自分より強い男性に惹かれると、なぜ恋愛が競争になるのか

強い男性との恋愛が競争になる 恋愛・夫婦関係

仕事ができる。

判断が早い。

自分の考えを持っている。

周囲からも一目置かれている。

そんな男性を見ると、心が動く。

「この人なら尊敬できる」

「この人になら頼れるかもしれない」

そう思う一方で、実際に会話を始めると、なぜか落ち着きません。

自分の仕事の実績を話したくなる。

相手が知っていることについて、

「私も知っています」

と示したくなる。

意見を言われると、すぐに反論したくなる。

本当は会えてうれしいのに、

「私は一人でも楽しくやっています」

という話ばかりする。

気づけばデートが、恋愛というより、少々熱の入った面接かプレゼンのようになっている。

そして、そんな男性に限って選ぶのは、自分とは違うタイプの女性だったりします。

頼るのが上手そう。

喜び方が素直。

彼の話を楽しそうに聞いている。

それを見て、

「能力なら私の方があるのに」

「どうして、あの人なの?」

と悔しくなる。

けれど、ここで起きているのは、能力の勝負に負けたという話だけではないのかもしれません。

自分より強い男性を好きになった瞬間、その人を恋愛相手よりも、自分の価値を評価する人として見始めていることがあります。

尊敬できる人がいい。でも、その人の前では落ち着かない

恋愛相手を尊敬したいと思うこと自体は、自然なことです。

仕事への姿勢。

人への接し方。

困ったときの判断。

人生に対する考え方。

尊敬できる部分があるから、相手をもっと知りたいと思うこともあるでしょう。

ただ、

「尊敬できる人が好き」

という気持ちの中に、

「この人から認められたら、自分にも価値があると思える」

という思いが混ざることがあります。

すると、相手の前で普通にしていられません。

知らないことを知らないと言えない。

迷っている姿を見せられない。

仕事で失敗した話をしたくない。

困っていても助けを求められない。

「この人にふさわしい自分でいなければ」

という緊張が始まるからです。

尊敬できる男性と会っているはずなのに、楽しいよりも疲れる。

何を話したかより、

「変なことを言わなかったか」

「頭が悪いと思われなかったか」

「退屈な女性だと思われなかったか」

ばかり気になる。

好きな人に会ったというより、重要な審査を受けて帰ってきたような気分になります。

恋愛相手が、いつの間にか自分を評価する人になる

仕事では、評価されることが必要です。

成果を出す。

役割を果たす。

信頼される。

能力を認めてもらう。

頑張ったことが結果につながる世界です。

そのやり方で仕事や生活を築いてきた人は、恋愛でも同じ方法を使うことがあります。

相手の役に立つ。

的確な助言をする。

困っていたら支える。

自分の知識や経験を示す。

「私と付き合えば、あなたにとってこれだけ価値があります」

と、無意識に証明しようとするのです。

もちろん、恋人を支えることが悪いわけではありません。

問題は、役に立てない自分では、相手のそばにいられないように感じることです。

自分の意見が採用されると、認められた気がする。

相手が自分を頼ると、必要とされた気がする。

反対に、相手が別の女性を褒めると、自分の価値を下げられたように感じる。

恋愛相手の言葉が、愛情の表現よりも、自分への評価として聞こえるようになります。

「選ばれたい」より、「認められたい」が強くなる

強い男性を好きになったとき、

「この人と一緒にいたい」

という気持ちより、

「この人に認められたい」

という気持ちが強くなることがあります。

相手が仕事で成功しているほど、

「この人に認められる私は、それだけ価値のある女性だ」

と思えるからです。

社会的な立場がある人。

多くの人から尊敬されている人。

簡単には人を褒めない人。

そのような男性から選ばれれば、自分が特別だと証明されたように感じます。

そのため、相手の前では、自分の実力を見せたくなります。

「私も仕事では責任ある立場です」

「それについては、私も詳しいです」

「そのくらいなら、一人でできます」

会話の中に、気づけば自分の経歴書が紛れ込みます。

相手に興味を持っているはずなのに、相手の話を聞きながら、

「次は何を話せば、私の価値が伝わるだろう」

と考えている。

これでは、二人で関係を育てる前に、評価されるための活動が始まってしまいます。

知らない、できない、助けてほしいが言えない

恋愛では、相手へ何かを頼む場面があります。

知らないことを教えてもらう。

迷っていることを相談する。

疲れている日に助けてもらう。

不安になった気持ちを話す。

ところが、尊敬している男性の前ほど、こうしたことが難しくなる人がいます。

「そんなことも知らないの?」

と思われそう。

「頼りない女性だな」

と見られそう。

面倒な人だと思われそう。

自分より立場が下だと判断されそう。

そんな感覚が出るからです。

頭では、完璧な人などいないとわかっています。

恋人同士なら、助け合うことも必要だと理解しています。

それでも実際に、

「わからない」

「困っている」

「少し助けてほしい」

と言おうとすると、言葉が止まります。

代わりに、

「自分で調べるから平気」

「それくらいできます」

と答える。

そして相手が別の女性を助けていると、

「どうして私には何もしてくれないの?」

と寂しくなります。

相手からすれば、助けが必要な人には見えていません。

何でもできると言っていたからです。

わかってはいる。

でも、自分から頼ることはできない。

この矛盾は、頼り方を知らないだけでは説明しきれない場合があります。

相手の意見を受け入れると、負けたように感じる

強い男性との会話では、相手の意見が自分と違うこともあります。

本来なら、

「そういう考え方もあるんだね」

と話し合えばよい場面です。

ところが、相手の意見を受け入れると、自分が負けたように感じることがあります。

すぐに反対意見を出す。

相手の説明の足りないところを指摘する。

自分の方が詳しい部分を探す。

「でも、それはこういう場合には通用しないよね」

と、話を勝負へ変えていく。

本人は、対等に話しているつもりかもしれません。

ただ、対等であることを証明しようとするほど、どちらが正しいか、どちらが上かという会話になります。

相手に従いたいわけではありません。

自分の意見を持つことも大切です。

けれど、相手の話を受け入れることと、自分を下に置くことが同じになっているなら、話し合いは難しくなります。

恋人と意見を交換しているはずが、気づけば勝者を決める討論会です。

しかも、勝ったところで恋愛関係が深まるとは限らない。

かなり割に合わない試合です。

対等になるために競うほど、恋愛から離れていく

相手を自分より上に置くと、そのままでは苦しくなります。

だから、自分の能力を見せて追いつこうとします。

仕事の実績。

収入。

知識。

経験。

精神的な強さ。

「私もあなたと同じくらいできる」

と示せば、対等になれる気がするからです。

けれど、対等な関係は、能力が同じ二人の間にだけ生まれるものではありません。

得意なことが違っていても、互いの意見や意思を尊重できれば、対等に関われます。

一方が仕事で成功していても、もう一方の考えを軽く扱うなら、対等とは言いにくいでしょう。

競争によって相手へ追いつこうとすると、

自分より相手が上。

追いつかなければ価値がない。

という前提を、かえって強めることがあります。

頑張って対等になろうとするほど、最初から自分を下に置いていたことになるのです。

強い男性へ認められることで、何を確かめたいのか

強い男性に惹かれる理由は、人によって違います。

純粋に、能力や考え方へ魅力を感じていることもあるでしょう。

自分にはない部分を尊敬している場合もあります。

ただ、似た恋愛が何度も繰り返されるなら、

「その男性から認められることで、何を確認したいのか」

を考えてみる意味があります。

自分も優秀だと確認したい。

女性として価値があると思いたい。

これまでの努力は間違っていなかったと感じたい。

誰よりも特別な存在になりたい。

尊敬する人から選ばれることで、自分を認めたい。

こうした思いがあるかもしれません。

相手を好きになる気持ちの中に、自分の価値を証明したい気持ちが入ると、恋愛の結果が自分全体の評価になります。

相手に選ばれなかったとき、

「相性が合わなかった」

では終われません。

仕事も能力も女性としての魅力も、すべて否定されたように感じます。

失恋以上の痛みになるのです。

できる自分なら大切にされると思った経験

好きな人の前で自分を証明したくなる背景には、過去の経験が影響している場合があります。

成績がよいときに褒められた。

失敗すると厳しく責められた。

しっかりしているときに、親から認められた。

困っている人を助けることで、自分の居場所ができた。

きょうだいや同級生と比べられ、負けないように頑張った。

父親や先生など、尊敬する人から認められたかった。

頼ったときに、

「そのくらい自分でやりなさい」

と言われた。

知らないことを笑われた。

好意を見せた相手から、雑に扱われた。

そのような経験があると、

「できる私なら大切にされる」

「尊敬する人の前では、実力を示さなければならない」

という理解が残ることがあります。

現在の男性は、過去の人とは違います。

頭では、そう理解しているでしょう。

それでも、似た立場や雰囲気を持つ人を前にすると、当時と似た緊張が出ることがあります。

本当は、競わずに見てほしかった

能力を認めてほしかった。

頑張ったことを評価してほしかった。

それは大切な気持ちです。

同時に、本当は別の願いもあったのかもしれません。

何も証明しなくても、興味を持ってほしかった。

知らないことがあっても、ばかにしないでほしかった。

失敗した日にも、変わらず接してほしかった。

頑張る自分だけでなく、迷ったり疲れたりする自分も見てほしかった。

勝ち負けを決めずに、一緒に話したかった。

できることだけを評価された経験が続くと、こうした願いは表に出にくくなります。

「そんなものは必要ない」

「私は認められれば十分」

と思うようになるからです。

けれど、恋愛相手にまで能力を証明し続けて疲れているなら、認められたい気持ちの奥に、競わずに関わりたかった気持ちが残っている場合があります。

相手の弱音を聞いた瞬間に冷める理由

自分より強いと思っていた男性が、仕事の悩みを話した。

自信がないと言った。

判断に迷っている姿を見せた。

その瞬間、

「この人も、たいしたことがなかった」

と気持ちが冷めることがあります。

相手が悩んだこと自体が問題とは限りません。

自分より上に置いていた人が下りてくると、その人から認められる意味まで失われることがあります。

尊敬する男性から評価されることで、自分の価値を確かめたかった。

その男性が普通の一人の人に見えた瞬間、評価者としての力がなくなる。

すると恋愛感情まで薄れるのです。

また、

「この人まで私が支えなければならないの?」

という怖さが出る場合もあります。

これまで周囲を支える側だった人にとって、相手の弱った姿は、再び自分が背負う未来を想像させるからです。

相手が悩みを話せることと、責任をこちらへ押しつけることは違います。

そこも分けて見る必要があります。

強い男性が、対等な関係を作れる人とは限らない

仕事ができる。

社会的に成功している。

判断が早い。

人から頼られている。

そうした男性が、恋愛でも相手を尊重できるとは限りません。

女性から尊敬され続けたい人。

自分へ反論しない相手を選ぶ人。

女性の能力を脅威に感じる人。

困っている女性を助けることで、優位に立ちたい人。

仕事の成功を理由に、相手の意見を軽く扱う人。

女性同士を競わせ、自分の価値を確認する人もいます。

そのような男性に選ばれないことを、

「私に可愛げがないから」

「受け取り方が下手だから」

と自分だけの問題にする必要はありません。

自分が競争を始めているのか。

相手が上下関係を求めているのか。

相手は話し合いのできる人なのか。

選ばれることを考える前に、自分も相手を見てよいのです。

ほかの女性との競争を始める前に

好きな男性が別の女性を選んだとき、

「あの人より私の方が仕事ができる」

「私の方が彼を理解できる」

「どうして、何もできなさそうな人が選ばれるの?」

と思うことがあります。

けれど、外から見ただけでは、その女性が何もできないとは限りません。

仕事では責任を果たしているかもしれない。

自分の考えを持っているかもしれない。

ただ、恋愛の中で能力を証明する必要を感じていないだけかもしれません。

相手の女性を低く見るほど、

「能力なら自分が勝っている」

という競争は続きます。

その競争の中心にいる男性が、本当に自分に合う人なのかという視点も失われます。

相手の女性に勝つことと、自分が満足できる関係を築くことは別です。

能力を隠さず、価値も証明し続けない関係

自分の能力を隠す必要はありません。

男性を立てるために、知らないふりをする必要もありません。

できない女性を演じても、自分が苦しくなります。

必要なのは、

できる自分を見せること。

できない自分も隠さないこと。

意見が違っても、自分の価値が下がったと思わないこと。

相手の意見を聞いても、負けたことにしないこと。

助けてほしいときには、助けを求めること。

相手から評価される前に、自分も相手との関係を考えることです。

相手に認められるために話すのか。

自分を知ってもらうために話すのか。

同じ言葉でも、関係の作り方は変わります。

「選ばれる私」より、二人で関係を選べる私へ

自分より強い男性に惹かれるたび、認められようとして疲れる。

相手の意見を受け入れられず、会話が勝負になる。

ほかの女性を能力で評価し、競争してしまう。

相手の弱った姿を見ると、急に気持ちが冷める。

そのようなことが繰り返されている場合、恋愛の会話術や頼り方を増やすだけでは、同じところを回ることがあります。

カウンセリングでは、どのような男性を自分より強いと感じるのか、その男性へ認められることで何を確かめたいのかを見ていきます。

好きな人の前で、何を証明しようとしているのか。知らない、できないと言うと、何が起きるように感じるのか。過去に誰から認められたくて、どのような自分でいようとしたのか。

その中に、認めてもらえなかった悔しさや、頑張らない自分も見てほしかった寂しさが残っている場合があります。

当時の感情を整理し、

「できる私でなければ大切にされない」

と理解した経験を現在の視点から見直すことで、恋愛相手へ価値を証明し続ける反応が、以前ほど強く出なくなることがあります。

自分より強い人を好きになってもよいのです。

尊敬できる人を選ぶこともできます。

ただ、その人を自分の価値を決める人にする必要はありません。

相手から選ばれるかだけを考える恋愛から、

自分も相手を知り、この人とどのような関係を作りたいのかを考える恋愛へ。

強さを競い合う関係より、互いの違いを尊重できる関係へ。

そこへ移ることが、「競争モード」から降りるということなのだと思います。

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強い男性を好きになるたび、自分の価値を証明しようとして疲れたり、相手の評価が気になって恋愛を楽しめなかったりするときは、過去に「できる自分」で認められようとした経験が影響している場合があります。似た恋愛を繰り返す理由を整理したい方は、カウンセリングをご利用いただけます。

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