらが大きくなりすぎると、「私は本当はどうしたいのか」がわからなくなります。

「離婚できない」と思っていると、選択肢そのものがなくなります。すると、この結婚を本当に続けたいのか、それとも続けるしかないと思っているのかもわからなくなります。

ここには大きな違いがあります。

離婚できないから結婚を続けるのと、離婚することもできるとわかったうえで「それでも私はこの結婚を続けたい」と選ぶのでは、同じ結婚生活でも意味が変わってきます。

世間体や親の目が、自分の気持ちより重要になっていないか

相談の中でも、離婚をためらう理由として、世間体や親の目は今でもよく出てきます。

「親が許さないと思う」「親戚に何て言われるだろう」「離婚した人と思われるのが嫌」「家庭を続けられなかったと思われそう」。

こうした気持ちは、簡単に切り捨てられるものではありません。人は誰でも、周囲からどう見られるかを気にします。

特に、これまで「ちゃんとしている人」「しっかりした人」と思われてきた人ほど、離婚によってそのイメージが崩れることを怖く感じる場合があります。

親を心配させたくない。がっかりさせたくない。周囲に事情を知られたくない。そんな気持ちがあっても当然です。

ただ、親や周囲の人が、自分の結婚生活を代わりに生きてくれるわけではありません。

親がどう思うかと、自分がどう生きたいかは、分けて考える必要があります。親に反対されることと、自分が離婚してはいけないことは同じではありません。周りから何か言われることと、自分の選択が間違っていることも同じではありません。

「子どものため」が、自分の恐れを隠していることもある

子どもが小さいと、「子どものために離婚しない方がいい」と考える人は少なくありません。離婚によって生活環境が変わることもありますし、簡単に決められることではありません。

ただ、「子どもがいるから離婚できない」と思っているとき、その中に、自分自身の罪悪感や恐れが隠れていることがあります。

「私が離婚したいと言っていいのだろうか」「子どもを傷つける親になるのではないか」「私の選択のせいで、子どもが苦労したらどうしよう」。

そうした不安をまとめて、「子どものため」と考えている場合があります。

もちろん、子どもの生活を考えることは大切です。でも、子どもに「親の人生をどうするか」という責任まで背負わせる必要はありません。

自分が我慢して結婚生活を続け、いつか限界になったとき、「あなたがいたから離婚できなかった」と感じるようになってしまったら、子どもにとっても重いものになります。

子どものことは大切に考える。そのうえで、結婚を続けるかどうかは、大人である自分が選ぶことです。

経済的不安は、気持ちだけではなく現実をみる

「離婚したい気持ちはある。でも生活していけるかわからない」

これはとても現実的な不安です。

住まいはどうするのか。収入はいくら必要なのか。今の仕事で生活できるのか。子どもがいるなら、これからどれくらいお金がかかるのか。

ここは、「何とかなる」と気持ちだけで考えるのは危険です。

むしろ、漠然とした不安のままにしないことが大切です。

毎月いくら必要なのか。自分の収入はどれくらいなのか。どんな制度が利用できるのか。働き方を変える必要があるのか。必要であれば、法律やお金について専門家に相談することもできます。

「離婚したら生活できない気がする」と思っている状態と、現実を調べたうえで「今すぐは難しい」と判断する状態は違います。

現実を知ることで、今は準備が必要なのか、本当に難しいのか、思っていたより選択肢があるのかも見えてきます。

「離婚することもできる」と思えたとき、初めて選べる

「離婚できない」と思っていると、結婚を続けるしかありません。でも、「離婚することもできる」と思えるようになると、初めて疑問が出てきます。

離婚することもできる。それでも私は、この人との結婚を続けたいのだろうか。

今のままでは無理だけれど、関係が変わるなら続けたいのだろうか。

それとも、この先は別々に生きたいと思っているのだろうか。

「できるか、できないか」ではなく、「私はどうしたいか」を考えられるようになります。

これは、必ず離婚するということではありません。

むしろ、離婚することもできると思えたことで、「私は本当は離婚したいわけではなかった。この関係を変えたかったんだ」と気づく人もいます。

逆に、「離婚しても生きていける」とわかったことで、初めて「私はもう、この結婚を続けたくない」と認められることもあります。

選択肢があるからこそ、自分の気持ちが見えてくることがあります。

結婚を続けることも、自分で選べる

離婚しないことが、必ずしも我慢や諦めになるわけではありません。

離婚することもできると知ったうえで、「それでも私は、この人との関係をもう一度作っていきたい」と思うなら、それも自分で選んだ人生です。

その場合は、「今までどおり耐える」のではなく、これからどんな夫婦関係にしたいのかを考えることになります。

自分の気持ちをもっと伝えたい。夫婦の役割を変えたい。これまでとは違う関係を作りたい。

そう思えるのであれば、結婚を続けることにも意味があります。

大切なのは、「離婚しないこと」そのものを目標にしないことです。

この結婚の中で、自分は幸せになれるのか。夫婦としてどんな関係を作っていきたいのか。

そこを考えたうえで続けるなら、それは「離婚できなかった」のではなく、「この結婚を選んだ」ということになります。

幸せの形は、人によって違う

何をもって幸せと感じるかは、人によって違います。安心できる生活を大切にする人もいれば、自由に生きることを大切にする人もいます。家族とのつながりを大切にする人もいれば、自分の時間や仕事を大切にしたい人もいます。

だから、「こういう夫婦なら離婚すべき」「ここまでなら続けるべき」という答えを、誰かが決めることはできません。

結婚を続けるなら、その中でどう幸せになっていくのかを考える。離婚するなら、その先でどんな生活を作っていくのかを考える。

どちらも、自分が幸せになるために選ぶものです。

まとめ|「離婚できない」から、自分で選べる状態へ

離婚を考えるとき、夫への気持ちだけではなく、世間体、親の目、経済的不安、子どもへの罪悪感など、さまざまなものが一緒に出てきます。

そのため、「私はこの結婚をどうしたいのか」を考えているつもりでも、実際には「離婚してはいけない理由」を考え続けていることがあります。

まずは、それぞれを分けてみることです。

私は離婚そのものを失敗だと思っていないか。親からどう見られるかを、自分の気持ちより優先していないか。「子どものため」という言葉の中に、自分の罪悪感や恐れが隠れていないか。経済的に何が不安なのかを、実際に確認できているか。

そうやって一つずつ整理していくと、「離婚できない」という大きな塊だったものが、少しずつ分かれてきます。

そして、「離婚することもできる」と思えるようになったとき、初めて「では、私はどうしたいのだろう」と考えられるようになります。

結婚を続けることもできる。離婚することもできる。

そのうえで、自分はこれからどんな生活をしたいのか、誰とどんな関係を作っていきたいのかを考えていく。

カウンセリングでは、世間体、親の目、罪悪感、経済的不安、夫への気持ち、自分が望んでいる生活を一つずつ整理していきます。

ずっと「離婚できない」と思っていたけれど、「離婚することもできる」と思えたことで、初めて自分がどうしたいのかわかることもあります。

離婚できないから結婚を続けるのではなく、離婚することもできる状態で、自分が選ぶ。

その方が、結婚を続ける場合も、離婚を選ぶ場合も、自分のこれからを生きる選択になっていくのだと思います。

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