なぜ夫は特定の場所だけ綺麗にこだわる?縄張り意識と潜在的罪悪感の関係

夫が掃除にこだわる場面 恋愛・パートナーシップ
夫が特定の場所に異常なまでにこだわる心理的背景

『これってどういうこと?』と、不思議に思うことってありませんか?

◆実家が片付いていなくても平気なのに、自宅は綺麗に片付いていないと、ものすごく不機嫌になる夫

◆自宅は片付いていなくても平気なのに、自分の車だけはピカピカにしている夫

◆キッチンがどうなっていようが、全く興味を示さないのに、お風呂場は水垢NG、髪の毛一本許せない夫

実際にカウンセリングでお伺いすることがある内容でもあるのですが、綺麗好きかと思いきや、気にならない部分は何も気にしないという人って意外といるのかもしれませんね。

縄張り意識

芸能人の方も、潔癖症であるというお話しを自らされていることも多いので、「なるほど、潔癖症の人というのは、世の中にはいらっしゃるのだな」というのは理解しているけれど、どうも潔癖症というのとはちょっと違う。
特定の場所だけ、綺麗にしておかないと気が済まない旦那様に困惑してしまう。

正確には、個別にお話しをお伺いしていかないとわからないことではあるのですが、これってある種の縄張り意識が関係している可能性があります。

「ここは俺のテリトリー」と思っている場所に対して、綺麗にしておかないと気が済まない。
自分のテリトリー以外に関しては、無関心なので、綺麗に片付けていようが、汚れていようが気にしない。
他人の縄張りには興味がない状態ですね。

だから、結婚前暮らしていた実家は「両親のテリトリー」なので、どうでもよくって、結婚して自分が買った家や、自分が借りている家は「俺のテリトリー」なので、徹底的に綺麗にするというわけです。

また、自宅は「家族共有のテリトリー」だけれど、車は「俺のテリトリー」と思っていたり、キッチンは「妻のテリトリー」だけれど、お風呂は「俺のテリトリー」と思っていたりすると、先の例のようなことが起こる可能性がありますね。

その人が、どこを「俺のテリトリー」だと考えているかによって、その場所は変わることになります。

罪悪感の投影との合わせ技

一概には言えませんが、意識はしていなくても「俺は汚れている」とか「俺は悪い人間だ」という罪悪感が潜在意識にあると、その俺を投影する部屋や、俺が触れる場所などの空間や物を汚れているような悪い物のように感じて、ものすごく綺麗にしなければならないという思いに駆られている潔癖症の人もいます。
ですが、今回お話ししている特定の場所のみ、綺麗に片付けたり掃除したりする場合は、潜在意識にある罪悪感と、縄張り意識が強く、自分以外にあまり興味を示さない傾向が合わさっているのかもしれない。

ある種の縄張り意識が強いということは、それだけ周りを敵視している傾向が強いということ。
一人で頑張らなくてはいけなかった時代があるとか、自分だけ疎外されていると感じていた時代があるとか、何らかの理由があって、周りを敵視して戦うことで、強くなってきた経験がある人などは、この縄張り意識が強くなる傾向があります。
あと、何か大切なものを奪われた経験なども関係しているかもですね。

周りを敵視といういうと、何だか悪い印象があるかもしれませんが、縄張り意識がある分だけ、家族や友人など、仲間だと認識している人に対しては、強い愛着を持つこともあり、外的から守ろうとしてくれる頼りになる部分もあります。

というわけで、冒頭のような疑問を相談してくださる方の旦那様は、自立系で一見するととても強そうな、男気溢れる方であることが多いものです。
「誰か僕を守って」ではなく、「俺が敵と戦う!」というタイプですね。
ですから、頼りがいがあるといえばそうなのですが、悪い面としては、頑固だったり、暴君ぎみだったり、理屈や理論を語り過ぎるために、感情的な交流ができなかったりするかもしれません。

「お風呂掃除が大変なので、なんとかなりませんかね?」という場合、自分のテリトリーなのだから自分で掃除してもらうというのも方法ですし、「掃除など絶対に自分ではしない!」という場合は、何を言われても、「ああ、縄張りを主張しているのだな」と生暖かく見守り、間違っても「私の掃除が下手だから怒るのだ」などと思わないことです。

奥さまや家族との繋がりを実感できるようになったり、「俺は愛されている」ということを感じることができるようになると、俺のテリトリーと家族のテリトリーの区別はなくなる可能性があります。
また、潜在意識にある罪悪感が少なくなってくると、罪悪感を投影することによって、度を越した綺麗好きになる必要もなくなってきます。
もちろん、綺麗好きであること自体は、何も悪いことではなく、清潔であるということは大切なことでもありますから、むしろ良いことなのです。
ですが、度を越した綺麗好きになってしまうと、一緒に暮らす人がとても大変な状態になってしまいますから、それなりの綺麗好きくらいでいてくれるとありがたいですよね。

というわけで、どうでもいい場所は、どうでもいいけれど、特定の場所だけものすごく綺麗好きというのは、周りを敵視していることによる強い縄張り意識と、潜在的な罪悪感が影響していると考えてもらえるといいかもしれませんね。

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