「もっと向き合ってほしい!」
「私とちっとも向き合ってくれない!」
というお言葉は、女性の皆さんからパートナーへの不満としてお伺いすることが多いです。
反対に男性の皆さんからは、「嫁から、向き合って!と言われるけれど、向き合うって意味がわからないんですよね・・・」というお言葉が出てくる。
向き合うって戦うことではないのです
向き合うというのは、もちろん物理的に顔と顔を向かい合わせにするということなのかもしれませんが、今日はそれとはちょっと違った心のジャンルでの向き合うというお話し。
女性がよく言っている「もっと向き合ってほしい!」というのは、きちんと話し合いをしてほしいとか、興味を持ってほしいとか、そういったことなのかもしれません。
ところが、話し合いをしようと思いつつも、ついつい尋問会になってしまったり、一方的に詰め寄ってしまったり、男性側が何か言葉を発すると、「いや・・・だからじゃなくって!」と自分の意見をつい発表してしまって、相手の話を聞かないなんてことになってしまっていることが多々あります。
話し合いという名の尋問会や、興味を持ってほしいけれど、私の希望通りに興味を持ってよねという欲求を突き付けてしまう場になってしまったりしてしまうことがあり、そうなると、男性側としては、向き合うということは、怒られることであり、強要されることになってしまうので、ついつい逃げ腰になってしまうわけです。
まずは自分から意志と意欲を表してみる
そこで、「もっと向き合ってほしい!」という希望をお持ちで、「私とちっとも向き合ってくれない!」というご不満をお持ちであるならば、まずは自分自身がきちんと向き合ってみようとすることが大切です。
また、向き合うということは、尋問会に参加することであり、何かを強要されることであると誤解している方も、向き合うということについて、正しく解釈していただければと思います。
カップル間や、人間関係の中で必要となる向き合うという状況は、「あなたと問題を解決していく意思がありますよ」と意欲的な態度になることだと私は考えています。
「子育てについて悩んでいるの」という奥さまに対し、「子育てのことは君に任せている」という旦那さんの態度は、「子育てという問題に、あなたと一緒に解決していく意思がありますよ」という態度とは、真逆となります。
だから、奥さまから「向き合ってくれない!」と不満が出てきます。
「私たち最近ケンカばかりだよね?もっと仲良くするにはどうしたらいいのかな?」という思いがあるにも関わらず、「最近ケンカばかりなのは、あなたのこの態度と、あの言動がいけないからなのよ!」と更にケンカをふっかける態度は、向き合っているとは言えませんね。
そうではなくて、「私たち最近ケンカばかりだから、もっと仲良くしていくために、あなたと一緒にどうすればいいのか考えていきたいの」ときちんと伝えることが向き合うということ。
それに対して、どうすればいいのかわからなかったとしても、相手の言動に原因があると思っていたとしても、あなたと一緒に解決していくために、「まずはあなたの話を聞くね」という態度が向き合うということであり、「どうすればいいのかわからないけれど、一緒に考えていこう」という態度が向き合うということ。
どちらが正しいのかとか、どちらか一方の欲求を押し付けることが、向き合うということではないのです。
「一緒にやっていこう」とする「意志」や「意欲」があるということを相手に示すことが、向き合うということなのです。
ですから、すぐに解決することが重要ということではないですし、自分の意見を横に置いて、相手に合わせるということでもないのです。
それは怒られます
私の知人男性で、奥さまに「向き合ってよ!」と言われて、奥さまの真正面に立って顔を近づけ「ほい!向き合ったよ!」と言って、激しく怒られた人がいますが、そりゃ当然です。
彼はふざけただけではあるのですが、「向き合ってよ!」と言っているときの奥さまは、何か解決した問題があるわけで、一緒にどうするか考えてほしいと助けを求めている状態なわけです。
それを、ふざけてしまったわけですから、怒られます。
当然です。
仕方ないです。
「そりゃ、あなたの態度に問題があるよね」と私からも説教しておきました。
男性に向き合ってもらいのであれば、「どんな問題が発生しているのか?」ということを伝えることと共に、「あなたを責めるつもりはありません」ということをちゃんと表明することも重要です。
男性は、尋問会が何より苦手ですからね。
そして、ダメだしすることなく、まずは一緒に解決していく意志や意欲を表明するために、相手の意見に耳を傾けることをお忘れなく。
そして、つい「向き合って」という言葉から条件反射のように逃げたくなる男性は、「どんな問題で悩んでいるの?」ときちんと聞く耳を持つこと。
そして、今すぐ解決できないことであったとしても、そのことを隠さず「今はどうすればいいのかわからないけれど、一緒に考えていこう」という意志と意欲を、これまた表明することが重要。
男性は解決することや、結果を出すことが重要だと考えてしまいがちですが、向き合うというのは、解決することや結果を出すことが求められているのではなく、一緒に問題にとりくんでいく意志と意欲がありますよという態度を示すことなんですよね。
ああ・・・難しいですよね。
つい、尋問会しちゃうし・・・
つい、逃げたくなっちゃいますし・・・
お気持ちはよくわかりますが、きちんと向き合うということをやると、抱えている問題そのものが即時解決しなくても、関係性は抜群によくなりますよ。