あの時知りたかった心理学シリーズ第10回:浮気と補償行為に隠された心理

浮気と補償行為を象徴する心の傷と修復 オススメ記事
浮気の心理学的背景と心の傷、補償行為についての解説

私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの多くの問題に隠れている心理をわかりやすくご紹介するシリーズです。

喜ばせておいてそれはないだろと思う出来事

珍しくお出かけのお誘いがあった!

揉め事が絶えなかった時期のある朝、困ったちゃんが言うのです。

困)「どこかに買い物でも行くか?」

私)「めっ!珍しい!誘ってくれているぞ!!」(心の声)

困)「どこか行きたいところある?」

私)「なんと!リクエストまで聞いてるぞ!」(心の声)

すごく珍しいな~と思いつつ、誘ってくれたことは嬉しいですから、「最近できた〇〇に行きたい!」と、高級店がたくさん入っている場所を指定。 却下されるかと思いきや、「よし!行こう!」

なんだか怪しいよな~ 昨日は釣りだと言って出かけていたし、帰ってきたのが朝、なのに帰ってきて早々に珍しい事を言い出した。 怪しい・・・限りなく怪しい!!

でもまぁ疑ってばかりいるのも良くないし、せっかく誘ってくれているのだから、釣りにばかり行って申し訳ないと思ってくれているのだろう。 せっかくの彼の行為だ、ありがたく受け取ろう! と言うわけで、二人で出かけることになったのでした。

初めて行く場所のはずなのに・・・

その場所は、当時新しくできたばかりの場所で、もちろん私も行くのが初めて、彼も初めてのはずなのに・・・ 何だか様子がおかしい・・・

「初めての場所は、どんな店が入ってるのかわからんから、一通り周ってみる?」 「初めての場所は、勝手がわからないから、見るの大変やよな?」

いちいち「初めての場所」を連呼するのが、怪しい。

わからないフリはしているのですが、トイレの場所を知っていたりする。 臭う!怪しい臭いがするぞっ!

今ならわかるのですが、人が何かを隠そうとするとき、真逆な状態であることでそのことを隠そうとすることが多いのです。

例えば、お腹がポッコリ出ちゃったことを隠そうとすると、お腹を引っ込めますよね? 自分が間違っているということを隠そうとすると、「私は間違っていない!」を強く主張しようとします。 仕事をさぼっていることを隠そうとすると、すごく忙しくしているフリをしたりします。

困ったちゃんの「初めての場所」主張は、「初めてではない」ということを表しているのですが、当時の私はそんな心理を知る由もなく・・・

でも、せっかく久々に二人で出かけたのだし、「疑ってはいけない」と自分に言いきかせ、買い物を楽しむことにしたのです。

買わずにいられない男じゃなかったっけ?

買わずにいられない男が、その日は、買ってあげるのをやめられない男に専念しています。

「靴を買え!」「かばんを買え!」次から次へ買ってくれます。 嬉しいのですが、どんどん疑いが濃くなる。

そして、ついに彼は言いました。 「これ、買え!買ってやる!ずっと買ってやりたかったーーー!!」

ブランド物の時計です!高いですっ! でも、正直欲しいです。

物欲のボルテージが、困ったちゃんへの疑いをすっかり超えてしまった私は、買ってもらいました♪ すごく嬉しかったのですよ。 久々に二人でお出かけできたし、いっぱい買ってもらえたし。

でもま~困ったちゃんが、これで終わるわけがありませんよね。

浮気に補償行為は付きもののようです

なにーーーっ!!高級ホテルに宿泊!!

その日ばかりは、買ってあげるのをやめられない男になっている困ったちゃん。 二人で出かけたことも嬉しいですし、「ずっと買ってやりたかった」と言って、買ってくれたブランド物の時計もすごく嬉しい!

ですが・・・ 後日、彼が部屋に撒き散らした書類から、とある物が発見され、私の目にふれることになります。

私が買い物に連れていってもらった前日、つまり困ったちゃんが、釣りに出かけていたはずの日付のホテル予約の書類です。 私たちが買い物に出かけた場所には、とあるホテルが併設されているのですが、高級ホテルで、私は一度も泊まったことがない。 にも関わらず、その書類には高級ホテルしかも、スイートルームの予約状況が、書かれているのですよ!!

ふむふむ。 つまり何だね君は、私と出かける前日に浮気相手と高級ホテルスイートルームに泊まり、私がはじめて連れて行ってもらったと喜んでいた場所で、買い物もしていたのだね!

前日に浮気相手と居た場所に、私を連れて行くとは、いい根性してるじゃないかっ! 殺意さえ覚えるこの瞬間・・・

私はズタボロですよ。喜んだ私がバカみたいに感じたのです。

「よくもまぁ~ずうずうしくも、私を浮気相手と一緒に過ごした場所へ、連れてきたもんだ!」

補償行為というのです

困ったちゃんがとった行動ですが、心理学では「補償行為」と言いまして、簡単に説明しますと、「悪いと思っているから、これで許してね~」と言う行為です。

飲み会で帰宅が遅くなったお父さんが、心のどこかで罪悪感を持っているので、家族に手土産のケーキを買って帰ってくるというようなのが、補償行為です。

旦那さんに内緒で、お昼に豪華ランチを友人と食べた奥様が、旦那さん用の夕食にいつもよりも豪華食材を投入するというのも、補償行為です。

買ってもらった品々を、全部捨ててやりたい衝動にかられたのですが、物には罪はないと(物欲に負けただけですが・・・)今でも使わせていただいております。

補償行為をどう扱う?

こういう時、私には選択があります。

「バカにしているのかっ!」と言って、困ったちゃんが買ってくれた物を目の前で捨ててしまい、彼の補償行為を受け取らない。

つまり、彼の気持ちよりも自分の怒りを優先させるのです。

「怒りは別の感情の蓋」と言われています。

怒りの下には、「愛してほしい」「わかってほしい」「助けてほしい」という感情が隠れていて、それらを表現できずに抑え込んでいる状態なのです。

私の怒りの下には、「私をもっと大切にして欲しい」「愛して欲しい」「私の気持ちを理解して欲しい」が隠れています。

もう一つの選択は、彼がやった行為は補償行為ではありますが、「ごめんなさい」が含まれているのです。 だって、補償行為は罪悪感を補償するために行う行為ですからね。

その「ごめんなさい」を受け取りつつ、怒りの下の感情を彼に伝えるのです。

相手との関係性を修復したいのであれば、二つ目の選択がおすすめですが、まっ当然と言えば当然なのですが、当時の私は、物を捨てこそしなかったものの、自分の怒りを優先させました。


まとめ

浮気や問題行動において、「補償行為」は罪悪感を軽減しようとする心理の表れです。困ったちゃんのように、過ちを犯した後に物を買うことで罪悪感を解消しようとすることがあります。しかし、この行為の裏には、実際の感情の誠実さや関係の修復に向けた努力が欠けていることが多いです。

大切なのは、相手の行動にどう対処するか。そして、自分の感情をしっかりと伝えることで、自分を大切にすることです。補償行為を受け入れることで、感情の解放と理解を深めることも可能ですが、まずは自分の気持ちに誠実でいることが最も大切です。

この記事は、旧ブログに掲載していた内容を元に加筆修正したものです。内容を整理し新しいブログへ移行しました。

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