“このままずっとひとりかも”と思ったとき、心の中で起きていること

孤独感に包まれた夜に、自分と向き合う女性のイメージ オススメ記事

◆夜になると、なぜか不安になるときがある

「今日は誰とも話してないな…」
「スマホ、全然鳴らないな」
「このままずっと、誰にも気づかれずに年をとって、最期までひとりだったらどうしよう」

——そんなふうに、ふとよぎる不安。ありませんか?

昼間はなんとも思っていなかったのに、夜になって静けさが増すと、
突然「未来が怖くなる」ような気持ちに襲われることがあります。

一見、根拠のない“妄想”のように感じても、本人にとってはとてもリアル。
そして、そのまま気持ちが沈んでしまうこともあるでしょう。

この感覚、実は私たちの心の“働き方のクセ”が関係しているかもしれません。


◆その不安、「投影」かもしれません

心理学には「投影(とうえい)」という言葉があります。
これは、自分の内側にある感情や思いを、無意識のうちに外の世界に映し出してしまう心のはたらきのこと。

たとえば——

  • 今ちょっと孤独を感じている
  • 誰かに連絡したいけど、できずにいる
  • 返事がないことで、自分が大切にされていない気がする

こうした「いま感じていること」が、
知らないうちに「この先ずっとこうなんじゃないか」という未来像として描かれてしまうのです。

つまり、

「今日、誰とも話さなかった」 → 「私は孤独だ」 → 「一生このまま、誰にも看取られずに死んでいくのかもしれない」

というように、感情が未来の脚本を勝手に書いてしまうということが起きるのです。


◆「被害者の役」に無意識で座ってしまうこともある

もうひとつ、こうした思考の背景にあるのが、
知らず知らずのうちに入り込んでしまう「被害者のポジション」。

これは、「私は大事にされていない」「誰にも必要とされていない」といった感覚をもとに、
物事のすべてを“ないがしろにされている自分”という視点で受け取ってしまう状態です。

たとえば——

  • LINEの返信がない →「やっぱり私は後回しにされてる」
  • 職場であいさつが返ってこなかった →「私って、存在感ないんだろうな」
  • 誰からも誘われなかった休日 →「ひとりで生きていくしかないのかも」

こういった一つひとつが、「私はひとりだ」という“証拠集め”に変わっていく。

でも実際には、その人が忙しかったり、たまたまだったり、
何か別の理由があるかもしれないのに——
自分の内側のフィルターが、現実を決めてしまうことがあるのです。


◆では、どうすればいい?——「思い込み脚本」から抜け出すための視点

人は不安になると、「最悪の未来」を予測しようとします。
これは身を守るための本能的な働きでもありますが、
その脚本が必要以上に悲観的になってしまうことも、よくあるのです。

そんなときに役立つのは、「現実と想像を分けてみる」という視点です。


💡 ステップ1:いま起きている“事実”を整理する

ノートでもスマホのメモでも構いません。
まずは、自分が感じている不安の「材料」を書き出してみてください。

  • 今日誰とも話していない
  • LINEの返信がない
  • 会話中、相手が目を合わせなかった

……こうした事実と、そこから思い浮かんだ「想像」(たとえば「私は嫌われている」や「ずっとひとりかも」)を、切り分けてみます。

すると、自分がどこから“思い込みの脚本”を作り始めたのかが見えてきます。


💡 ステップ2:「これは今の感情から来ていないか?」と問いかけてみる

不安を感じるとき、私たちは「感情」を「現実」として受け取りがちです。

けれど実際には、今の感情は、体調・気圧・疲れ・過去の記憶などにも影響されるもの。

「いま寂しい」=「一生ひとり」ではありません。

感情が強くなっているときこそ、
「これは“今の心の声”なのか、“未来の現実”なのか」
という問いを、自分に投げかけてみてください。


💡 ステップ3:「つながっている感覚」に気づく

“ずっとひとりかも”という不安は、
多くの場合、「誰かとのつながりを感じられないとき」に浮かびます。

でも、完全にひとりで生きている人なんて、本当はいないはず。

  • 職場で名前を呼ばれた
  • コンビニで「ありがとうございました」と言われた
  • SNSで何気ない共感を感じた

そんな小さなことの中に、「自分は誰かと関わっている」感覚が潜んでいるかもしれません。

一気に「安心したい」と思うと苦しくなります。
でも、「ちょっとだけ安心できる瞬間」を見つけるだけでも、
思い込みの脚本は、少しずつ書き換わっていきます。


◆まとめ:「未来の孤独」ではなく、「今の自分」とつながること

「このままずっとひとりかも」と感じたとき、
その不安は、未来の現実ではなく、
今の自分が感じている心の揺らぎの反映かもしれません。

だからこそ、目の前の誰かと会話をすることも、
自分の気持ちを整理することも、
心を休めることも、すべてが“脚本の書き換え”になります。

思い込みは、気づけば変わります。
そして変われば、世界の見え方も、少しだけやわらかくなるかもしれません。

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▼元になったnote記事はこちら:
▶︎【ずっとひとり…って、勝手に最期まで想像してた】


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