癒着とは?
ベッタリとくっついてしまった関係のことを「癒着」といいます。 例えば、二人の手を接着剤でくっつけたらどうなるでしょう? 何をするにも二人一緒でなければならず、自由がきかなくなります。 どんなに仲が良くても、「ちょっと離れたい」と思うこともありますよね。
癒着の関係では、たとえばこんなことが起こります。
- 「私はこっちに行きたいのに、どうして来てくれないの!」
- 「一人になりたいなんて、私のこと嫌いになったの?」
適度な距離感があることで、人間関係は心地よいものになります。 では、なぜ癒着が生まれるのでしょうか?
癒着が生まれる原因
【親子関係での癒着】
癒着の典型的なパターンは、「過干渉の親と子供」の関係です。
母親と赤ちゃんは、生まれた直後は常に一緒で、癒着状態が当たり前。 赤ちゃんを一人にすると心配になるのも当然です。
しかし、子供が成長しても親が干渉し続けると、
- 子供は「自分で決める力」が育たない
- 親は「子供なしでは不安」になってしまう
こうして、親子間の癒着が続いてしまうのです。
【恋愛関係での癒着】
親との距離感は、そのまま恋愛関係にも影響します。
- 「常に一緒にいたい!」
- 「相手が離れると不安で仕方がない」
このように、距離感が極端に近い恋愛をしてしまうことがあります。
最初は「いつも一緒」で幸せでも、 相手が「一人の時間が欲しい」と言った瞬間に、 「どうして?私が嫌いになったの?」と不安になり、 結果的に「重い」と思われてしまうことも。
癒着の見えにくいパターン
癒着は、ベッタリくっつく関係だけではありません。 距離が遠すぎても、見えにくい形で癒着していることがあります。
例えば、
- 親があまり面倒を見てくれなかった
- 甘えたいのに甘えられなかった
こういう場合、
- 「本当は甘えたかった」「寂しかった」
- でも、傷つくのが怖くて、感情を抑え込んでしまう
そして、大人になり恋愛をすると、 最初はクールでも、 「この人なら大丈夫」と思えた瞬間に、 抑えていた「甘えたい気持ち」が爆発してしまいます。
結果、急にベッタリになってしまう。 これも、癒着の一つの形なのです。
癒着が引き起こす問題
癒着していると、
- 相手との境界線が曖昧になる
- 相手の気持ちが「自分のもの」のように感じる
- 相手を「独立した存在」として見られなくなる
例えば、こんな会話がありました。
近所の方が「最近、仕事が忙しくて、とても疲れているんです」と話していました。 「お仕事大変ですね」と返したら、 「仕事が忙しいのは息子なんです」と。
これは、親が子供と一心同体のように感じている典型的な例です。 親子間でも、自分と相手の感情が混ざってしまうことがあります。
癒着を手放すには?
人と人との距離は、
- 近くなったり
- 遠くなったり
その時々で自由に変えられるのが理想です。
仲の良いカップルでも、 「一人の時間が欲しい」と思うことがありますし、 逆に「もっと一緒にいたい」と思うこともあります。
距離感を調整できると、 癒着に縛られずに、心地よい関係を築くことができます。
まとめ
- 癒着とは、人とベッタリくっつきすぎる関係
- 親子関係での距離感が、恋愛や友人関係にも影響を与える
- 癒着は「近すぎる」だけでなく「遠すぎる」形でも表れる
- 自分と相手を分けて考えることで、健全な距離感を作れる
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