コントロールとは?
「コントロール」とは、自分の思い通りに誰かや何かを操ろうとする心理のことです。コントロールしたくなる対象は、大きく分けて二つあります。
- 自分の感情をコントロールする
- 誰か別の人をコントロールする
例えば、「悲しい気持ちを抑えたい」「この人を思い通りに動かしたい」と思ったことはありませんか? しかし、自分の感情を押さえ込もうとすると、いずれは爆発してしまうもの。無理に消し去ろうとするよりも、受け止める方が長い目で見て良い結果につながります。
では、誰かをコントロールしようとする場合はどうでしょうか?
人をコントロールする方法とその影響
人をコントロールする手段には、さまざまなものがあります。
権力や力を使ったコントロール
- 上司が「私の言う通りにしろ!」と部下を威圧する。
- 親が子どもに「言うことを聞かないなら殴るぞ!」と脅す。
これは、強制的な力で相手を従わせる方法ですが、恐怖や反発を生むだけで、相手の心からの協力は得られません。
罪悪感を利用したコントロール
- 浮気した彼に「あなたのせいで私は傷ついたのだから、私の気持ちを落ち着かせなさい!」と言う。
確かに彼が悪いのですが、罪悪感を利用して相手の行動を変えようとするのはコントロールの一種です。相手が自主的に反省しない限り、関係はうまくいきません。
脅しや威圧によるコントロール
- 「これをやらなければ、ひどい目に遭うぞ!」と脅す。
- 無言で不機嫌になり、相手が動くのを待つ。
言葉だけでなく、態度で相手を支配することもあります。不機嫌な態度で相手に気を使わせるのも、立派なコントロールの一形態です。
コントロールの結末
では、コントロールが成功したらどうなるのでしょう?
コントロールした側は、「思い通りになった」と一時的に満足するかもしれません。しかし、どこかで「相手が本心から行動したわけではない」と気づくため、心の中でモヤモヤが残ります。さらに、次第に「やってもらって当然」と感じるようになり、喜びを感じなくなります。
コントロールされた側は、
- 「仕方なく従った」という気持ち
- 「嫌な思いをさせられた」という屈辱感
- 「いつか仕返ししてやる!」という復讐心 を抱くことが多く、関係がぎくしゃくしてしまいます。
結果として、コントロールしようとした側も、された側も、幸せにはなれません。
コントロールではなく「お願い」する
コントロールとよく似たものに「お願い」があります。
コントロール: 相手に選択の余地を与えない(「こうしろ!」) お願い: 相手に選択肢を与える(「○○してくれたら助かるな」)
お願いなら、相手が「やってもいいな」と思えば、気持ちよく協力してくれます。強制されるのは誰でも嫌ですが、「助けて」と言われると、人は案外応じたくなるものです。
コントロールしたくなる心理の裏にあるもの
なぜ人はコントロールしたくなるのでしょう? その背景には、「自分なんかがお願いしても、誰も聞いてくれない」という不安が隠れています。
逆に、コントロールされてしまう人は、「私なんて自分で決める力がない」と思っていることが多いです。
どちらの場合も、「自信のなさ」が根底にあります。
コントロールを手放すためにできること
- 「お願い」を意識する:「こうしなさい」ではなく、「こうしてくれたら嬉しいな」と伝える。
- 相手の意思を尊重する:相手が選択できるようにする。
- 自分の価値を認める:「私がお願いしてもいい」と思う。
- 相手の価値を認める:「この人は自分の意思で動ける」と信じる。
これができるようになると、人間関係はぐっとスムーズになります。
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