恋愛で“がんばる私”が止まらない理由

ソファで静かに佇む女性 恋愛・パートナーシップ
「甘えられない私」をほどいていく、恋愛と自己理解のやさしい物語

甘えることにブレーキをかけている心のクセ

「好きな人には素直に甘えたい」「ほんとは頼りたい」
なのに、なぜか気づけば、また“がんばる側”になっている私。

ごはんを作るのも、デートの調整も、連絡のペースも、「こっちが頑張らなきゃ回らない感」がどこかにある。
相手から「もっと頼ってよ」と言われても、「あっ、大丈夫大丈夫!」と反射的に言ってしまう。

そんなふうに、“頑張る恋”がクセになっている方へ。
もしかするとあなたも、無意識のうちに「甘えること」にブレーキをかけているのかもしれません。

この記事では、恋愛でがんばりすぎてしまう理由を、心のクセや過去の経験からやさしく紐解いていきます。

恋愛で「つい頑張ってしまう」私

恋愛が始まると、つい相手に尽くしたくなる。
LINEの返事が来なくても「忙しいよね、仕方ないよね」って自分に言い聞かせて、
プレゼントやらサプライズやら、何かと“気を利かせる”モードが発動。

しかも不思議なことに、「私ばっかり頑張ってる…」と思いつつ、
どこかでそれが“恋してる実感”になってたりする。

とはいえ、こういう恋愛が続くと、だんだん疲れてくるのも事実。
相手に「もっと頼っていいんだよ」と言われても、「いやいや、そんな、私なんて!」と反射的に遠慮してしまう。

そしてなぜか、「なにもしてくれない人」と恋に落ちがち。
してくれないのに離れられない。
そんな関係に、心当たりはありませんか?

こうした「恋愛がんばりすぎ問題」の奥には、
実はちょっとした心のクセ、あるいは“防衛反応”が隠れていることがあります。

甘えることにブレーキをかけている心のしくみ

「本当は甘えたい」「弱音を聞いてほしい」「ときには頼りたい」
そう思っているのに、なぜかそれができない。

お願いする前に「迷惑じゃないかな」と考えてしまったり、
素直に頼るより先に「自分でなんとかしよう」と動いてしまったり。

こうした反応は、心理学では「防衛機制」や「スキーマ(認知の枠組み)」と呼ばれるものと関係があると考えたりします。
子どもの頃に繰り返し体験した関係性のパターンが、「人との関わりとはこういうものだ」という前提となり、
大人になってからも同じような反応を無意識に繰り返してしまうのです。

たとえば、
・甘えようとしたときに「我慢しなさい」と言われた
・頼ったときに受け入れてもらえなかった
・弱さを見せたら、がっかりされたと感じた

こうした体験が重なると、「甘える=迷惑をかけること」「頼る=嫌われるかもしれないこと」という認識が心に残ります。

また、「役に立つ子」「しっかり者の子」として期待されて育った人ほど、
「頼られること=愛されること」という価値観が強くなりがちです。
そのため、頼る側にまわることに、罪悪感や不安を感じやすくなります。

「がんばらないと愛されない」という思い込みの正体

恋愛の中で、いつも“がんばってしまう”私。
相手に合わせたり、気をつかったり、何かをしてあげないと落ち着かない。

その奥には、「がんばらない私は、愛されないのではないか」という思いが隠れていることがあります。

心理学ではこれを「条件つきの愛」の体験と説明することがあります。
何かを達成したときや、いい子でいたときにだけ愛された記憶が、
「愛されるためには、努力しなければならない」という思い込みを作り出すのです。

・成績がよかったときだけ褒められた
・感情を出すと面倒がられた
・期待に応えたときにだけ安心できた

こうした記憶が積み重なると、
「ありのままの私は、愛されないかもしれない」という不安が心のどこかに残ります。

そのため、恋愛の中でも「役に立つ存在でいなければ」「相手を満たす存在でなければ」とがんばってしまう。
本当はただそばにいたいだけなのに、それでは不十分に思えてしまうのです。

甘えたいのに甘えられない、そんな私へ

頼りたい、弱さを見せたい、受けとめてほしい。
その気持ちは、ちゃんとあなたの中にあります。

でも、その気持ちを表現しようとすると、不安や戸惑いが湧いてくる。
それはきっと、「甘えること=悪いこと」と刷り込まれてきた背景があるから。

だからまずは、「甘えたい」と思っている自分を否定しないであげてください。
甘えたいと感じるのは、自然なこと。
誰かに頼ることは、相手に自分をゆだねてみようとする“信頼”の表れでもあるのです。

心理学では、こうした安心できる関係性を「安全基地」と呼びます。
誰かとつながりながらも、自分らしくいられる関係の中でこそ、
人は安心して甘えたり、本音を見せたりすることができるのです。

もし今すぐ誰かに甘えられなくても、まずは自分が自分に対して、
「甘えたいと思ってもいい」と認めてあげることから始めてみてください。

おわりに:がんばる恋から、満たされる恋へ

恋愛の中で“がんばること”が習慣になっていると、
誰かに受けとめてもらうことが、かえって落ち着かなく感じてしまうこともあります。

でも、本来恋愛は、“愛されるために何かをする場所”ではなく、
“そのままの自分でいられる場所”でもあるはずです。

がんばらなくても、価値がある。
甘えたとしても、見放されるわけではない。

そう思えるようになるには、少し時間がかかるかもしれません。
でも、まずは自分の中にある「頑張ってしまう私」に気づき、
その奥にいる「甘えたかった私」の存在を認めてあげることから始めてみてください。

恋愛は、相手の期待に応える場ではなく、
お互いが“自分らしくいられる居場所”として育てていけるもの。
がんばる恋から、満たされる恋へ。
その変化は、きっとあなたの中から始まります。

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