彼や彼女、大切な人が自分以外の人と話しているだけで、ご機嫌が最悪になり「私以外の人と話さないで!」と怒ってしまう。
自分が楽しく遊んでいる場所に、友人が興味を示して入ってくると、何だか楽しみをとられてしまったように感じて、機嫌が悪くなる。
独占欲が強いと、このようなことになることが少なくありません。
その結果、彼や彼女から「重い」と言われてしまったり、友人との関係が悪くなってしまったりする。
独占欲ってどうして出てくる?
人によっては、独占しなくてもへっちゃら!「みんなでシェアね」なんて人もいるわけです。
独占欲が強く、つい独り占めしたくなる人との違いって何?て思ったりしますよね。
一概には言えませんが、【誰かに盗られる】経験をしたことが原因ということがあります。
誰かに盗られると言っても、本人が盗られたと感じたかどうかなので、同じような状況を経験したとしても、獲られたと感じなかった場合は、独占欲が強くなることは少ないかもしれませんね。
下に弟や妹が生まれたことによって、両親をとられたように感じたという人もいれば、弟や妹におやつを譲るように言われて、「盗られた」と感じたと言う人もいます。
また反対に、お兄ちゃんやお姉ちゃんに、おやつやおもちゃをとられたと感じたという人もいれば、新しい服はお兄ちゃんやお姉ちゃんのもので、自分はいつもお古ばかりという場合は、新しい物はいつもとられてしまうと感じているということもあります。
他にも、友達とおやつを分け合う場面で、恥ずかしくて「これが欲しい!」と、お目当てのお菓子が欲しいことを言えなかった。
モジモジしている間に、お目当てのお菓子を友達が選んでしまった。
「私の欲しいものを〇〇ちゃんが盗った!」と感じているなんていうのもあります。
この場合は、恥ずかしくて言い出せなかったことが原因ではあるので、〇〇ちゃんは八つ当たりされている感がありますが、子どもですから「盗られた!」と解釈してしまうなんてことがあるのです。
もう少し成長してからの話だと、彼や彼女が別の人のことを好きになって、ふられてしまったなんて経験があると、【盗られた】とやっぱり感じちゃったなんてこともありますね。
理由は様々ですが、何らかの【盗られた】経験によって、とられないように独り占めしなくちゃというのが独占欲。
それ以外の原因もある
同じように【盗られた】と感じたとしても、その後独占欲が強くならない人もいます。
ですから、何らかの【盗られた】と感じた経験にもう少し別のこともプラスされています。
盗られてしまったとしても、次にすぐに手に入れることができるのであれば、わざわざ独り占めする必要はありません。
ということは、「私は手に入れることができない」と思っているということになりますね。
「お父さんやお母さんは、私のことがかわいくないのだ」と思っていると、お父さんやお母さんにかわいがってもらえるというポジションがまた得られるとは思えない。
「私なんてお菓子を選ぶ権利ももてないのだ」と思っていると、次に何かを選ぶなんてこともできないと思い込んでしまう。
「私には魅力がないのだ」と思っていると、次に新しい彼や彼女ができるなんて思えないわけです。
つまり、何らかの盗られたと感じた経験プラス自信のなさが独占欲を強化させてしまうようなのです。
自信がないので、自分の力で手に入れることができるとは思えない。
でも、チャンスがやってきて手に入れることができたとしたら、「このチャンスを逃したら二度と手に入らないかも」と思うので、独り占めしちゃいたくなるのです。
盗られた経験以外にも、失くしてしまった経験というのもあります。
大切なひとが突然いなくなってしまうような経験をしたりすると、失うことが怖くなります。
失わないために、独占して自分の手元で管理し続けようとしたりするのです。
自信を取り戻すこと
どうやって独占欲を弱めていくかとうと、盗られたり失くしたりした経験は、相当傷が深いことが多いですから、じっくり時間をかけて癒していく必要があるかもしれません。
ですが、自信を取り戻すということに関しては、自分で今すぐやっていくことができますし、身近な人がサポートしてあげることもできます。
「自分には物事を変えていく力がある」
「自分には魅力がある」
そう感じられるように、小さなステップから様々なことにチャレンジして成功体験を積んでいくことでもいいですし、身近な人がその人の魅力や価値を伝え続けてあげることでもいいのです。
自信を取り戻すことができてくると、独占しなくてもよくなってきますからね。
独占欲が強すぎると、自分も苦しいですし、周りの人も苦しくなってしまいます。
「おっと、また独占したくなっているぞ」と思ったら、軽い感じで「私以外の人とあなたが話していると、不安になっちゃうのよね」くらい言ってみるといいかもしれません。
「何だか不安になる」
「何だかさみしくなる」
「何だか怖くなる」
「すぐ独り占めしたくなっちゃうんだよね」
「盗られちゃうんじゃないかって焦っちゃうんだよね」
サラッと軽めに伝える分には大丈夫です。
そうやって伝えることで、相手も「そうなんだな」と軽く理解できますから。
でも、「だから何が何でも、私の不安を取り除いてよね!」「何が何でも、安心させてよね!」という具合に、その不安や怖れを取り除いて、ニーズを叶えるのが自分以外の誰かの仕事のようにしてしまうと、とっても重くなってしまいますから注意が必要ですよ。