あの時知りたかった心理学シリーズ第24:最悪の事態を想定する心理とポジティブストーリーの違い

ネガティブとポジティブな思考の違い オススメ記事
心理学的な視点から見る、最悪の事態を想定する癖と前向きな思考の違い

私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの問題に隠れている心理を、わかりやすくお伝えするシリーズです。


悪い妄想はサクサクできる

かなり昔のことなのですが、ある日、仕事から早めに帰宅した私は庭に置いてある「100人乗っても大丈夫!」型の物置の前に、とある物を発見しました。その物を見た瞬間、私はよからぬ妄想に突っ走り、勝手にネガティブストーリーを作り上げてしまったのです。

物置の前にあったのは、まさかの『脚立』。これを見て私は、次のように物語を展開していきました。

  1. 脚立に登り、物置の屋根に乗る。
  2. 物置の屋根から、2階のベランダへ飛び移る。
  3. ベランダから息子の部屋に侵入する。
  4. そんなところから進入するなんて、泥棒だっ!!
  5. もしこのまま家に入ったら、泥棒さんと鉢合わせしちゃうのでは?
  6. しかも、泥棒さんが刃物を持っていたらどうしよう・・・
  7. キャーーーーーー!!

私の頭の中では、まるでサスペンスドラマのようなストーリーが繰り広げられていました。もし誰かが私の頭を覗き見ていたなら、船越栄一郎が登場しているのが見えたかもしれません。こんな時、ネガティブストーリーが進行中だと、なかなか動けませんよね。怖いから。だけど、よく考えると、これはあくまで頭の中で起こっていることで、現実の世界とは何の関係もないのです。

それでも、いつまでも玄関前に立ち尽くしているわけにもいかないので、家の中を覗いてみると物音もなく、2階の窓も割れている様子はなし。勇気を振り絞って家の中に入り、何も荒らされていないことを確認してホッと一息。しかし、脚立が何故そこに置いてあったのかという謎は残ったままでした。

そして、帰宅した困ったちゃんにその「脚立の謎」について話してみたところ、困ったちゃんは「奴は帰っているのか?」と、何やら動物的な勘で察知した様子。どうやら私と困ったちゃんには、ある意味で似たような勘が働くようです。


ネガティブストーリーは防衛手段でもある

ここで少しネガティブストーリーについて考えてみましょう。人間は最悪の事態を想定する習性があるようです。これは防衛本能とも言えるもので、最悪を想定しておけば、実際に悪いことが起きても「やっぱりな」「思ったよりマシだな」と思うことで、安心感を得られるのです。

しかし、ネガティブストーリーのデメリットもあります。頭の中でずっと悪いことを想定しているわけですから、全然楽しくない!私は現実に何も起きていないのに、怖い思いをしていたわけです。これって損だな、と今では思います。

当時、私は毎日のようにネガティブストーリーを描き続けていましたが、もしあの時にこの心理を理解していたなら、もっと楽しく過ごせたのではないかと今でも思います。


何を動機にストーリーを描くのかの違い

その後、帰宅した困ったちゃんが私のネガティブストーリーをあっさり覆してくれました。彼の推理は次のようなものでした。

  1. 貧乏な我が家に泥棒が、そもそも侵入しようなどと思わない。
  2. もし泥棒が下見をしているなら、私のようなガラの悪い男がいる家に侵入しようなど思わない。
  3. よって、泥棒説は即却下。
  4. じゃあ、家の中に犯人がいる!?怪しいのは娘だっ!
  5. 娘はきっと鍵を忘れて学校へ行ったに違いない。
  6. 忘れ物を取りに帰った際、鍵を忘れていることに気づいた。
  7. そして、隣の家に電話を借りるのも気が引けるから、物置を使ってベランダに入ろうとした。
  8. 結果、脚立を使って兄の部屋に侵入。鍵をかけ忘れていたので成功。

困ったちゃんは、懐中電灯を持って脚立を使い、物置の屋根を捜索。すると、確かに足跡があったそうです。彼は「俺の推理は完璧だ!」と誇らしげに胸を張りました。

そして娘が帰宅すると、困ったちゃんの推理はまさにその通りでした。


ネガティブストーリーとポジティブストーリー

私と困ったちゃん達(2匹なので複数形)のストーリーの違いに当時は気付きませんでしたが、今となってはその描き方の違いに驚きます。私のストーリーはまさに船越栄一郎の登場する超ネガティブなもの。しかし、困ったちゃん達のストーリーは、むしろポジティブ。

彼らは「泥棒が侵入するわけがない」「もしも鍵を閉め忘れていたらジャンプで解決できる」と、ポジティブなシナリオを描いていました。まさに、ポジティブストーリーを描くことで、達成感とワクワク感を得て、成功する確率も高まるというわけです。

私は長年、ネガティブストーリーを描いていましたが、もしポジティブにストーリーを書き換えていたら、もっと楽しく生きられたんだろうな、と思います。


まとめ

ネガティブな想像をし続けることで、自分を守ろうとする心理が働くのは理解できますが、あまりにその思考に引きずられると、せっかくの楽しい瞬間を逃してしまうことも。ポジティブに物事を考えることで、心に余裕を持ち、前向きに進んでいけることを実感したエピソードでした。人生、もう少し楽しく想像してみるのも良いかもしれませんよ!

この記事は、旧ブログに掲載していた内容を元に加筆修正したものです。内容を整理し新しいブログへ移行しました。

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