わかっちゃいるけどできない理由:感情が行動を左右するメカニズム

感情が行動に与える影響を象徴するビジュアル 仕事に活かす心理学
感情に支配される行動のメカニズムを理解し、自己改善する方法

わかっちゃいるけどできない

「あれは、私が言い過ぎたな・・・」
と思えば、大切な人と仲直りするために、「ごめんね。言い過ぎた」と謝ればいい。

でも、謝ろうと思った瞬間に、「いやまてよ・・・確かに私も言い過ぎたけれど、あの人がそもそもあんな態度したことが原因なんだよね」と、「私は悪くない。悪いのは相手だ」という気分になる。

結果、謝らないだけでなく、「あなたのあの態度は良くないよね!」と更に言ってしまい、大切な人との仲がますます悪くなる。

なんてことって、よくあるかも?

これはよく私のブログでも書くことがある【罪悪感】のお話し。
「あれは、私が言い過ぎたな・・・」というのは、罪悪感をもったということ。
罪悪感は罪の意識だから、感じていて気分が良いものではない。
そこで、自分よりも悪い人を作ることによって、自分が感じてしまった罪悪感を帳消しにしようとする。

この辺りの罪悪感に関しては、他のブログにも度々書かせてもらっているし、今日書きたいこととは少し違うので、罪悪感については今日はここまで。

わかっちゃいるのは思考で、できないのはそこに感情があるから

そもそも、どうして言い過ぎてしまうのだ?ということを、今日は解説したいのです。
言い過ぎるということだけでなく、後で冷静になって考えると、「どうしてあんなことしちゃったのだろう?」と思うようなこと全般に当てはまるお話しです。

言い過ぎちゃったというのは、言葉を発するという行動です。
私たち人間が行動するとき、その行動をする前に何らかの感情を感じています。

「怖い!」と感じるから逃げるという行動をするし、「不安だ」と感じるから、誰かに連絡をとるという行動をする。
「嬉しい!」と感じるから、ハイタッチするという行動をする。
今は、ソーシャルディスタンスが大切ですし、接触はできるだけ避けましょうということですから、ハイタッチはなかなかできませんが、嬉しいと感じて飛び跳ねたりしますよね。

行動の前に感情があるのです。

で、その感情によってとる行動も違ってきます。
また、その人の生活スタイルや文化によっても行動は違ってきます。

この感情ですが、感じるものは感じるので、どうしようもないと言えばどうしようもありません。
でも条件が違えば、同じようなことを体験しても感じ方は違ってきます。

どうしてそう感じるのか?

例えば、先ほどの言い過ぎるという行動。
言い過ぎてしまうというのは、場面にもよりますが、過剰防衛的な要素があったりします。

あなたが車を運転していて、助手席に友人が乗っていたとしますね。
あなたが道を間違えてしまった。
友人が「あれ?さっきの所、やっぱり右折した方がよかったんじゃないの?」と言うのです。

この友人の言葉に対して、「責められた!」とか「間違いやがってと思われている!」と思うと、感情的には「攻撃された!嫌な感じ!」となります。
攻撃されたと感じるので、防衛するために、「そんなことより、あなたは運転できないんだから私に任せておいてほしいのよね!いっつも助手席に乗っているだけなのに偉そうに言うのってどうかと思う!」なんてことを言ってしまう。

でも、もしも友人の言葉に対して、「攻撃された!」と感じなければ、「そうだよね。さっきの所やっぱり右折したほうがよかったのかもね」なんて言えたりしますから、そもそも過剰防衛などしなくてすむわけです。
つまり、言い過ぎるなんてことがなくなるんですよね。

そこで、そもそもどうして「責められた!」と感じるのだろうか?と掘り下げていって、「責められた!」と感じる原因を知ることで、その原因の書き換えをすることが可能になります。

例えばのお話しですが、昔よく親御さんから「あなたはいつも間違える」なんて怒られていたとしましょう。
そうすると、心の中に「私は怒られる」というフィルターが出来上がります。
そしてそんなフィルターがあることは、普段は意識していません。
ところが、目の前で起こることや、聞こえてくることをそのフィルターを通して見て聞くので、どんなことであっても怒られているような気がするし、責められているように聞こえてしまうのです。

「ほう、なるほど!私は誰かが発する言葉を、自分が責められているように聞いてしまう傾向があるのだな」とわかるだけでもずいぶん違います。
フィルターの存在を意識することができますから、それを頭に入れてものごとを見ることができますからね。

さらに、そのフィルターそのものをもしも取り払うことができたとしたら?

フィルターがなくなったらどうなる?

フィルターなしの状態で、今目の間にいる人の言葉を聞いて、状況を見ることができますから、「右折したほうがよかったかもね」と言われても、「そうかもね」となるので、そもそも言い過ぎが発生しないし、友人との仲も悪くならないわけですから、謝罪する必要も発生しないわけです。

ということで、あなたにどんなフィルターが存在するのか?を知ることで、物事の見え方や聞こえ方がずいぶん違ってくることになるのです。

何らかの感情を感じるのは、人間ですから当たり前。
そして、その感情があなたの人生にあまり良い影響を与えていないのであれば、感じる感情を変えることは可能なのです。
感情を変えることによって、勝手に行動は変わってきます。
行動が変われば、周りの反応も変わってくるわけですね。

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