私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードを通じて、浮気などの問題に隠れた心理をわかりやすくご紹介するシリーズです。今回は「買わずにいられない男」についてお話しします。
お金がなくても買ってしまう
彼は、何でも買いたいのです。特に高級品が大好物でした。高級品やブランド物を買うこと自体が悪いことではありません。もちろん欲しい物を手に入れることも悪いことではないのですが、「買わずにいられない」となると、本人も困ります。お金がないのに買わずにいられないのです。
私が長年一緒にいた「買わずにいられない男」について、最初は理解不能でした。もちろん、男性全てがこうだとは思っていません。私が長年一緒にいたのが、まさに「買わずにいられない男」だったので、このタイトルにさせていただきました。男性のみなさま、お許しください。
彼は、高級品やブランド物を買うことに強いこだわりを持っていました。靴、カバン、財布、ベルト、スーツ、シャツ、ネクタイ、果ては下着まで。お金に余裕があれば、私も腹は立たなかったかもしれませんが、現実はそうではありませんでした。最終的には、車までコッソリ購入してしまいました。なぜコッソリかというと、私に相談したら即却下だったからです。もちろん全額ローンでの購入でした。
さらに驚くことに、彼はマンションまでコッソリ購入していたのです!これにはさすがに私は驚きました。マンションが発覚したとき、彼が言った言葉は、「俺は、マンション欲しかったんや!!」でした。気づいてほしいのは、彼が買わずにいられない物が、どんどん高価になっていっていたことです。
クレジットカードを取り上げても買う
私は、どうしても彼の無駄遣いを止めたくて、彼からお金やカードを取り上げたこともありました。彼が持っていたクレジットカードを、彼の了承を得た上でハサミで切ったこともありました。しかし、無駄でした。彼は新しいカードを作ったり、他の人からお金を借りたりして、買い物を続けていたのです。
なぜ彼は買わずにいられなかったのか?
結論から言うと、彼は「自分は価値のない人間だ」と感じていたからです。人は、価値のない自分を感じると、他の方法でその価値を補おうとします。彼の場合、それが高級品やブランド物を身につけることでした。
ブランド物を身につけることで、彼は他人から大切に扱われ、そして自分の価値を確認しようとしていたのです。彼自身はそのことに気づいていませんでしたが、彼が身に着ける高級品は、彼にとって自分の価値を証明する手段でした。
彼が夜の街に出かけると、まるで大切なお客様のように扱われ、そのことが彼の安心感を与えていました。しかし、彼の本当の価値は、その高級品では決して計れないものでした。彼の周りには、彼の豪快な性格と素晴らしい笑顔に引き寄せられた人たちがたくさんいました。しかし、彼はそのことに気づいていなかったのです。
もし彼が、自分自身の本当の価値に気づいていれば、お金がない時には物を買わずにすんだかもしれません。しかし、彼はお金のない自分に価値がないと感じていたので、無理をしてでも買うのを止められなかったのです。
不安が強くなる分、どんどん高価な物が必要になる
彼が高級品やブランド物をどんどん買う理由は、不安が強くなることで、さらに大きな価値が必要になるからです。最初はブランド物の財布、次は高級車、そして最終的にはマンションへと、買うものがどんどん高価になっていきました。
これは、彼が「本当の自分の価値」を感じられなかったからです。彼は、買った物を通じてしか自分の価値を確認できませんでした。そのため、不安が増すほど、買う物はどんどん高額になり、結果として生活に支障をきたすことになったのです。
「買わずにいられない男」の本当の価値
もしも、あなたの周りに「買わずにいられない男」がいたなら、その人の本当の価値を伝えてあげてください。例えば、「笑顔が素敵」「包容力がある」「頼りがいがある」など。彼のような人は、なかなか自分の価値を認めることができません。それを伝えることは、根気が必要です。
最初は素直に受け入れないかもしれません。「そんなことない」「何か裏があるのでは?」など、否定的に受け取ることが多いです。しかし、根気強く伝え続けることが大切です。
そして、何度も伝え続けた結果、心に少しずつ浸透していきます。しかし、その過程で相手が暴れることもあります。価値を伝える側の人は、その暴れ方に驚くかもしれません。これは、今までの世界観が崩れ、新しい世界へと変わっていくことに対する強い抵抗の表れです。
最後に、彼が言った「俺は、マンション欲しかったんやっ!!」という言葉を、私なりに解釈すると「俺は、もっと価値ある人間として扱って欲しかったんやっ!!」という意味だったのです。
まとめ
「買わずにいられない男」についてのお話を通して、物を買うことが自己価値を証明する手段として使われる背景を見てきました。物質的なものやブランド品を手に入れることで、自分を価値ある存在だと感じようとする心理は、自己肯定感の低さや不安感から生まれることが多いです。そのため、どんなに高価なものを手に入れても、満たされることはありません。逆に、その「足りない自分」に対してさらなる不安が膨れ上がり、より大きな物を求めるという悪循環に陥ってしまうのです。
もし、周りにこのような「買わずにいられない男」がいたら、その人が本当に価値を感じるべきは物ではなく、自分の内面であることを伝え続けることが大切です。根気強く、その人の素晴らしい部分を認め、言葉にしてあげることで、少しずつでも自分自身に自信を持つ手助けができるかもしれません。
最終的に、自己価値を感じることができれば、高級品に頼ることなく、内面から輝けるようになるのです。物質的なものではなく、ありのままの自分を大切にすることこそが、最も価値のあることだと気づいてもらえるように、共に歩んでいけたらと思います。
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