朝起きた瞬間から、もうだるい。
顔を洗うのも遠いし、靴下を履くことにすら壮大な気合いが必要。
そんな日、ありますよね。
「でも頑張らなきゃ」
「やらなきゃいけないこと、山ほどあるし」
そう思えば思うほど、ますます体が重くなる。
それはあなたが怠けているわけでも、やる気がないわけでもありません。
実はそれ、心が出している“休息のサイン”かもしれないのです。
- ◆ 「なんか全部だるい」日は、心のバッテリーが限界に近いサイン
- ◆ 「自律神経の話らしいんだけど…」ざっくりだけ聞いてください
- ◆ 気合と根性でねじ伏せようとすると、こうなる
- ◆ 「でも、やらなきゃいけないことがあるんです」というあなたへ
- ◆ “一日休む勇気”がない人は、“一ヶ月の休職”をすることになるかもしれない
- ◆ 心にも「ヒューズ」があるんです
- ◆ 「全部はできない。でも、全部壊れる前に少しだけ調整する」方法を探そう
- ◆ 小休止は、“長期停止”を防ぐ予防策
- ◆ 「ちゃんとしなきゃ」って誰の声?
- ◆ 「何もしない私」に意味を見つけてみよう
- ◆ どん底のときこそ、「やさしいリセットアクション」を
- ◆ 「動けない私」を責めるのではなく、守ってあげる日。
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◆ 「なんか全部だるい」日は、心のバッテリーが限界に近いサイン
特に何があったわけでもないのに、やる気がゼロ。
なぜか全部が面倒くさく感じる。
それは、目に見えないところでエネルギーが消耗している証拠です。
たとえば:
- 連日の対人関係に気をつかいすぎた
- 小さなプレッシャーが積もっていた
- 気づかないうちに「ちゃんとしなきゃ」が増えていた
表には出ていなくても、心のなかではずっと「フル稼働」していたんですね。
そして気がついたら、バッテリー残量が赤点滅。
それを守るために、心は「いったんスタンバイにしよう」と自動的に切り替えてくるわけです。
とくに何かあったわけじゃないのに、朝から全部がめんどくさい。
- LINEの返信 → 明日でもよくない?選手権
- スケジュール帳 → 開けたけど閉じた
- 冷蔵庫 → 開けたけど、何がしたかったか忘れた
これは、心が省エネモードに入ってる状態です。
つまり、心のバッテリーが減っているときに起こる“自動スリープ”みたいなもの。
無理に動こうとすると、もっと疲れる。
だからこそ、いったん止まって「今はスタンバイなんだな」と気づいてあげることが大切なんです。
◆ 「自律神経の話らしいんだけど…」ざっくりだけ聞いてください
どうやら人間の体内には、自律神経という仕組みがあって、
- 頑張っているときは「活動モード」
- 休んでいるときは「回復モード」
このスイッチが、自然と切り替わっているそうです。
専門的な話はさておき、要するに——
「もう、がんばりすぎだよ」
っていうブレーキが、自分でも気づかないうちに作動するらしいんです。
なので、「今日、何もやる気がしない」のは、ある意味とても賢い生体反応とも言えます。
◆ 気合と根性でねじ伏せようとすると、こうなる
この「めんどくさい状態」のときに、
「気合いだ!」「やればできる!」と自分を奮い立たせて頑張ろうとすると……
だいたいこうなります。
- その瞬間は動けるけど、後でどっと疲れる
- イライラして、周囲に八つ当たりしたくなる
- 自分を責めて、落ち込みスパイラルへ突入
- それでも頑張って、数日後に寝込む
つまり、火に油を注いでいるような状態。
たとえるなら、燃料切れの車を押しながら走ってる感じです。
なんとか進めるけど、ガソリンもないし、運転手もヘトヘト。
そんな状態で「遠出しよう!」なんて言われたら、倒れるに決まってます。
◆ 「でも、やらなきゃいけないことがあるんです」というあなたへ
わかります。
休みたい気持ちは山々でも、
- 仕事の締切がある
- 子どものお弁当がある
- 親の介護がある
- 自営業で、自分が動かないと何も進まない
「サボれない現実」がある人にとって、
“省エネモード”はただの夢物語に聞こえるかもしれません。
でも、ひとつだけ大事なことがあります。
「動き続けることで、かえって長く休まなきゃいけなくなる」ことがある。
◆ “一日休む勇気”がない人は、“一ヶ月の休職”をすることになるかもしれない
「ちょっと無理して頑張っただけ」
そのつもりが——
- 朝、起き上がれなくなる
- 人と話すのが怖くなる
- 何をしても涙が出る
- 数ヶ月、何も手につかなくなる
そんな状態になる人を、私はたくさん見てきました。
だから、一日休む勇気がない人は、一ヶ月の療養が必要になることもある——
そんな可能性も、知っておいてほしいんです。
実際、私のまわりにも、こんな人がいました。
- 「大丈夫」と言いながら、毎日無理して出社していた人が
→ ある朝、起き上がれなくなって、半年間休職。 - 「休むのは弱い人」と言っていた人が
→ 突然泣き崩れて、3ヶ月間カウンセリングに通いなんとか回復。 - 「自分がやらないとまわらない」と言っていた人が
→ 身体を壊して、家から出られなくなった。
どれも、本人のせいではありません。
ただ、「ちょっとしんどいな」と感じた時に、止まれなかっただけなんです。
◆ 心にも「ヒューズ」があるんです
機械が過熱すると、自動で電源が落ちるように、
人間の心にも、“ヒューズ”のような仕組みがあるのかもしれません。
無理が続くと、ある日スイッチが落ちます。
それは、「根性が足りない」からじゃなくて、
むしろ“自分を守る最後のブレーキ”です。
だから、少し休むことは、サボりでも、負けでもなくて、
「未来の自分のために、今できる最大の仕事」なんです。
◆ 「全部はできない。でも、全部壊れる前に少しだけ調整する」方法を探そう
どうしてもやらなきゃいけないことがあるなら、
「全部やる」か「全部休む」かの二択じゃなくて、
その間にある“ちょっと調整”の選択肢を探してみてください。
たとえば:
- ひとつ予定をキャンセルする
- 誰かにひとつだけ頼る
- 完璧じゃなくて「7割くらい」で提出する
- 5分だけ横になる時間を予定に入れる
- 1日だけ夕飯をコンビニにする
それだけでも、心のヒューズは「ふぅ……」と少し落ち着いてくれます。
◆ 小休止は、“長期停止”を防ぐ予防策
「今、立ち止まるわけにいかない」と思っている人ほど、
“今こそ、少しだけでも立ち止まってほしい”のです。
あなたが抱えているその責任は、
あなたが倒れたら、全部止まってしまいます。
だからこそ、“動き続ける”ことだけじゃなく、
“回復する時間”も、仕事や役割の一部として考えてみてください。
そして夜になったら、こう言ってください。
「今日、全部できなかった。でも、倒れなかった。よくやった、私。」
◆ 「ちゃんとしなきゃ」って誰の声?
こういう日に限って、頭の中のナレーターが騒ぎます。
「こんなにダラダラしてていいの?」
「もっとちゃんと動かないと、周りに迷惑かも…」
「私、どうしてこうなんだろう」
でも、その“ちゃんとしなきゃ”って、よくよく聞いてみると……
- 昔の先生の声だったり
- 子どもの頃の親の口癖だったり
- 頭の中の“理想の自分”の声だったりします
それって、本当に“今の自分”に必要な言葉でしょうか?
むしろ今のあなたには、
「今日は、何もしなくていい」
「がんばらないことが、がんばり」
という言葉が必要なのかもしれません。
◆ 「何もしない私」に意味を見つけてみよう
動かない私。
やる気が出ない私。
ずっとソファと一体化してる私。
そんな自分を責めるのではなくて、
ちょっとユーモアで見てみましょう。
- 動かない → 重力に逆らわない、地球愛
- 何もしない → 雑念ゼロの禅モード
- スマホすら見ない → デジタルデトックス達成
なんかすごくないですか?
これもう、“省エネのプロ”って言ってもいいかもしれない。
◆ どん底のときこそ、「やさしいリセットアクション」を
完全に“省エネモード”な日は、無理に頑張るよりも、回復力をじっくり育てることが大切です。
おすすめなのは、1ミリだけ気持ちが軽くなるようなこと。
たとえば:
- お気に入りの飲み物をゆっくり味わう
- 日向に出て、5分だけ空を見る
- 柔らかい毛布にくるまる
- 好きな音楽を、ボーッと聞く
- 「今日は、生きてるだけで100点」と口に出す
どれも「頑張らないでできること」。
でも、こういう時間が、心にとっては最高のメンテナンスになります。
◆ 「動けない私」を責めるのではなく、守ってあげる日。
「今日はもう、なーんにもしたくない」
そんな日が訪れたら、
あなたの心は“ちゃんと働いてる”ということ。
限界を超える前に、あなた自身を守ろうとしてくれているんです。
「私は今、回復中です」
と、あえて堂々と名乗ってください。
そして夜になったら、こうつぶやいてみましょう。
「今日も、生き延びた。えらいぞ私。」
それが、明日ちょっとだけ前を向ける力になります。
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