甘えたかったのに、「迷惑かな」「わがままだって思われそう」と言えなかった。
頼りたかったのに、「私がやった方が早いし」と飲み込んだ。
そんなふうに、自分の本音をひとつ、またひとつとしまい込むことに、もう慣れてしまっていませんか?
でもそれ、“わがまま”なんかじゃないかもしれません。
もしかしたら、本当は“素直な気持ち”だったのに、自分で封じ込めてしまっていただけなのかも。
この記事では、自立している女性ほどやりがちな「わがままと素直の混同」について、やさしく解説していきます。
「わがまま」と「素直」の違いってなんだろう?
言いたいことがあるのに、グッと飲み込んでしまう。
誰かに頼りたいのに、「いや、これくらい自分でやるべきだよね」と言い聞かせる。
そんなとき、心の中で響いているのは
「こんなこと言ったら、わがままに思われそう」
というセリフだったりします。
でも、ちょっと待ってください。
“わがまま”って、本当にそのことを指しているのでしょうか?
心理学的に見ると、「わがまま」とは、自分の欲求を相手に押しつけたり、他人の都合を考えずに動くことを指します。
一方、「素直さ」は、自分の気持ちや欲求を、相手を信頼して伝えること。
つまり、「これお願いしてもいい?」と伝えることと、
「お願いしたいんだから当然やってよ」というのは、似ているようで全然違うわけです。
でも、この違いって、案外わかりにくいんです。
なぜなら、自分が“頑張りすぎる”クセを持っていると、
ちょっと人に頼るだけでも「私って自己中かも…」と感じてしまうことがあるから。
自立してきた女性ほど、
「自分でやるのが当然」
「迷惑かけたくない」
「人の手を借りるのは最後の手段」
という価値観を自然に身につけていることが多いもの。
その結果、「素直にお願いする」ことすら“わがまま扱い”されてしまう脳内構造ができあがっていたりするのです。
自立女性が「素直になるのが苦手」な理由
一人でなんでもこなせる。
人に頼らなくても、たいていのことはうまくやれる。
むしろ、「自分でやったほうが早いし、確実」と思ってきた。
そんなふうに、自立してきた女性ほど、「素直になること」=「弱さを見せること」=「危ういこと」みたいに感じてしまうことがあります。
それもそのはず。
自立するって、もともと「誰にも頼れない状況で、自分を守る力を育ててきた」ことの証でもあります。
だからこそ、「誰かに助けてもらう」「お願いする」という行為に対して、無意識のうちに“警戒スイッチ”が入ってしまうんです。
心理学では、こうした心の動きを「防衛的自立」と呼ぶことがあります。
ほんとうは、誰かに頼ってみたかった。
でも過去のどこかで、「頼ったのに受け入れてもらえなかった」「弱さを見せて損をした」と感じた経験があると、
「もう二度と同じ思いはしたくない」という心の防衛反応が、じわじわと積み上がっていくんです。
その結果、今度は自分自身が「頼ること」「素直になること」にブレーキをかけるようになる。
そしてだんだん、頼ること=依存すること=よくないこと、というシンプルな構図ができあがっていくのです。
だから、「素直になれない」と感じるのは、ただ不器用だからじゃなくて、
ちゃんと自分を守ってきた結果でもあるんですね。
なぜか言えない本音が恋愛を遠ざけてしまう
「ほんとは、もっと一緒にいたかった」
「さみしかったな」
「ちょっと不安だった」
そんな本音が胸の奥にあるのに、なぜか口にできない。
…というより、「口にしちゃいけない」とすら思ってしまう。
それは、自分の中で「感じること」と「表現すること」が、うまくつながらなくなっているサインかもしれません。
そしてこれも、自立してきた人がよく抱える“恋愛あるある”のひとつ。
なぜなら、自立ってつまり「感情よりも行動を優先する」訓練でもあるからです。
仕事では、感情に流されないことが大事。
不安になっても、イライラしても、とにかくやるべきことをやる。
そうやってやってきた経験がある人ほど、
恋愛でも「気持ちより正しさ」「感情より理性」が前に出てしまいがちです。
でも、恋愛って本来、感情を通わせ合う関係。
「わかってくれた」「受け取ってくれた」という実感があってはじめて、心の距離が縮まっていきます。
だから本音を伝えられないと、
・気持ちをわかってもらえない
・なのに期待はしてしまう
・結果、ひとりで我慢して疲れる
というループにはまりやすくなってしまうんです。
しかも、自立タイプの女性は“相手の感情”にはすごく敏感だったりします。
「こう言ったら気を使わせるかも」
「相手を困らせるかも」
そう思って、自分の気持ちを後回しにしてしまう。
でも、それを続けていると、だんだんと「私はひとりでがんばるしかない」という思い込みが強くなって、
恋愛がどんどん遠くに感じられてしまうんですね。
素直になることは、弱さではなく“信頼”の表現
「言いたいことを言うのは、わがまま」
「迷惑をかけるのはよくない」
「弱さを見せたら、嫌われるかも」
そんな思いがあると、どうしても“本音”を飲み込んでしまいます。
でも、本音を伝えるって、ほんとうは“勇気”のいること。
それは、相手を信じているからこそできることなんです。
心理学でも、人との関係性が深まる鍵は「自己開示」だと言われています。
かっこつけない。
できないこともある。
さみしいときもある。
そういった自分をそのまま見せることで、相手も「この人の前では、自分でいられる」と感じられるようになるんです。
つまり、“素直さ”は、相手に心を開くための入口でもあるんですね。
そしてもうひとつ、大事なこと。
素直になるって、必ずしも「全部さらけ出すこと」じゃありません。
ただ、「本当はこう思ってる」という自分の内側を、自分でちゃんと見てあげること。
そのうえで、少しずつ、安心できる範囲で伝えていくこと。
それで十分なんです。
もし今、「これを言ったらわがままに思われるかも」と感じているなら、
それは本当に“わがまま”なのか、一度立ち止まって考えてみる価値があります。
感情は「自分にとって何が大切か」を教えてくれるサインだと言われたりします。
つまり、“言いたくなる気持ち”がある時点で、そこにはあなたなりの大切な価値やニーズが含まれている可能性があるのです。
その感情を抑えるのではなく、
「この気持ちはどんな背景から来ているのか」と丁寧に扱うことが、
結果的に自己理解や人間関係の質を深めるカギにもなっていきます。