「今日も全然ダメだった…」
そう思ってるのに、まわりは「十分がんばってるよ」と言ってくる。
——もしかして、自分にだけ採点が厳しすぎるのかも?
◆ 「もっとちゃんとやらなきゃ」の呪文、唱えてませんか?
朝から予定を詰めて、仕事も家事もひと通りこなした。
なのに夜になると、なぜか「今日、全然ダメだったな…」とため息。
いや、ちょっと待って。
それ、本当に“ダメ”なんでしょうか?
・6つ中5つのタスクを終えたのに、「1つできなかった…」と落ち込む
・誰かに「助かったよ、ありがとう」と言われても、「いや、もっと丁寧にやれたかも」と反省
・周りが「十分がんばってるじゃん!」と言ってくれても、「いや、まだまだでしょ」と一蹴
……もしかして脳内に“超ブラック企業の上司”住まわせてません?
しかもその上司、査定は減点方式・褒めゼロ・反省強要・24時間体制。
それじゃあ、疲れないほうが無理ってもんです。
◆ 100点じゃないと、ずっと“失敗扱い”される脳内ルール
完璧主義の人って、たいてい「理想が高いだけ」って思われがちですが、
実はもっと厄介な心理が隠れています。
それは、「できなかったこと」しか見えなくなるバグ。
たとえば——
- 「7割できた」は「3割できなかった」と即・変換
- 「ほめられた」は「お世辞だな」で無効化
- 「疲れたから少し休んだ」は「サボった」に再定義
まるで、脳内に“自作の減点オリンピック”が開催されている状態。
競技種目は「反省会」「自己評価」「後悔の反芻」などなど。
もちろん審査員は全員“自分”で、めちゃくちゃ厳しい。
しかもこの大会、毎日開催・休みなし・表彰なしです。
◆ なぜ、がんばってるのに満足できないのか?
がんばってるのに満足できない。
やってるのに「まだまだ」と思ってしまう。
この背景には、「条件つきでしか自分を肯定できない」という深層心理が関係しています。
たとえばこんな感覚、ありませんか?
- 「失敗しないときだけ、自分を認めていい」
- 「人に迷惑をかけていないときだけ、安心していい」
- 「ちゃんとしてるときだけ、ここにいていい」
これは、いわゆる条件付きの自己肯定感です。
誰かにそう教えられたわけじゃなくても、
子どもの頃に「ちゃんとしてれば安心される」「怒られない」「褒められる」経験が積み重なると、
“完璧な自分”じゃないと、安心できない状態ができあがるんです。
だから、今日もがんばってるのに、
安心感が届かない。
休むと罪悪感。
人の優しさを受け取ると「そんなはずない」と警戒。
……どんだけ不器用な愛し方してるんでしょう、私たち。
◆ 自分に向けてる評価が“地獄すぎる”ことに気づいて
ちょっと想像してみてください。
友達がこう言ってきたら、あなたはどう返しますか?
「今日はちょっとしかできなかった…」
(→8割やってる)
「私、またサボっちゃった…」
(→昼休みに30分ゴロゴロしただけ)
「もっと頑張らなきゃ…」
(→すでに3日連続でフル稼働)
きっとこう返すはずです:
「え、十分やってるじゃん」
「そろそろ休んだら?」
「むしろ休んでくれ」
……じゃあ、なぜ自分にだけ、その言葉をかけないんでしょう?
他人には“合格ライン”があるのに、自分には“永遠の未完成”を課してる。
そんな矛盾、どこかで断ち切っていいんです。
◆ “自分に甘く”じゃなくて、“人間らしく”生きよう
ここで提案です。
もうそろそろ、「完璧な人間になろうとする」のを卒業しませんか?
代わりに目指すのは、
「ちょっと雑なとこあるけど、まあまあ感度高めな人」
これぐらいでいいんです。いや、むしろそのほうがいい。
「100点じゃないとダメ」と思ってると、
- 自分に厳しい
- 他人にも厳しくなる
- 常に心が張り詰める
- 楽しめない、笑えない、泣けない
って、感情が全部“機能”になっちゃうんですよね。
でも、60点でも「上出来!」って思えたら、
・疲れてたら休める
・ちょっと甘えてみる
・やる気ない日は「まあいっか」で流せる
こういう“心の可動域”が増えるんです。
◆ まとめ:完璧じゃないからこそ、続けられる
ちょっと考えてみましょう。
あなたの“全然ダメ”って、
どこを基準に言ってますか?
完璧じゃないと、許せない?
ミスしたら、価値がない?
疲れたら、ダメ人間?
……ちょっと、それ、採点基準おかしくなっているのかも?
あなたが今日も生きて、やることやって、なんとか乗り切った。
それだけで、本当は金メダル級です。
「完璧じゃない=不完全」じゃない。
「完璧じゃない=ちゃんと人間」なんです。
どうか、自分のなかの鬼教官にこう伝えてあげてください:
「黙れ。今日はこれで十分だ」
🔍 関連note
▶︎ “全然ダメ”って言うクセ、重症でした(思い込みかも劇場 #06)
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