あの時知りたかった心理学シリーズ第26:信じることと防衛の狭間

期待と裏切りの間で揺れる心の風景 オススメ記事
約束が果たされず、信じることが難しくなった経験に隠れた心理学的な要素を表現する風景。

私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの問題に隠れている心理を、わかりやすくお伝えするシリーズです。


だんだん期待しなくなる

「今日は、8時には仕事が終わるから、御飯を食べに行こう!」 「今週中には、仕事が落ち着くから、遊びに行こう!」 「来年には、長い休みが取れるから、ゆっくり旅行に行こう!」

こういった約束、どうなるかは言わずもがな…だいたい実現しませんでした。例えば、8時に仕事が終わると言っておきながら、実際に終わったのは夜中12時。しかも、今週中に落ち着くはずの仕事は、なんと3週間後まで延び、その頃にはまた次の仕事で忙しくなり、落ち着く暇なんて全くなし。来年の長期休暇の話なんて、数年経っても実現しませんでした。

「この嘘つきー!!!」「できない約束をするなっ!」何度、心の中で叫んだか…。でも、その気持ちが爆発してしまうのも無理はありません。だって、私は本当に楽しみにしていたんですから。「今日は、御飯に行ける!」「遊びに行ける!」こんな風にワクワクしていた自分を、裏切られてばかりだったんです。

そんな経験が何度も繰り返されるうちに、私はだんだん信じなくなりました。「どうせ、できないんでしょ?」と。相手が何を言っても、心の中では「はいはい、どうせまた無理だろう」と思ってしまうように…。


全くの嘘ではなく気持ちはある

当時は、「なんて嘘つきなんだ!」「どうして、そんなことを平気で言えるんだ!」と、困ったちゃんを嘘つき呼ばわりしていました。確かに、何度も約束が破られたので、彼の言葉を信じることができませんでした。彼が「御飯に連れて行きたい」「遊びに行きたい」と言っていても、まったくその気持ちを受け入れることができませんでした。

でも、心のどこかで感じたんです。彼は、決して「嘘をつこう」「だますつもりだ」と思っているわけではないんじゃないか…と。

どうやら彼は、自分が言っている期限に本当にできると思っていた様子。でも、なぜ実現しないのか? その疑問が次第に頭の中で大きくなりました。


悪気はないが段取りが悪すぎる

どうして彼は、期限を守れなかったのでしょうか?よく観察してみると、どうやら彼は、具体的に「どうやって期限を守るか?」が考えられていないようでした。計画がアバウトすぎるんです。

例えば、「今週中には仕事が落ち着く」と言いながらも、どうすれば今週中に終わらせるのか、そのための具体的な計画がありません。「来年は長期休暇を取る」と言っても、まずは「今年中にひと段落つける」と言っているものの、どう計画していくかがはっきりしていない…。

さらに、彼は優先順位がつけられず、途中で別の仕事を頼まれたら、それを優先してしまう。結果として、予定通りに進まず、いつも期限が守られないわけです。それでも、彼自身は「これなら間に合う!」と思っていたのですから、本当に悪気はなかったんですね。


オオカミ少年のような事態に

そして、ある日営業に出ていた困ったちゃんから電話がかかってきました。「胸が痛い…めちゃくちゃ痛い…」と。あまりにも彼は大げさに物事を言うタイプだったので、「またか…」と思い、冷たく対応してしまいました。「大丈夫やろ、車の運転ぐらいできるやろ!」と。

でも、1時間後、顔色が青ざめた彼を見て、さすがに焦りました。「やばいっ!病院に行こう!」と、すぐに病院へ連れて行ったところ、診察を受けた結果、「肺気胸です」と告げられました。彼の胸には穴が開いていて、かなりの痛みを伴っていたことが判明しました。

お医者さんからも「すごく痛いです」と言われ、私自身がその痛みの深刻さに気づきました。その時、私が言ったのは、「ごめん…」でした。これで彼の言うことを信じていなかったことを深く反省しました。


まとめ

信じることと防衛することの間で揺れ動く気持ち。過去に信じて裏切られた経験から、私はだんだんと「どうせ無理だろう」と信じなくなり、心を守ろうとしていました。しかし、それは結果として、相手を理解しないことに繋がってしまったのです。

もし、あなたが大切な人の言葉に疑問を感じているなら、少し立ち止まって、相手の立場や状況を考えてみてください。人は時に、良かれと思って言うことがありますが、実現できないこともあります。そのことを理解し、受け入れることで、お互いの信頼がより深まるかもしれません。

この記事は、旧ブログに掲載していた内容を元に加筆修正したものです。内容を整理し新しいブログへ移行しました。

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