私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの問題に隠れている心理を、わかりやすくお伝えするシリーズです。
悪い妄想はサクサクできる
かなり昔のことなのですが、ある日、仕事から早めに帰宅した私は庭に置いてある「100人乗っても大丈夫!」型の物置の前に、とある物を発見しました。その物を見た瞬間、私はよからぬ妄想に突っ走り、勝手にネガティブストーリーを作り上げてしまったのです。
物置の前にあったのは、まさかの『脚立』。これを見て私は、次のように物語を展開していきました。
- 脚立に登り、物置の屋根に乗る。
- 物置の屋根から、2階のベランダへ飛び移る。
- ベランダから息子の部屋に侵入する。
- そんなところから進入するなんて、泥棒だっ!!
- もしこのまま家に入ったら、泥棒さんと鉢合わせしちゃうのでは?
- しかも、泥棒さんが刃物を持っていたらどうしよう・・・
- キャーーーーーー!!
私の頭の中では、まるでサスペンスドラマのようなストーリーが繰り広げられていました。もし誰かが私の頭を覗き見ていたなら、船越栄一郎が登場しているのが見えたかもしれません。こんな時、ネガティブストーリーが進行中だと、なかなか動けませんよね。怖いから。だけど、よく考えると、これはあくまで頭の中で起こっていることで、現実の世界とは何の関係もないのです。
それでも、いつまでも玄関前に立ち尽くしているわけにもいかないので、家の中を覗いてみると物音もなく、2階の窓も割れている様子はなし。勇気を振り絞って家の中に入り、何も荒らされていないことを確認してホッと一息。しかし、脚立が何故そこに置いてあったのかという謎は残ったままでした。
そして、帰宅した困ったちゃんにその「脚立の謎」について話してみたところ、困ったちゃんは「奴は帰っているのか?」と、何やら動物的な勘で察知した様子。どうやら私と困ったちゃんには、ある意味で似たような勘が働くようです。
ネガティブストーリーは防衛手段でもある
ここで少しネガティブストーリーについて考えてみましょう。人間は最悪の事態を想定する習性があるようです。これは防衛本能とも言えるもので、最悪を想定しておけば、実際に悪いことが起きても「やっぱりな」「思ったよりマシだな」と思うことで、安心感を得られるのです。
しかし、ネガティブストーリーのデメリットもあります。頭の中でずっと悪いことを想定しているわけですから、全然楽しくない!私は現実に何も起きていないのに、怖い思いをしていたわけです。これって損だな、と今では思います。
当時、私は毎日のようにネガティブストーリーを描き続けていましたが、もしあの時にこの心理を理解していたなら、もっと楽しく過ごせたのではないかと今でも思います。
何を動機にストーリーを描くのかの違い
その後、帰宅した困ったちゃんが私のネガティブストーリーをあっさり覆してくれました。彼の推理は次のようなものでした。
- 貧乏な我が家に泥棒が、そもそも侵入しようなどと思わない。
- もし泥棒が下見をしているなら、私のようなガラの悪い男がいる家に侵入しようなど思わない。
- よって、泥棒説は即却下。
- じゃあ、家の中に犯人がいる!?怪しいのは娘だっ!
- 娘はきっと鍵を忘れて学校へ行ったに違いない。
- 忘れ物を取りに帰った際、鍵を忘れていることに気づいた。
- そして、隣の家に電話を借りるのも気が引けるから、物置を使ってベランダに入ろうとした。
- 結果、脚立を使って兄の部屋に侵入。鍵をかけ忘れていたので成功。
困ったちゃんは、懐中電灯を持って脚立を使い、物置の屋根を捜索。すると、確かに足跡があったそうです。彼は「俺の推理は完璧だ!」と誇らしげに胸を張りました。
そして娘が帰宅すると、困ったちゃんの推理はまさにその通りでした。
ネガティブストーリーとポジティブストーリー
私と困ったちゃん達(2匹なので複数形)のストーリーの違いに当時は気付きませんでしたが、今となってはその描き方の違いに驚きます。私のストーリーはまさに船越栄一郎の登場する超ネガティブなもの。しかし、困ったちゃん達のストーリーは、むしろポジティブ。
彼らは「泥棒が侵入するわけがない」「もしも鍵を閉め忘れていたらジャンプで解決できる」と、ポジティブなシナリオを描いていました。まさに、ポジティブストーリーを描くことで、達成感とワクワク感を得て、成功する確率も高まるというわけです。
私は長年、ネガティブストーリーを描いていましたが、もしポジティブにストーリーを書き換えていたら、もっと楽しく生きられたんだろうな、と思います。
まとめ
ネガティブな想像をし続けることで、自分を守ろうとする心理が働くのは理解できますが、あまりにその思考に引きずられると、せっかくの楽しい瞬間を逃してしまうことも。ポジティブに物事を考えることで、心に余裕を持ち、前向きに進んでいけることを実感したエピソードでした。人生、もう少し楽しく想像してみるのも良いかもしれませんよ!
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