「セクシャリティ」って聞くと、なんだか“性的なこと”や“色気の話”と思って、ちょっと引いてしまう。
でも実はそれ、ものすごくもったいないんです。
セクシャリティって、誰にでもある“命の感度”のようなもの。
朝、好きな服を選ぶときのときめき。美味しいって思ったときの素直な笑顔。
「あ、これ私っぽいな」
そんな感覚にちゃんと出会えること。
セクシャリティって、実はそういう“自分と仲良くなる力”の話なんです。
セクシャリティ=性的なことだけじゃない
セクシャリティというと、どうしても「エッチなこと」や「恋愛対象の話」だと思われがちです。
でも実は、セクシャリティってもっと広くて、もっと“生活寄り”なもの。
たとえば…
- 朝、どんな服を着ると心地いいか
- 誰と一緒にいると、のびのび自分らしくいられるか
- 言葉づかい、ふるまい、体の感覚への敏感さ
- 「これ、好き!」って素直に反応できる感性
こうしたもの全部に、セクシャリティは顔を出しています。
つまり、「私が私として生きてる感じ」そのもの。
だからセクシャリティは、生きるエネルギー=生命力とも言えるんです。
セクシャリティを抑えこむと、ちょっと元気がなくなる説
「女なんだからこう振る舞わなきゃ」とか、「そんなこと思っちゃダメ」とか、
いろんな“らしさ”に自分をはめ込もうとしていた時期ってありませんか?
そういうときって、こうなりがちです:
- 鏡を見るたびに「…疲れてんな私」
- 誰かに褒められても「いや、そんな…」と謎の否定
- 楽しいはずの買い物も「無難なやつ」で終了
……ね、これ、セクシャリティがしぼんでた状態なんです。
セクシャリティって、「好き」「嬉しい」「なんかワクワクする!」という感覚とつながること。
それを抑え込むと、だんだん“自分らしさ”にフタをしてしまって、人生がモノクロになっていきます。
セクシャリティは、あなたの“魅力”でもある
ちょっと真面目な話をすると、セクシャリティは「魅力」とも深く関係しています。
「誰かを惹きつける力」って、別に美人じゃなくても、モテテクがなくても、持っている人は持ってますよね。
それって、「自分のセクシャリティと仲良くなれているか」なんです。
- 自分の“好き”に素直になれてる
- “心地いい”をちゃんと味わってる
- そして、誰かに見せることをちょっと許せてる
そういう人って、内側からほんのり光ってるんです。まるで、ろうそくの炎みたいに。
セクシャリティは、女性だけの話じゃない
「セクシャリティ」という言葉は、どこか“女性の話”のように聞こえることがあります。
雑誌やSNSでも、「女性性を開く」「フェミニンな魅力」といった表現で紹介されることが多いため、
「男性には関係ないのでは?」「性別に違和感がある自分はどうなるの?」と感じた人もいるかもしれません。
でも実は、セクシャリティは性別に関係なく、すべての人にあるものなんです。
セクシャリティは、「性別」よりも「生き方」の話
セクシャリティって、「男か女か」「恋愛対象は誰か」といった“ラベル”を語るものではなくて、
「私はどんなふうに在りたいのか?」
「どんなときに、自分らしくいられるのか?」
という、生き方の感度に近いもの。
だからこそ、
- 男性にも
- 女性にも
- トランスジェンダーにも
- ノンバイナリーにも
- 性的なことに興味がない人にも
それぞれのセクシャリティがあります。
「誰を好きか」や「どんな体か」ではなく、「どう感じるか」「何が心地いいか」という命のチャンネルがそこにあるのです。
“あいまいさ”の中にこそ、セクシャリティが育つことも
多くの人は、明確なラベルを持って生きているわけではありません。
「自分はこれだ!」と言い切れないモヤモヤの中で、少しずつ感覚を掴んでいきます。
その“あいまいさ”や“揺れ”こそ、セクシャリティが育つプロセスのひとつ。
「私はこうありたい」
「いや、やっぱりちょっと違うかも…」
——この繰り返しが、自分だけのセクシャリティを少しずつ形づくっていきます。
👉 関連記事:“女性として見られる”ことへの戸惑い、ありませんか?
だからこそ、「セクシャリティに抵抗がある」もOK
ここまで読んで、「でもやっぱり、こういう話って苦手…」と感じた人もいるかもしれません。
それも、とっても自然なことです。
私たちは、性に関する話題に対して、恥ずかしさや不安、戸惑いを持つように育てられてきたからです。
でもだからこそ、「自分が何に戸惑うのか」に意識を向けてみると、
実はそこにも、自分の大切なセクシャリティが眠っていることがあります。
「受け取るって、けっこうむずかしい」——セクシャリティと安心感の話
セクシャリティを育てたい、もっと自分らしくいたい——
そう思っても、なかなかうまくいかないときがあります。
その理由のひとつは、「受け取ることのむずかしさ」にあります。
安心感がないと、人は“感じる”どころじゃなくなる
たとえば、こんな状態に心当たりはありませんか?
- 「ちゃんとしなきゃ」とずっと気を張ってる
- 「これを言ったら嫌われるかも」と思って、言いたいことが言えない
- 「あ、これイヤかも」と感じても、つい我慢してしまう
こういうとき、心は“防御モード”に入っていて、感じるどころじゃなくなってしまいます。
セクシャリティは、安心して“感じてもいい”と思えたときに、はじめて芽を出すもの。
言いかえると、「感じること」と「安心して存在していいという感覚」は、いつもセットなんです。
セクシャリティは“がんばって開くもの”じゃない
よく、「セクシャリティを開くには〇〇をしよう!」というアドバイスがあります。
ヨガ、アロマ、ボディワーク……もちろんどれも素敵です。
でもその前に必要なのは、「がんばらなくても大丈夫な自分になること」。
具体的には、こんなふうな時間を持つことです:
- 気持ちのいい素材の服を着て、ちょっとだけ深呼吸
- 好きな香りのハンドクリームを塗って、「これ、落ち着く」と思ってみる
- 好きな人の声を聞いて、「あ〜、この声、いいな」と感じてみる
こういう、小さな「ほっ」とする瞬間こそ、
セクシャリティのスイッチを“じんわりON”にする方法なんです。
自分に“YES”を出す練習が、魅力になる
セクシャリティが開いている人って、実は「感じている自分にYESが出せている人」なんです。
- 「これが心地いい」と思ったときに、それをちゃんと選べる
- 「なんかイヤかも」と思ったときに、それを無視せずに尊重できる
- 「今日の自分、まぁまぁいい感じ」と思ったときに、それを受け止められる
そんな自分とのやりとりが、命の感度を少しずつ育てていく土台になります。
👉 関連記事:“女性としての自信がない”の根っこには、何がある?
「セクシャリティを育てる」って、どういうこと?
セクシャリティって、「最初から決まってるもの」じゃありません。
実はこれ、感じながら・迷いながら・じわじわと育っていくものなんです。
でも「育てる」と聞くと、ちょっと大げさで面倒くさそうに感じるかもしれませんよね。
でも大丈夫、筋トレでも瞑想でもなくて、日常の中でできる小さなことでいいんです。
「これは好き」「これはちょっと違う」を拾い集める
セクシャリティを育てるうえでいちばん大切なのは、
自分の感覚を無視しないこと。
たとえば——
- 服を選ぶとき、「今日この色を着たいな」と思えたか?
- ごはんを食べて「これおいしい!」と、ちゃんと反応できたか?
- 誰かの言葉に「ちょっとイヤだな」と思ったとき、見ないふりをしなかったか?
「快」も「不快」も、自分の命のセンサーが出してくれる大切なメッセージ。
それを拾い集めていくことが、セクシャリティを育てる第一歩なんです。
セクシャリティが開いている人って、どんな人?
セクシャリティが開いている人は、こんな特徴があります:
- 無理にポジティブにならなくても、「今の自分」でいられる
- 美味しい・気持ちいい・嬉しいにちゃんと反応できる
- 嫌なことがあっても、「まぁ、そういうときもあるよね」と自分を受け止められる
つまり、“感じること”にブレーキをかけていない人なんです。
がんばって魅力を演出するより、素直な感度がにじんでいる人のほうが、なぜか惹かれますよね。
それって、セクシャリティと仲良くなれているからなんです。
セクシャリティって、色っぽさのことじゃないんです
「セクシャリティ=セクシーな人の話」と思われがちですが、それはほんの一部。
本質は、もっと静かで、もっと自然な“その人らしさ”。
たとえば——
- 子どもと本気で笑いながら遊んでるとき
- 誰かの話に、じっと耳を傾けている姿
- 景色や空の色に、ふっと心が動く瞬間
それって、「自分がその瞬間にちゃんと“生きてる”」ということ。
セクシャリティは、そこにちゃんと顔を出しています。
セクシャリティを育てる、もうひとつの方法たち
「好き/ちょっと違う」を拾うことに加えて、
セクシャリティをじんわり育てる日常の習慣もあります:
🍵 五感で“気持ちいい”を味わう
- 香りのいいハンドクリームを丁寧に塗る
- 湯船につかって、「あ〜」と声に出す
- 冷たいグラスの水を一口ずつ味わう
「感じる」力は、身体感覚と直結しています。
小さな「気持ちいい」を意識すると、センサーが元気になります。
🎶 ひとりでこっそり“ご機嫌になること”をする
- カーテン閉めてヘッドホンで踊る
- 鏡の前で「今日の眉毛、天才」と言ってみる
- 紅茶を“ちょっと高級”にして、自分にふるまう
セクシャリティって、自分を喜ばせる力なんです。
誰かに見せるためじゃなく、「私がご機嫌になるためにやる」が大事。
✋ 「不快」を放置しない勇気を持つ
- 空気を読んで笑ったけど、やっぱりイヤだった
- つい我慢したけど、あとで心がモヤモヤしてる
こういう“小さな違和感”に丁寧になること。
それは、「あなたの感じ方、大事にするよ」と命に伝える行為でもあります。
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セクシャリティは、他人との関係の中で育つこともある
セクシャリティは、自分の内側にあるもの。
そう思いがちですが、実は他人との関係の中でこそ育つ場面もたくさんあります。
🪞 他人は、自分のセクシャリティを映す鏡になる
たとえば、こんな瞬間ありませんか?
- 誰かと話していて、「この人には素直になれるな」と感じた
- 無理に背伸びしなくても、そのままでいられる
- 褒められたとき、「ありがとう」が自然に出た
こういうとき、あなたの中のセクシャリティは、息を吹き返しています。
セクシャリティって、「安心して感じても大丈夫」と思える関係性の中で育つんです。
👫「受け取ってもいい」が始まる場所
セクシャリティは、“受け取る力”ともつながっています。
- 誰かのやさしさを素直に受け取れる
- ほめ言葉を「そんなことないです…」と反射的に否定せず、「ありがとう」と言える
- 安心できる人の前で、緊張せず笑っていられる
そういう“小さな受け取り”が、自分のセクシャリティの感度を育てていくのです。
🧩 関係の中で気づく「こうありたい私」
セクシャリティって、意外と「他人を通して見えてくる」ものでもあります。
- 「私って、こういうとき安心するんだ」
- 「この空気感、なんか好きだな」
- 「ああ、こういう関係をずっと求めてたのかも」
そうやって、自分の“心地よさの輪郭”が、他人とのやりとりの中で少しずつ明確になっていきます。
🍀 だからこそ、まずは“自分といい関係”でいること
誰かとの関係性がセクシャリティに影響を与えるなら、
まず大切なのは、「自分との関係性」がどうか、です。
- 自分を急かしすぎていないか?
- がんばることばかりで、感じることを忘れていないか?
- 「これは好き」「これはイヤ」が、自分の中でちゃんと聞こえているか?
他人との関係は、自分との関係の“写し鏡”。
自分とちゃんとチームを組めているとき、セクシャリティはのびのびと育っていきます。
🌿 まとめ
セクシャリティとは、
誰にも奪われない、あなた自身の“命のチャンネル”です。それは、いやらしさや色気ではなく、
あなたがあなたであるという、静かな誇り。感じることをあきらめず、
心地よさに正直に生きること。それが、あなたの魅力を静かに、力強く、灯していきます。
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