「どんな人と付き合いたいですか?」
そう聞かれたとき、
やさしい人。
誠実な人。
仕事ができる人。
頼りがいのある人。
一緒にいて落ち着ける人。
と、いくつかの条件が浮かぶかもしれません。
結婚を考えているなら、
年収。
仕事。
住んでいる場所。
子どもを望むかどうか。
家事への考え方。
家族との距離。
そうした現実的な条件も必要になります。
理想のパートナー像を考えること自体は、悪いことではありません。
むしろ、自分がどのような関係を望んでいるのかを知るために役立ちます。
ただ、条件を増やしていくうちに、
「なぜ、この条件が必要なのか」
がわからなくなることがあります。
世間から評価される相手なのか。
過去の恋人とは違う人なのか。
自分を傷つけない人なのか。
自分の希望を何でもわかってくれる人なのか。
相手の条件は増えているのに、自分がどのような関係を築きたいのかは、かえって見えにくくなることがあります。
- 理想のパートナー像を考える目的
- 条件を持つこと自体が問題なのではない
- 条件を3種類に分けてみる
- 生活を続けるために必要な条件
- 自分の好み
- 自分の価値を証明するための条件
- 「年収」という条件の奥に何を求めているのか
- 「気遣いができる人」に何を求めているのか
- 「頼りがいがある人」とはどんな人か
- 過去の恋人と正反対の人を探していないか
- 周囲から羨ましがられる相手を求めていないか
- 好きになる人と、生活を作れる人は同じとは限らない
- 一緒にいるときの気持ちだけでは判断できない
- 人物の条件を、関係の中での行動へ言い換える
- 譲れない条件と、出会ってから確認できることを分ける
- 自分はどのようなパートナーになりたいのか
- 理想の相手より、築きたい関係を考える
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理想のパートナー像を考える目的
理想のパートナー像を考える目的は、完璧な相手の履歴書を作ることではありません。
自分が恋愛や結婚の中で、
何を大切にしたいのか。
どのような生活を送りたいのか。
どのような扱いは受け入れられないのか。
どのような関係なら、無理をせずに続けられるのか。
それを確認するためです。
ところが、理想の相手について考え始めると、相手の特徴ばかりに目が向きます。
高収入。
高学歴。
見た目が好み。
話がおもしろい。
決断力がある。
家事ができる。
その条件が、自分の望む生活や関係とつながっているなら、意味があります。
けれども、
「条件を満たした人と付き合えば、幸せになれるはず」
となると、実際の関係を見ないまま、相手を条件だけで判断することになります。
条件を持つこと自体が問題なのではない
理想の条件について話すと、
「条件にこだわるから出会えない」
「理想を下げたほうがいい」
と言われることがあります。
けれども、生活に大きく関わる条件まで、妥協すればよいわけではありません。
結婚の意思があるか。
子どもについて、どのように考えているか。
仕事をどう続けたいか。
どこに住むか。
お金をどのように管理するか。
家事や介護を、どちらか一方に任せる考えではないか。
暴力、借金、依存などの問題がないか。
こうしたことは、長く生活を共にするなら確認しておきたい内容です。
問題になるのは、条件が多いことそのものではありません。
その条件が、
自分の生活に必要なものなのか。
好みとして望んでいるものなのか。
人から羨ましがられるために必要なものなのか。
過去の失敗を繰り返さないために置いているものなのか。
自分でもわからないまま並んでいることです。
条件を3種類に分けてみる
理想のパートナー像を整理するときは、条件を三つに分けて考えるとわかりやすくなります。
生活を続けるために必要な条件
一つ目は、交際や結婚生活を続けるために必要な条件です。
たとえば、
結婚への意思。
子どもについての考え。
住む場所。
仕事を続けるかどうか。
お金の使い方。
家事の分担。
家族との関わり方。
生活時間。
健康や生活習慣。
こうした部分に大きな違いがあると、好きという気持ちだけでは調整できないことがあります。
たとえば、相手が海外で暮らしたいと考え、自分は今の土地を離れたくない。
相手は子どもを望み、自分は望んでいない。
相手は家事を相手に任せるものだと思い、自分は分担を望んでいる。
どちらが正しいという話ではありません。
ただ、生活の前提が違います。
生活に関わる条件は、「理想が高い」と言われたから外すものではありません。
自分にとって何が必要なのかを、具体的に考えたほうがよい部分です。
自分の好み
二つ目は、自分が魅力を感じる好みです。
見た目。
声。
話し方。
服装。
趣味。
仕事への姿勢。
行動力。
落ち着き。
ユーモア。
こうした好みがあるのは自然なことです。
好みを全部捨てて、条件に合う人を選べばよいわけではありません。
魅力を感じられなければ、恋愛関係を作りにくいこともあります。
ただ、魅力を感じることと、一緒に生活しやすいことは同じではありません。
自由で型にはまらない人に惹かれたけれど、付き合ってみると約束を守らず困った。
仕事に情熱を持つ人に惹かれたけれど、いつも仕事が優先されて寂しかった。
強く引っ張ってくれる人に惹かれたけれど、自分の意見を聞いてもらえなかった。
好みには、自分が求めているものが表れることがあります。
同時に、自分がまだ持てていないものへの憧れが含まれていることもあります。
「なぜ、このタイプに惹かれるのだろう」
と考えると、相手を見る基準だけでなく、自分が求めているものも見えてきます。
自分の価値を証明するための条件
三つ目は、その相手と付き合うことで、自分の価値を証明しようとする条件です。
高い地位にいる人。
周囲から羨ましがられる人。
元恋人より成功している人。
家族が納得する職業の人。
外見がよく、人から注目される人。
そのような相手を望むこと自体が悪いわけではありません。
ただ、
「この人に選ばれたら、自分にも価値があると思える」
「この人と結婚すれば、周囲から認めてもらえる」
という思いが強いと、相手との関係より、その人が持つ評価を選びやすくなります。
付き合っていて苦しい。
大切に扱われていない。
話し合いができない。
それでも、
「これほど条件のよい人を逃したくない」
と思い、関係を続けることがあります。
理想の条件を見直すときは、
その人と一緒にいたいのか
その人に選ばれた自分になりたいのか
を分けて考えてみる必要があります。
「年収」という条件の奥に何を求めているのか
たとえば、
「年収は○万円以上がいい」
という希望があったとします。
その条件の奥には、さまざまな理由が考えられます。
結婚後も今の生活水準を保ちたい。
経済的な不安を減らしたい。
相手にも仕事への責任感があってほしい。
自分一人が生活を支える関係を避けたい。
将来の教育費や老後資金を考えている。
周囲から評価される相手と結婚したい。
同じ年収条件でも、望んでいることは違います。
自分が求めているのが、
収入額そのものなのか。
安定した働き方なのか。
計画的にお金を使えることなのか。
生活責任を分け合えることなのか。
そこがわかると、相手を見る範囲が変わります。
条件を捨てるのではなく、その条件で本当に確認したいことを明らかにするのです。
「気遣いができる人」に何を求めているのか
「気遣いができる人がいい」
という希望も、よくあります。
ただ、気遣いという言葉に、何を含めているでしょうか。
疲れているときに声をかけてくれる。
予定を決めるときに、こちらの都合も聞く。
人前で嫌なことを言わない。
体調が悪いときに無理をさせない。
こうした行動を求めているなら、わかりやすいでしょう。
一方で、
言わなくても気持ちをわかってほしい。
何が欲しいか察してほしい。
こちらが怒る前に問題へ気づいてほしい。
自分が説明しなくても、望みどおりに動いてほしい。
という希望が含まれていることもあります。
気持ちを察してもらえたら、うれしいものです。
けれども、何も言わなくても常に正しく理解してくれる人を求めると、相手は試験を受け続けることになります。
理想の相手を考えるときは、
「気遣いのできる人」
という人物像だけでなく、
自分の希望を言ったときに、話を聞いてくれる人
意見が違っても、すぐ否定せずに話し合える人
という関係の行動へ言い換えるほうが、実際の相手を見やすくなります。
「頼りがいがある人」とはどんな人か
「頼りがいがある人がいい」
という希望にも、いくつかの意味があります。
問題が起きたときに逃げない。
必要な話し合いができる。
約束したことを実行する。
自分の意見を持っている。
困ったときに一緒に対応を考えられる。
こうした人なら、関係の中で頼りになるでしょう。
一方で、
自分の代わりに全部決めてほしい。
迷わず正解を出してほしい。
自分の希望を優先してほしい。
不安にならないよう、いつも引っ張ってほしい。
という望みが含まれていることもあります。
相手へ判断を任せられれば、自分が失敗する怖さは減ります。
ただ、その関係では、自分の意見が通らないときに、
「頼りがいがあると思ったのに、勝手に決める人だった」
と感じることがあります。
頼れる人と、自分の代わりに人生を決める人は同じではありません。
過去の恋人と正反対の人を探していないか
過去の恋愛で傷ついたあと、
「次は絶対に、前の人とは違うタイプにする」
と考えることがあります。
元恋人が仕事ばかりだったから、次は仕事に熱心ではない人。
元恋人が優柔不断だったから、次は強く決める人。
元恋人が束縛する人だったから、次は自由な人。
過去の経験を生かすことは大切です。
ただ、正反対の人を選べば、必ずうまくいくとは限りません。
仕事ばかりの人を避けた結果、仕事への責任感がない人を選ぶ。
優柔不断な人を避けた結果、こちらの意見を聞かない人を選ぶ。
束縛する人を避けた結果、関係に関心を持たない人を選ぶ。
過去と反対の条件だけを見ていると、別の問題へ移ることがあります。
必要なのは、前の相手が持っていた特徴を否定することではなく、
その関係の中で、自分は何に苦しんでいたのか
を具体的にすることです。
周囲から羨ましがられる相手を求めていないか
パートナーを選ぶときには、周囲の評価も入り込みます。
家族に紹介しても恥ずかしくない人。
友人から羨ましがられる人。
職業や学歴を話したときに、よい反応が返ってくる人。
そうした相手を望む気持ちがあっても不思議ではありません。
ただ、周囲から高く評価される人と、自分が一緒にいて落ち着ける人は同じとは限りません。
人から見れば理想的でも、
二人でいると会話が続かない。
意見を言うと機嫌が悪くなる。
こちらの仕事や生活を尊重しない。
問題が起きると話し合いを避ける。
ということもあります。
周囲の評価がなくても、その人を選びたいでしょうか。
誰にも羨ましがられなくても、その関係を続けたいでしょうか。
そう考えると、自分が相手本人を見ているのか、その人が持つ評価を見ているのかがわかりやすくなります。
好きになる人と、生活を作れる人は同じとは限らない
強く惹かれる相手が、自分に合う相手とは限りません。
連絡が来るかどうかわからない。
会えるかどうかも相手次第。
気持ちを確認すると、はぐらかされる。
そのような不安定な関係に、強く惹かれることがあります。
相手から認められたい。
選ばれたい。
振り向かせたい。
その気持ちが強いと、関係の不安定さが恋愛の熱として感じられることがあります。
反対に、約束を守り、こちらの話を聞き、穏やかに接する人に対して、
「物足りない」
と感じることもあります。
だからといって、強く惹かれる人をすべて避けたり、穏やかな人を無理に好きになったりする必要はありません。
ただ、
相手への魅力
関係の中で感じる緊張
選ばれたい気持ち
を同じものにしないことが大切です。
一緒にいるときの気持ちだけでは判断できない
「一緒にいて心地よいか」は大切です。
けれども、それだけで関係のすべてを判断することはできません。
楽しく話せる。
趣味が合う。
気を使わずに過ごせる。
それでも、問題が起きたときに話し合えない関係もあります。
確認したいのは、
意見が違ったときに、どうなるか。
どちらかが失敗したときに、どう対応するか。
予定を変更するときに、相手へ説明できるか。
怒ったときに、侮辱や無視で返さないか。
片方だけへ負担を寄せていないか。
困ったときに、一緒に方法を考えられるか。
恋愛が始まった直後の楽しさより、思いどおりにならない場面での対応に、その人との関係が表れます。
人物の条件を、関係の中での行動へ言い換える
理想のパートナー像を考えるときは、曖昧な形容を、行動へ言い換えてみます。
やさしい人
ではなく、
こちらが疲れているときに、一方的な要求を押しつけない。
誠実な人
ではなく、
約束を変えるときは連絡し、嘘でごまかさない。
頼りがいがある人
ではなく、
問題が起きたときに逃げず、一緒に対応を考える。
話し合える人
ではなく、
意見が違っても、黙り込んだり怒鳴ったりせず、互いの考えを確認する。
自立した人
ではなく、
自分の生活や感情の責任を、相手だけに背負わせない。
人物の特徴を行動へ言い換えると、出会った相手の実際の言動を見られるようになります。
譲れない条件と、出会ってから確認できることを分ける
出会う前に確認できる条件もあります。
年齢。
住んでいる地域。
職業。
結婚の意思。
子どもについての考え。
一方、交際しなければわからないこともあります。
意見が違ったときの対応。
こちらの都合への配慮。
謝ることができるか。
約束をどの程度守るか。
家事やお金について、実際にどう行動するか。
最初からすべてを見抜くことはできません。
条件に合う人を探すだけでなく、関わりながら確認する部分があることも考えておきます。
自分はどのようなパートナーになりたいのか
理想の相手について考えるときは、
「相手に何をしてほしいか」
だけになりやすいものです。
けれども関係は、相手一人が作るものではありません。
自分は意見を言えるか。
相手の希望も聞けるか。
不満をため込まずに伝えられるか。
相手へ察することだけを求めていないか。
相手の選択を尊重できるか。
問題が起きたときに、相手だけを責めずに話し合えるか。
自分がどのようなパートナーになりたいかも考えると、理想の関係が具体的になります。
理想の相手より、築きたい関係を考える
理想のパートナー像は、条件を並べるためだけのものではありません。
自分がどのような関係を築きたいかを知るためのものです。
互いの仕事を尊重できる。
意見が違っても話し合える。
一方だけが我慢を続けない。
困ったときに責任を押しつけ合わない。
希望を言葉にできる。
相手の希望も聞ける。
そうした関係を望むなら、相手の肩書きや雰囲気だけではなく、実際のやりとりを見る必要があります。
理想を下げる必要はありません。
ただ、その理想が、
自分の生活に必要なものなのか。
自分の好みなのか。
人から認められるためのものなのか。
過去の傷を二度と感じないためのものなのか。
を分けることが大切です。
条件を満たす人を探しているのに、なぜか関係がうまくいかない。
惹かれる相手と、長く関係を続けられる相手が違う。
自分が本当に何を望んでいるのかわからない。
そのようなときは、相手の条件だけでなく、これまでどのような関係に惹かれ、どの場面で苦しくなってきたのかを整理すると、選ぶ基準が見えてくることがあります。
カウンセリングでは、理想の条件を減らすのではなく、その条件の奥で何を求め、何を避けようとしているのかを見ていきます。
完璧な人を見つけることより、自分が望む関係を理解し、目の前の相手と実際にその関係を築けるかを見ること。
それが、自分に合うパートナーを考えることにつながります。
こちらの記事もどうぞ
理想の条件を考えても自分に合う相手がわからない方や、惹かれる相手と望んでいる関係がなぜか一致しない理由を整理したい方は、カウンセリングをご利用いただけます。




