「あいつ」の存在、あなたには何人いますか?
「あいつめっ!」
「あいつのせいでっ!」
「またあいつかよっ!」
「あいつなんてっ!」
こんなふうに「あいつ」のせいにした経験、あなたにもあるのではないでしょうか?
実は、私たちは無意識のうちに「あいつ」を心の中に作り出し、それを理由に自分を被害者として扱うことがあります。
たとえば、うちの孫の場合。お母さんに怒られるのも、宿題が難しいのも「バーバのせい」。これって私たち大人にも心当たりがありますよね?
被害者心理の裏に潜む仕組みとは?
私たちが「あいつ」を悪者にしているとき、自分は「被害者」という立場に立っています。被害者になるには、必ず「加害者」が必要です。その加害者を「あいつ」に仕立て上げるため、私たちはさまざまな理由を探し出します。
- 「あいつが理解しないから」
- 「あいつがやさしくないから」
- 「あいつがいじわるだから」
- 「あいつが教えてくれなかったから」
こうして理由を積み上げても、私たちが幸せになったり、楽しくなったりすることはありません。なぜなら、理由を見つけた瞬間も、私たちは「被害者」のままだからです。
「幸せな被害者」なんて存在しない
「被害者」という言葉には、不幸や苦しみがつきまといます。私たちは誰もが幸せになりたいと思っていますが、「被害者のポジション」にいる限り、それは遠い夢のままです。
だからこそ、被害者から脱却する必要があります。
しかし、被害者をやめるためには、「加害者」である「あいつ」を許さなくてはなりません。
許しがもたらす変化
「あいつ」を許すことで、次のような変化が起きます。
- 加害者の存在が消える
- 被害者である自分も消える
- 心が軽くなり、幸せや楽しさを感じられるようになる
理屈では理解できても、それを実行するのは簡単ではありません。では、なぜ許すことが難しいのでしょうか?
許せない本当の理由とは?
私たちが「あいつ」を許せないのは、「あいつ」が悪いからだけではありません。実は、自分の中にも「あいつ」と同じ行動や感情があることを認めたくないからです。
たとえば、「あいつは理解してくれない」と思うとき、自分は他人に対してどれだけ理解を示しているでしょうか?
同じように、「あいつが意地悪だ」と感じるとき、自分は意地悪をしていないと言い切れるでしょうか?
自分の中のブラックな部分を認める
私たちには完璧でない部分、いわゆる「ブラックな部分」があります。
- 人を責めたことがある
- イラついて攻撃的になったことがある
- 誰かに冷たい態度を取ったことがある
自分のブラックな部分に気づき、それを受け入れることで、「あいつ」を許すことができるようになります。
自分を変えることが幸せへの近道
「あいつを責めている理由は、あなたが他者から責められる理由と同じ」と言われると、ドキッとするかもしれません。
しかし、これは人間誰しもが完璧ではないことを示すものです。だからこそ、「あいつ」を許すことは自分自身を救うことにもつながります。
幸せになるためのステップ
- 自分のブラックな部分を認める
- 他者を責めることをやめる
- 他人の行動をコントロールしようとしない
- 自分の行動や感情を大切にする
これらを実践することで、心が軽くなり、幸せを感じられる瞬間が増えるでしょう。
まとめ:心の暗闇に光を当てよう
「あいつ」を責めることで得られるものは一時的な安心感にすぎません。自分のブラックな部分を認めることで、心の中に光を取り入れ、幸せや楽しさを実感することができます。