夫の浮気後、離婚するかやり直すか決められないのはなぜ?|選べなくしている怖さを整理する

離婚もやり直すのもどちらも怖くて悩む女性 恋愛・夫婦関係

夫の浮気を知ったときは、「絶対に離婚する」と思った。

ところが夫が謝り、「家族を失いたくない」と言い始めると、本当に離婚してよいのかわからなくなる。夫が優しくすると、もう一度やり直せる気がする。それでも浮気を思い出せば、「この人とこの先も暮らすのか」と苦しくなる。

子どもの顔を見ると家庭を残した方がよい気がする。一人になった後の生活を考えると怖い。かといって残れば、また裏切られるかもしれない。

早く決めなければと思うのに、離婚を選ぼうとすれば怖くなり、やり直そうとすれば怒りが出る。

どちらも選べない自分に腹が立つ。

なぜ、考えれば考えるほど、答えがわからなくなるのでしょうか。

・離婚も夫婦関係の継続も選べなくなる怖さ
・離婚によって失うと感じているもの
・離婚も選べる状態で今後を考えるということ

離婚を決められないのは、まだ夫を好きだからだけではない

夫の浮気後、離婚を決められないと、

「結局、まだ夫を愛しているのだろうか」
「私には夫への未練があるのだろうか」

と考えることがあります。

もちろん、夫への気持ちが残っている場合もあります。

長く一緒に暮らしてきた相手です。裏切られたからといって、愛情や情、家族としての気持ちが、その日にすべて消えるとは限りません。

ただ、決められない理由は、それだけではありません。

離婚を考えると、さまざまな怖さが出てきます。

・一人の収入で暮らしていけるのか
・子どもの生活を変えてよいのか
・親や周囲から何と言われるのか
・離婚したあとに後悔しないか
・今の年齢から新しい生活を作れるのか
・一人になった自分は幸せになれるのか

一方、夫婦関係を続けることにも怖さがあります。

また浮気されるかもしれない。夫の言葉を信じられないまま暮らすことになるかもしれない。数年後に、「あのとき離婚すればよかった」と後悔するかもしれない。

離婚か継続か、どちらにも失うものがあるように見えるため、動けなくなるのです。

夫の行動によって大きく揺さぶられた今、自分は何を怖がり、何を失いたくないのかを見ていく必要があります。

離婚したら、今までの努力が無駄になるように感じる

長い結婚生活の中で、妻は多くのものを積み上げています。

夫を支えてきたこと。
子どもを育ててきたこと。
家族のために仕事や予定を調整してきたこと。
夫の家族との関係を保ってきたこと。
住まいや生活基盤を作ってきたこと。
何度も我慢しながら夫婦関係を続けてきたこと。

離婚を考えたとき、失うと感じるのは、夫や現在の家庭だけではありません。

「私は何のために、ここまで頑張ってきたのだろう」

という思いが出てくることがあります。

もし離婚したら、これまで夫を支えてきたことも、家庭を守ろうとしてきたことも、すべて意味がなかったことになる気がする。

夫のために仕事を調整した。自分の希望を後回しにした。苦しい時期も、家族のために乗り越えてきた。

その年月を考えるほど、途中で手を離すことが難しくなります。

「ここまで頑張ったのだから、最後には報われたい」

という気持ちが残っている場合もあります。

夫が浮気相手との関係を終わらせ、自分を選び、以前よりも誠実な夫になれば、これまでの努力が報われるように感じる。

反対に、離婚すれば、何も受け取れないまま結婚生活が終わるように思えるのです。

離婚したら努力が無駄になるとも、離婚しても決して無駄にはならないとも、簡単には言い切れません。

ただ、今後の選択を考えるときには、これまでにかけた時間と、これから過ごす時間を分ける視点も必要です。

これまでどれだけ頑張ってきたかと、これからどんな生活をしたいかは、別の問題です。

結婚生活のすべてが嘘だったと認めるのが怖い

浮気が発覚すると、浮気をしていた期間だけでなく、それ以前の記憶まで疑いたくなることがあります。

家族で旅行したこと。
結婚記念日に交わした言葉。
夫が優しかったとき。
一緒に子どもの成長を喜んだ時間。
老後について話したこと。

「あのときも、夫は嘘をついていたのではないか」
「私だけが幸せな家族だと思っていたのではないか」
「今まで信じてきたものは、全部作り物だったのではないか」

そんな考えが出てきます。

そして離婚を選ぶことが、

「私の結婚生活は失敗だった」
「私はずっと騙されていた」
「夫を選んだ自分の判断は間違っていた」

と認めることのように感じられることがあります。

離婚できないというより、これまでの自分や、自分が信じてきた時間を否定することが怖いのです。

夫が浮気をしたからといって、これまでの結婚生活のすべてが嘘だったわけではありません。

夫が浮気をしていなかった時期もあるでしょう。家族で笑った時間に、夫も本当に楽しかったことがあったかもしれません。

ただ、浮気によって、その記憶をこれまでと同じようには見られなくなった。

そこに悲しみがあります。

離婚するかどうかを決める前に、「この結婚に何があったのか」と「これから続けたい関係なのか」を分けて見ていく必要があります。

離婚した後、自分は幸せになれないと思っている

離婚という制度があることは知っている。

働くこともできる。住まいや生活費について調べることもできる。

それでも、自分が離婚後に暮らしている姿を想像すると、明るい未来が浮かばないことがあります。

一人で食事をする自分。
子どもが巣立った後、一人で年齢を重ねる自分。
夫だけが新しい相手と幸せになり、自分は取り残される姿。

「今から生活を立て直すなんて無理」
「もう誰からも愛されないかもしれない」
「ほかの人は離婚後に幸せになれても、私にはできない」

そう感じていると、離婚は制度上は可能でも、心理的には選べません。

離婚したら不幸になると思っている人にとって、離婚を選ぶことは、苦しい夫婦関係から離れることではなく、自分から不幸へ向かうことに見えるからです。

だから夫への怒りがどれほど強くても、動けなくなります。

このとき必要なのは、離婚後の生活を無理に明るく想像することではありません。

なぜ自分だけは幸せになれないと思うのかを見ることです。

これまでにも、一人になることを「誰にも必要とされないこと」と感じてきたのか。

夫に選ばれていることが、自分の価値の証明になっていたのか。

そこを整理しないままでは、夫婦関係を続けることも「自分で選んだ」という感覚になりにくいのです。

「子どものために離婚できない」の奥にある恐れ

子どもへの影響は、現実的に考える必要があります。

住む場所、学校、生活費、夫との関係。離婚によって、子どもの生活が変わる可能性もあります。

「子どものために離婚できない」という思いを、単なる言い訳として扱うことはできません。

ただ、その言葉の中には、妻自身の恐れが重なっている場合があります。

・子どもから恨まれるのが怖い
・自分が家庭を壊したと思われるのが怖い
・母親として間違った判断をするのが怖い
・子どもが苦しんだら、一生自分を非難すると思う
・夫がいない家庭を一人で支える自信がない
・自分が決めたことで、子どもの人生を変える責任が怖い

浮気をしたのは夫なのに、離婚を決める責任だけを妻が背負っているように感じることもあります。

「夫が浮気をしなければ、私はこんな決断をしなくて済んだ」

そう思いながらも、実際に離婚を決めるのは自分になる。そのため、自分が家庭を終わらせる人のように感じてしまうのです。

子どものために心配している現実的な問題と、自分が母親として非難される怖さは、分けて考える必要があります。

子どものことを考えることと、自分の人生の決定をすべて子どもに委ねることは同じではありません。

離婚すると、浮気相手に負けたように感じることもある

夫の浮気後、離婚することを「負け」と感じる人もいます。

浮気相手に夫を取られた。
自分は妻として選ばれなかった。
自分だけが家庭や生活を失う。
浮気相手は何も失わず、夫も自由になる。
最後に損をするのは自分だけ。

そのように感じると、離婚を選ぶことが難しくなります。

本当に夫とやり直したいのか。

それとも、離婚によって「浮気相手に負けた」と認めることが怖いのか。

自分でもわからなくなることがあります。

「私は妻なのだから、最後には夫から選ばれなければならない」という思いが強くなる場合もあります。

夫が自分を選べば、自分の価値が証明される。

夫が浮気相手を捨て、家庭へ戻れば、自分の勝ちになる。

けれど、夫が家庭に戻っても、自分が幸せになるとは限りません。

離婚も夫婦関係の継続も、浮気相手との勝ち負けだけでは決められないものです。

それでも「負けたくない」という感覚があるなら、否定せずに見ておく必要があります。

何に負けたと感じているのか。
誰に何を証明したいのか。
夫に選ばれることで、本当は何を確かめたいのか。

それがわかると、夫と暮らし続けたい気持ちと、選ばれないまま終わりたくない気持ちを分けやすくなります。

夫婦関係を続けることにも、もう一度傷つく怖さがある

離婚が怖いからといって、夫婦関係を続ける方が楽なわけでもありません。

夫とやり直すことを考えると、別の怖さが出てきます。

・また浮気されるかもしれない
・夫の言葉を疑いながら暮らすことになるかもしれない
・浮気を受け入れたと思われるかもしれない
・怒りを飲み込み続けることになるかもしれない
・夫が変わらないまま、自分だけが我慢するかもしれない
・数年後に、離婚しなかったことを後悔するかもしれない

離婚を考えると、生活や子どものこと、孤独が怖くなる。

夫婦関係を続けようとすると、再び裏切られる未来が浮かぶ。

離婚が怖い。
夫婦関係を続けることも怖い。
どちらを選んでも、自分が後悔する気がする。

二つの選択肢のどちらにも怖さがあるため、昨日は離婚しようと思ったのに、今日はやり直したくなるという揺れが起こります。

気持ちが定まらないのは、何かを選ぶたびに、別のものを失う怖さが出ているのです。

「離婚しない」と「離婚できない」は同じではない

現時点で夫婦関係を続けるという結果は同じでも、「離婚しない」と「離婚できない」では、妻の心理的な位置が違います。

「離婚しない」は、離婚も選択肢として考えたうえで、今は夫婦関係を続けることを選んでいる状態です。

夫に改善を求めることもできる。何が変わらなければ続けられないかも考えられる。今後の夫の態度によっては、選択を見直すこともできる。

自分で考えたうえで、今は残ると決めています。

一方、「離婚できない」と感じているときには、

「一人では暮らしていけない」
「離婚したら子どもに嫌われる」
「離婚した女性として見られたくない」
「夫に捨てられた人になりたくない」
「離婚後に幸せになれるはずがない」

といった怖さによって、ほかの選択肢を考えられなくなっています。

夫が何も変えなくても、ここにいるしかない。

再び浮気されても、自分には離れる力がない。

そのように感じていると、夫婦関係を続けることが自分の選択肢になりません。

「離婚できない状態にいる人は依存している」と決めつける必要はありません。

経済的な事情や子どもの問題など、すぐには動かせない現実もあります。

ただ、現実的に今は離婚しないことと、「自分には絶対に離婚できない」と思い込んでいることは分けて考えられます。

離婚も選べる状態になるとは

離婚も選べる状態になるというのは、すぐに離婚届を用意することではありません。

離婚の準備を始めなければならないという意味でもありません。

心理的には、次のような状態です。

・一人になっても、自分の生活を立て直せる可能性があると思える
・夫がいなくなっても、自分の価値までなくならないと思える
・結婚生活が終わっても、これまでの年月がすべて消えるわけではないと考えられる
・「家庭を守れなかった人」という見方だけで自分を判断しない
・子どもの人生と自分の人生を、すべて同じものとして背負わない
・夫に選ばれるかどうかだけで、自分の今後が決まらないと思える
・選んだあとにも、生活を作り直していく力が自分にあると思える

最初から、ここまで思える必要はありません。

経済面や住まい、子どもの問題を調べることで、漠然とした怖さが具体的になる人もいます。

自分の感情を整理することで、「離婚したら人生が終わる」という考えが、どこから来ているのかわかる人もいます。

大切なのは、離婚へ向かうことではありません。

離婚も夫婦関係の継続も、現実的な選択肢として考えられる位置へ近づくことです。

「夫が変わらなくても、私は自分の人生について考えられる」

そう思えるようになると、夫の言葉や機嫌だけに結論を左右されにくくなります。

離婚も選べると、夫婦関係を続ける意味も変わる

離婚できないから残る場合、夫が変わらなくても、妻はここにいるしかないと感じます。

夫が謝らなくても、浮気の責任に向き合わなくても、また同じことが起きても、自分には離れる選択肢がない。

この状態では、妻だけが関係を保つために我慢しやすくなります。

離婚も選べる状態になったうえで、

「それでも、もう一度この人とやっていきたい」

と思うなら、夫婦関係の継続は、仕方なく残ることから、自分で選ぶことへ変わります。

夫に対しても、

「何もなかったように戻ることはできない」
「この部分が変わらなければ続けられない」
「私は今すぐ結論を出さない」
「あなたの今後の行動も見て決める」

と考えやすくなります。

反対に離婚を選ぶ場合も、「夫に捨てられた」「浮気相手に負けた」という感覚だけで決めるのではなく、自分の今後として考えやすくなります。

先に必要なのは、離婚か再構築かという正解を出すこととは限りません。

先に必要なのは、「自分には選べる力がある」と感じられるようになることです。

決める前に、自分の中で整理したいこと

すべてに答える必要はありません。

今の自分が何を怖がり、何に動けなくなっているのかを見るために、考えられそうな問いから確認してみてください。

1.離婚したら、私は何を失うと思っているのでしょうか。

2.夫を失うことと、自分の人生が失敗になることを重ねていないでしょうか。

3.今までの努力が無駄になるとは、具体的に何が無駄になるということでしょうか。

4.離婚後、私はどのような生活を送ると想像していますか。

5.子どものために心配していることと、私自身が怖がっていることは、それぞれ何でしょうか。

6.夫婦関係を続けた場合、いちばん怖いことは何でしょうか。

7.離婚も選べる自分になるために、今足りないと感じているものは何でしょうか。

8.夫が変わらなくても、自分の人生について決められると思えるでしょうか。

9.誰にも非難されず、失敗とも言われないなら、本当はどのようにしたいと思うでしょうか。

答えが出ない問いがあってもかまいません。

「何が怖いのかわからない」という状態から、怖さの中身を分けていくための問いです。

まとめ|どちらを選ぶかより、選べる状態になること

夫の浮気後、離婚するか夫婦関係を続けるか決められないのは、優柔不断だからとは限りません。

離婚すれば、生活、子ども、家庭の形、これまでの努力、結婚生活の意味を失うように感じる。

夫婦関係を続ければ、再び裏切られ、自分だけが我慢し続けるかもしれない。

どちらにも怖さがあるため、考えるたびに答えが変わります。

離婚することが、自分の結婚生活を失敗と認めることのように感じられる場合もあります。

離婚後、自分は幸せになれないという思いが、離婚を心理的な選択肢から外していることもあります。

その状態で「離婚か再構築か」を決めようとしても、選択というより、どちらの怖さに耐えるかを決めることになってしまいます。

今すぐ結論を出すことより、離婚も夫婦関係の継続も考えられる状態になることが先の場合があります。

離婚も選べる状態で夫婦関係を続けることと、離婚できないために残ることでは、自分の中に残る感覚が違います。

カウンセリングでは、離婚すべきかどうかをカウンセラーが決めることはありません。

離婚すると何を失うと思っているのか。夫婦関係を続けると何が起きると思っているのか。経済面や子どもの問題と、自分自身の怖さを分けながら整理していきます。

結婚生活が終わることと、自分の人生が失敗になることを重ねていないかを見ることもあります。

離婚したら幸せになれないと思うようになった背景に、過去に見捨てられた経験や、一人では生きていけないと感じた体験が重なっている場合には、その感情も現在の問題と分けていきます。

夫の行動だけで自分の人生が決まる状態から離れ、どちらを選んでも、その後の人生について考え、選び直していけるという感覚を持つこと。

そのうえで、夫婦関係を続けたいと思うのか、離婚を選びたいと思うのかを考えていきます。

以前に「離婚する」「やり直す」と決めたとしても、状況や気持ちが変われば考え直すことはできます。

今は決められないという結論も、現在の自分が出している一つの答えです。

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