最初は、今までの人とは違うと思っていた。
ところが関係が深くなると、また連絡を待って不安になり、言いたいことを我慢し、最後には感情をぶつけてしまう。
「今回こそうまくいくと思ったのに、また同じことをしてしまった」
そんな経験が続くと、自分には見る目がないのか、恋愛そのものに向いていないのかと考えたくなります。
けれども、繰り返しているのは同じタイプの相手とは限りません。この記事では、相手が変わっても同じところで恋愛が苦しくなる理由を整理します。
- 恋愛パターンが相手選びだけではない理由
- 過去の経験が現在の反応に影響する仕組み
- 同じ恋愛を繰り返さないために確認したいこと
相手は違うのに、最後はいつも同じ気持ちになる
恋愛で同じ失敗を繰り返すというと、毎回似た男性を選んでいる状態を思い浮かべるかもしれません。
仕事が忙しくて会えない人ばかり。
簡単には気持ちを見せない人ばかり。
浮気をする人ばかり。
困っていて、こちらが支えなければならない人ばかり。
確かに、似た特徴を持つ相手へ惹かれることはあります。
ただし、相手の性格や生活は違っていても、自分が恋愛の中で担う役割や、最後に感じることが同じ場合もあります。
たとえば、最初の彼は社交的で、次の彼は無口だった。
一人は仕事ができる人で、もう一人は生活が不安定な人だった。
表面上はまったく違います。
それでも、
- いつも自分が相手に合わせる
- 本音を言えず、相手の機嫌を優先する
- 愛されているか何度も確かめる
- 相手の問題を自分が解決しようとする
- 我慢の限界で突然別れを告げる
- 最後は「私ばかり頑張った」と感じる
この部分が同じなら、恋愛の中で繰り返しているパターンがあります。
恋愛パターンは、同じタイプの人を選ぶことだけを指しません。
相手との間でいつも引き受ける役割、出てくる感情、関係が苦しくなるまでの流れにも表れます。
過去の恋愛が、今の相手を見る基準になる
以前の恋愛で傷ついた経験は、関係が終わったあとも、次の恋愛へ影響することがあります。
前の彼から「仕事が忙しい」と言われ、それを信じて待っていた。
しかし、あとから別の女性がいたとわかった。
この経験があれば、次の相手から「今週は仕事が忙しい」と言われたとき、以前と同じ不安が出ても不思議ではありません。
今の彼と前の彼は違うと頭ではわかっています。
それでも、
「本当に仕事なの?」
「また何か隠しているのでは?」
「信じて待ったら、同じ目に遭うかもしれない」
と考えます。
そこで、何度も予定を確認する。返信が遅い理由を聞く。SNSや相手の言葉から矛盾を探す。
本人は、同じ傷を負わないために確認しています。
ところが、相手は疑われ続けているように感じ、説明することに疲れたり、距離を取ったりする場合があります。
するとこちらは、「やっぱり何か隠している」とさらに不安になります。
過去の経験から生じた警戒心が、現在の関係をぎくしゃくさせる流れです。
ここで考えたいのは、過去の相手に傷つけられた経験から生まれた警戒心が、今の相手にどのくらい向けられているのかという点です。
自分を守るための行動が、恋愛を苦しくすることがある
同じ恋愛パターンを繰り返すとき、本人は関係を壊そうとしているわけではありません。
むしろ、関係を失わないために行動していることが多いものです。
寂しいと言ったら重いと思われそうだから、我慢する。
嫌われたくないから、相手の希望を優先する。
自分から連絡して断られるのが怖いから、相手が動くまで待つ。
裏切られる前に気づきたいから、細かく確認する。
突然捨てられるくらいなら、自分から関係を終わらせる。
どれも、そのときの本人には必要な行動に見えます。
しかし、続けることで別の問題が起きます。
我慢を続ければ、相手は不満があることに気づけません。
相手に合わせ続ければ、こちらの希望がわからない関係になります。
愛情を確かめ続ければ、相手はどれだけ答えても信じてもらえないと感じます。
傷つく前に別れれば、関係が深まることはありません。
自分を守るために選んだ行動が、結果的に本来望んでいた関係を遠ざけてしまうことがあります。
なぜ同じ反応が必要になったのか
恋愛で出てくる反応は、その場で突然できたものとは限りません。
以前の人間関係で、同じような対応が必要だった可能性があります。
たとえば、親の機嫌が変わりやすい家庭で育った人は、相手の表情や声の調子を早く察することが得意になります。
親が怒り始める前に、問題を起こさないようにする。
疲れていそうなら、話しかけるのをやめる。
家の雰囲気が悪くならないように、自分の希望を引っ込める。
子どもの頃には、それが家庭の中で過ごすために役立っていたのかもしれません。
その反応が大人の恋愛でも続くと、相手が少し無口なだけで、「何か怒らせたのでは」と考えます。
相手が疲れていると、自分の話をやめます。
不満があっても、関係が悪くなることを恐れて言えません。
一方、威圧的な親に負けないように強く振る舞ってきた人は、恋愛でも相手と競争しやすくなることがあります。
自分が正しいと証明したくなる。
相手に任せるより、自分が決めたほうが早いと感じる。
頼ることや、わからないと言うことに抵抗が出る。
すると、対等な恋愛を望んでいるのに、気づけば自分が指示する側、相手が従う側になっていることがあります。
同じ家庭環境で育っても、反応は一人ひとり違います。
重要なのは、親の性格だけで恋愛のすべてを説明しようとしないことです。
その関係の中で、自分が何を感じ、どのように振る舞うことでその場にいられるようにしてきたのかを見ることです。
穏やかな関係に物足りなさを感じる場合もある
「今度こそ誠実で穏やかな人を選ぼう」と思い、本当にそのような相手と出会った。
ところが、なぜか惹かれない。
やさしくされても気持ちが盛り上がらない。
連絡が安定していると、かえって退屈に感じる。
そして、簡単には気持ちを見せない人や、追いかけなければ関係が続かない人に心が動く。
こうしたこともあります。
過去の恋愛や家庭の中で、不安と愛情が結びついていると、落ち着かない関係ほど恋愛らしく感じる場合があります。
相手の気持ちがわからないから、何度も考える。
会えるかどうかわからないから、会えたときの喜びが大きくなる。
相手が離れそうだから、強く追いかけたくなる。
気持ちが大きく動くため、「この人をとても好きなのだ」と感じます。
反対に、関係が安定していると、考え続ける必要がありません。
感情の起伏も少なくなります。
その状態に慣れていないと、愛情がないように感じたり、相手の魅力が足りないように思えたりします。
頭で望んでいる相手と、感情が強く動く相手が違うのです。
うまくいき始めると、自分から壊したくなることもある
恋愛パターンは、関係が悪いときだけに表れるものではありません。
相手が自分を大事にしてくれる。
気持ちを言葉にしてくれる。
将来について話すようになる。
そんなふうに関係がうまくいき始めたとき、急に相手の欠点が気になったり、距離を取りたくなったりする人もいます。
「本当にこの人でいいのかな」
「もっと合う人がいる気がする」
「最近、相手の気持ちが重い」
そう感じ、自分から関係を終わらせます。
あとになって相手を失うと、「どうしてあんなことをしたのだろう」と後悔します。
関係が近づくことに慣れていない場合、愛されることにも恐れが出ます。
期待に応え続けなければならない気がする。
本当の自分を知られたら、がっかりされると思う。
大切な関係になったあとで失うくらいなら、今のうちに離れたくなる。
こうした気持ちがあると、幸せになりかけたときに逃げることがあります。
本人には、相手への気持ちが冷めたように見えます。
その裏で、関係が深まったことで出てきた不安から離れようとしている場合もあるのです。
頭ではわかっているのに、なぜ変えられないのか
同じ恋愛を繰り返していることに、本人が気づいている場合もあります。
「今度は我慢せずに話そう」
「相手の連絡を待ちすぎないようにしよう」
「不安になっても問い詰めないようにしよう」
「簡単に別れを口にしないようにしよう」
方法はわかっています。
けれども、実際に不安や怒りが出ると、また同じ行動を選びます。
これは、単に知識が足りないだけとは限りません。
行動を変えた後で、もっと怖いことが起きると感じている場合があるのです。
不満を言ったら嫌われる。
相手の連絡をこまめに確かめていないと、気づかないうちに裏切られる。
相手に頼ったら、拒絶される。
自分から別れなかったら、突然捨てられる。
頑張るのをやめたら、必要とされなくなる。
こうした感覚が残っていると、頭では別の行動がよいと理解していても、これまでの方法を手放せません。
同じ反応は、自分を苦しめるものになっていても、同時に自分を守る役割を持っているからです。
同じ恋愛パターンを変えるには、行動だけを直そうとするより、その行動をやめたら何が起きると感じているのかを知る必要があります。
自分が繰り返しているものを確認する
これまでの恋愛を振り返るときは、相手の共通点だけを探さないほうがよいでしょう。
次の項目から、自分が繰り返している流れを確認できます。
- 恋愛の最初は、いつも自分と相手のどちらが積極的か
- 関係が近づくと、どのような不安が出るか
- 相手に言えずに我慢することは何か
- 相手へ何度も確認したくなることは何か
- 自分は恋愛の中で、世話役、待つ側、追う側、評価される側のどれになりやすいか
- 関係が悪くなる直前、いつも何をしているか
- 別れたあと、毎回どのような後悔が残るか
- 相手が変わっても、最後にどの感情へ行き着くか
- 同じ感情を、過去の家族関係や友人関係でも感じていなかったか
- いつもと違う行動をしたら、何が起きると感じるか
たとえば、相手は毎回違うのに、最後は「私ばかりが頑張っていた」と感じるなら、与える量だけでなく、自分の希望をどの程度伝えていたかを見る必要があります。
毎回「突然捨てられた」と感じるなら、相手が距離を取り始めたときに何が起きていたのか、自分は不安をどのように表していたのかを振り返ります。
「またダメな人を選んだ」と結論づけるよりも、その関係の中で自分がどんな行動をしていたのかを具体的に振り返るほうが、次の恋愛を変えるヒントになります。
ただし、相手の問題行動まで自分の責任にする必要はありません。
暴言、浮気、威圧、無視など、相手が選んだ行動の責任は相手にあります。
そのうえで、自分がなぜその関係から離れられなかったのか、どの扱いを我慢し続けたのかを考えることはできます。
同じ恋愛から抜け出すために必要なこと
恋愛パターンを知る目的は、過去の自分を責めることではありません。
「どうしてまた同じことをしたのだろう」と反省を重ねても、その行動が必要になった理由が残っていれば、似た場面で同じ反応が出ます。
まず必要なのは、自分が守ろうとしてきたものを知ることです。
嫌われないこと。
突然捨てられないこと。
必要な人でいること。
相手に負けないこと。
傷つく前に離れること。
どのような方法で関係を守ってきたのかがわかると、今も同じ方法が必要なのかを考えられます。
次に、これまでとは異なる行動を選ぶために、出てくる感情を扱います。
我慢せずに伝えようとすると怖い。
追いかけるのをやめると、見捨てられる気がする。
相手に任せると、頼りない自分になるように感じる。
穏やかな関係を選ぶと、恋愛をしている感覚がなくなる。
ここを飛ばして「正しい行動」だけをやろうとしても、結局いつものやり方に戻ってしまいやすくなります。
過去に言えなかった怒りや寂しさ、親や以前の恋人から受けた扱い、そしてそのときに「自分はどんな人間だ」と感じたのかを、整理していくことが大切です。
カウンセリングでは、現在の恋愛だけを見るのではなく、どの場面で同じ反応が始まるのか、過去のどの経験とつながっているのかを見つけていきます。
相手にわかってほしかったこと、言ったら関係が壊れると感じていたこと、同じ役割を降りた先で起きると恐れていることを整理していきます。
残っている感情を解放し、過去の出来事を現在の視点から理解し直すと、「頭ではわかっているのにできない」状態が変わりやすくなります。
恋愛パターンが見えてくると、これまでの恋愛がすべて同じだったという見方も変わります。
どこで苦しくなり、どの場面でいつもの反応が始まり、何を怖がっていたのか。
それがわかれば、次の恋愛では相手を変えることだけに期待せず、自分の選び方や伝え方を変えていけます。
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