燃え尽きているのに、なぜ休めないの?|止まると感情が出てくる自立女性の心理

動けないのに休めない女性 感情・心のしくみ

仕事を辞めた。

もう朝早く起きなくてもいい。急ぎの予定もない。本当なら、やっと休めるはずだった。

ところが三日もすると、

「このままでいいの?」
「次の仕事を探した方がいい?」
「何か資格でも取ろうかな」

と考え始める。

何かをする気力はない。それなのに、何もしていない自分にも耐えられない。

横になっていても、「あのとき、もっとこうすれば」「なぜ私はあんな恋愛をしたんだろう」と考え続ける。

もう頑張れないのに、止まることもつらい。

燃え尽きた後の自立女性には、こんな状態が起きることがあります。

燃え尽きる前から、「止まらない生活」が続いている

「ある日突然、何もできなくなった」

と感じる人がいます。

けれど、その前を振り返ると、

「これが終わったら休もう」
「今月だけだから」
「もう少し頑張れば落ち着く」
「みんなも大変なんだから」

と、疲れを後回しにしてきた。

大きな仕事が終われば、次の仕事を入れる。

恋愛でつらいことがあると、仕事へ集中する。

仕事が落ち着けば、勉強を始める。

予定がなくなれば、「何かしなければ」と次のものを探す。

本人にとっては、それがいつもの生活です。

考える。判断する。動く。問題を解決する。

そうしている自分には慣れている。

むしろ、暇な時間の方が落ち着かない。

長い間、「動いていること」が自分が自分でいられるための方法になっていた。

止まると、これまで感じずに済んでいたものが出てくる

忙しいときには、目の前にやることがあります。

今日の仕事。

返さなければならない連絡。

家族の用事。

次の予定。

そこへ意識を向けている間は、自分の感情について考えなくても一日が過ぎます。

ところが燃え尽きて、身体も気力も止まる。

すると、それまで置いてきた感情が出てくることがあります。

寂しさ。

「本当は誰かに支えてほしかった」
「ずっと一人で頑張るのはつらかった」

悲しみ。

「こんなに頑張ったのに報われなかった」
「本当に欲しかったものは手に入らなかった」

怒りや悔しさ。

「どうして私ばかり背負ったんだろう」
「あの人にされたことを、本当はまだ許していない」

怖さや不安。

「この先どうなるんだろう」
「以前のように働けなかったらどうしよう」

虚しさ。

「私は何のために、あんなに頑張ってきたんだろう」

そして、

「何もできない私に、何の価値があるのだろう」

という感覚まで出てくることがあります。

止まったときに出てくるものは、人によって違います。

・一人で頑張ってきた寂しさ
・報われなかった悲しみや悔しさ
・誰かへの怒り
・これから先への怖さ
・何もしていない自分への否定

こうした感情が出てきそうになると、「休んでいる方がつらい」と感じることがあります。

そこで、まだ十分に休めていないのに、再び何かを始めたくなるのです。

「忙しい方が調子がいい」こともある

本人は、感情から逃げているつもりなどありません。

「私は考えて動く方が得意」

「暇になると余計なことを考える」

「忙しい方が調子がいい」

と感じていることがあります。

実際、動くことで乗り越えてきたこともたくさんあるでしょう。

仕事が大変なときに行動力があったから解決できた。

誰かが困っているときに動けたから助けられた。

失恋したとき、仕事に集中したから毎日を過ごせた。

頑張ること自体が問題なのではありません。

ただ、動くことで感じずに済んでいたものがあると、動けなくなったときにそれらが一度に出てきて、どう扱えばいいのか分からなくなります。

これまでの「頑張る」という方法が使えない。

でも、頑張るのをやめると感情が出てくる。

だから、進んでもつらい。止まってもつらい、という状態になります。

休んでいると「怠けている」と感じるのはなぜ?

身体が疲れているなら、本来は休養が必要です。

ところが横になっているだけで、

「こんなことをしていていいの?」
「みんなは働いているのに」
「甘えているだけなんじゃない?」
「早く普通に戻らなければ」

と自分を責める。

ここには、これまでの評価のされ方が関係することがあります。

子どもの頃から頑張ると褒められた。

成績がよいと認めてもらえた。

家の手伝いをすると喜ばれた。

仕事ができることで評価されてきた。

親自身がいつも忙しく働き、「休んでいる人」に厳しい家庭だった。

そんな経験があると、

「何かをしている私」

には価値を感じられても、

「何もしていない私」

には価値を感じにくくなることがあります。

休むことが、単に仕事をしない時間ではなく、

「役に立たない私になること」

のように感じられるのです。

身体は止まっていても、頭の中では働き続けている

一日中ベッドにいた。

予定も入れなかった。

だから休んだ。

とは限りません。

横になりながら、

「なぜこうなったんだろう」

「どこで間違えた?」

「どうすれば早く元気になる?」

「次は同じ失敗をしないために何を変えればいい?」

と何時間も考えている。

さらに、

「今日も何もできなかった」

と自分を責める。

身体は止まっています。

でも頭の中では、「早く今の自分を何とかする方法を、考え続けています。

休んでいるのに休めないとき、

・身体は止まっている
・頭では答えを探し続けている
・心では今の自分を責め続けている

ということがあります。

睡眠や身体的な休養も必要です。

それと同時に、今すぐ答えを出さなくてもいい時間、自分を変えようとしなくていい時間が必要になることがあります。

「早く回復しなければ」と、休むことまで頑張ってしまう

頑張ることに慣れている人は、回復も頑張ります。

朝は決まった時間に起きよう。

毎日運動しよう。

食事を整えよう。

心のことを勉強しよう。

自分の問題を分析しよう。

次の仕事に備えよう。

どれも、それ自体は悪いことではありません。

ところが、

「これをやれば、早く元の自分に戻れる」

という気持ちが強くなると、回復まで新しい仕事になってしまいます。

今日は散歩できなかった。

生活リズムが崩れた。

また考え込んだ。

すると、

「全然回復できていない」

と自分を評価する。

そして翌日はもっと頑張ろうとします。

燃え尽きるまでやってきた「努力して結果を出す」という方法を、そのまま回復にも使っているのです。

自己分析まで、自分を追い込む仕事になることがある

自分について考えることは、役に立つことがあります。

ただ、自分への評価が厳しい人が自己分析をすると、

「私の何が悪かったのか」

を探す作業になりやすい。

「だから恋愛がうまくいかなかったんだ」

「ここを直さなければ」

「まだ私は変われていない」

「もっと自分と向き合わなければ」

こうして、自己分析の結果、新しい改善項目が増えていきます。

特に注意したいのは、考えることと、感じることは同じではないということです。

たとえば、

「なぜ私はこんなに悲しいのだろう」

と二時間分析する。

幼少期から現在まで原因を探す。

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ノートに整理する。

そこまでしているのに、

「私は今、すごく悲しい」

ということは、ほとんど感じられていない。

分析している間は、感情そのものから離れていられるからです。

これは、自己分析が悪いという話ではありません。

答えを考えることが、感情を感じないための活動になっていないかを見る必要があります。

感情は、すぐに解消しなくていい

止まったとき、

「寂しい」

「悔しい」

「まだ腹が立っている」

「本当は怖い」

「もう頑張りたくない」

という気持ちが出てきそうになる。

そこで、

「なぜ?」

「原因は?」

「どうすればなくなる?」

と、すぐ問題解決へ進みたくなる。

いつもの自分なら、その方が得意だからです。

でも、ときには、

「私は今、寂しいんだな」

「まだ悔しかったんだ」

「ずっと怖かったんだな」

と、その感情があることを認めて、感じることも必要です。

すぐ元気にならなくてもいい。

その日のうちに解消しなくてもいい。

悲しいからといって、その悲しみの理由を全部理解しなくてもいい。

感情を感じるとは、延々と苦しみ続けることでも、無理に泣くことでもありません。

今あるものを、すぐ解消しなければならない問題にしないことです。

一人で感情に向き合うことでかえってつらさが強くなる人もいます。その場合は、一人で何とかしようとせず、専門家と一緒に扱う方法があります。

また、疲れや意欲低下が長く続く、仕事や家事、人との関わりなど日常生活への支障が大きい場合には、心理だけの問題と決めつけず、医療機関などへの相談も検討してくださいね。

止まったとき、自分の中に何が出てくるのか

休めない自分を変えようとする前に、こんなことを考えてみてください。

・何もしない時間になると、最初に何を考えるか
・休んでいる自分を、どんな人間だと思っているか
・働いていない自分にも価値があると思えるか
・忙しいときには考えずに済んでいたことは何か
・本当は誰に腹を立てているのか
・何を失ったことが悲しいのか
・誰かに支えてほしかった気持ちはないか
・目標がなくなると、何が怖いのか
・「怠けている」と、誰に言われるような感じがするのか
・なぜそんなに早く元気にならなければならないと思うのか

すぐに答えを出すための質問ではありません。

「休めない理由を見つけなければ」

と、ここでも新しい課題にしなくていいのです。

ただ、自分の中に何があるのかを知るために使ってみてください。

まとめ|休むことは、「早く元の自分へ戻るための仕事」ではない

燃え尽きているのに、休めない。

身体はもう動きたくない。

それなのに、何もしない時間になると不安になり、次の仕事、資格、運動、自己分析などを始めたくなる。

その背景には、頑張ることで自分の存在や気持ちを保ってきたのかもしれません。

忙しい間は、寂しさや悲しみ、怒り、悔しさ、怖さ、虚しさについて考えずに済んだ。

止まったことで、それらが出てくる。

さらに、何かをしている自分に価値を感じてきた人なら、何もしていない時間そのものが苦しくなります。

だから、「とにかく休めばいい」と言われても、休むことができないのです。

そして回復まで頑張り始める。

自己分析をして、改善点を見つけ、元の自分へ戻るための計画を立てる。

これでは、身体は休んでいても、自分を働かせ続けることになります。

カウンセリングでは、「なぜ頑張ってしまうのか」だけを分析するのではなく、頑張ることをやめたときに何が出てくるのかを一緒に見ていきます。

止まると寂しくなる人もいます。

ずっと我慢してきた怒りが出る人もいます。

働けない自分には価値がないように感じる人もいます。

誰かに支えてほしかったことを認めるのがつらい人もいるでしょう。

同じ「休めない」でも、その理由は違います。

今すぐ解決しようとせず、

「私は、本当はこんなに悲しかったんだ」

「ずっと腹が立っていたんだ」

「怖かったんだ」

と感じているものに気づくことも、回復の中に含まれます。

早く以前の自分へ戻ることだけを目標にしない。

これまで感じずに走ってきたものを知りながら、今の自分がどんな状態なのかを理解していく。

そこから初めて、「また頑張れる私になる」以外の回復の形も見えてきます。

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