誰とも結婚しないかもしれない私へ——今の人生を否定しなくていい理由

一人で過ごす時間を楽しみながら、結婚しないかもしれない人生について考える女性 恋愛・夫婦関係

最近、夜に観ていた海外ドラマの中で、ふと気づいたことがありました。

登場人物たちの中に、いわゆる「結婚した男女の夫婦」がほとんど出てこないのです。

未婚のカップル。

同性同士のパートナー。

それぞれの生活を持ちながら、会いたいときに会う二人。

家族という形にはなっていなくても、深く支え合っている人たち。

関係の形はさまざまですが、みんな自分なりの方法で恋をし、誰かとつながりながら生きています。

誰もが「早く結婚しなければ」と焦っているわけでもありません。

それを見ながら、

「人と一緒に生きる形は、もっと自由でいいのかもしれない」

と思いました。

結婚を望む気持ちも、誰かと深くつながりたいという願いも、大切なものです。

ただ、「結婚していない私は、どこか足りない」と感じることで、今の暮らしやこれまでの人生まで否定してしまうとしたら、それは少し苦しいことだと思うのです。

この記事では、「私は誰とも結婚しないかもしれない」と思ったときに出てくる不安と、結婚の有無だけで自分の人生を判断しなくてもよい理由について書いていきます。

「結婚していない私は、まだ途中」という感覚

大人になったら、いつか結婚する。

結婚して家庭を持つことで、一人前になる。

そんな前提が、以前は今よりも強くあったように思います。

「結婚しないの?」

「いい人はいないの?」

「一人では寂しいでしょう」

直接言われた経験がなくても、テレビや雑誌、家族の会話、周囲の生き方を通して、

「いずれ結婚するものなのだ」

という感覚を持つことはあります。

私自身は、若い頃に結婚しました。

自分で選んだ結婚でしたし、その時期の生活や関係の中には、幸せだった時間もあります。

そして今は、長くシングルでいます。

年齢的にもシングル歴としても、誰かから「結婚しないの?」と聞かれることは、ほとんどなくなりました。

ある意味、とても自由です。

朝起きたときの気分で、その日の予定を決められる。

疲れている日は、誰とも話さずに過ごせる。

自分の好きなことに、好きなだけ時間を使える。

家の中の静けさも、自分のペースで暮らせる気楽さも、私は心地よいと感じています。

これは、誰かと暮らす幸せが手に入らなかった代わりではありません。

一人で暮らすからこそ感じられる、別の種類の心地よさです。

結婚しているかどうかよりも、今の自分の暮らしにどれくらい納得しているか。

その方が、人生の満足感には大きく関わっているのではないかと思うようになりました。

結婚したい気持ちと、将来への不安を分けてみる

「結婚した方がいいのかな」

「そろそろ真剣に考えた方がいいのかもしれない」

そんな思いが浮かぶとき、結婚したい気持ちと将来への不安が一緒になっていることがあります。

誰かと生活をつくっていきたい。

法的にも家族になりたい。

安心できる相手と、これからを過ごしたい。

そう願うこともあります。

一方で、

「病気になったとき、一人だったらどうしよう」

「老後に頼れる人がいなかったら困る」

「このまま誰にも必要とされなくなるのではないか」

という不安から、結婚を考えることもあります。

もちろん、どちらか一方だけとは限りません。

誰かと暮らしたい気持ちと、一人で年齢を重ねる怖さが同時にある人もいます。

大切なのは、結婚したい気持ちを疑うことではありません。

自分が何を望んでいて、何を心配しているのかを分けて考えてみることです。

たとえば、

「結婚したい」の中に、

「毎日の出来事を話せる相手がほしい」

「自分のことを気にかけてくれる人がほしい」

「これからの生活を一人で考え続けることに疲れた」

という思いが入っていることがあります。

それがわかれば、自分が本当に求めている関係も見えやすくなります。

結婚という形が必要なのか。

生活は別々でも、深くつながれる相手がほしいのか。

友人や家族との関係を、もっと大切にしたいのか。

答えは、人によって違います。

「結婚していない」が「選ばれなかった」に変わるとき

結婚していないことが苦しくなるのは、一人で暮らしている事実そのものよりも、そこに別の意味が加わったときです。

「私は誰にも選ばれなかった」

「人として何か足りないのではないか」

「この年齢まで、何をしてきたのだろう」

「周りは人生を進めているのに、私だけ止まっている」

結婚していないという現在の状況が、自分の価値を表す証拠のように感じられてしまうのです。

けれども、結婚したかどうかと、人として愛される価値があるかどうかは、同じ話ではありません。

結婚していない理由は、一つではありません。

仕事や家族のことを優先してきた人もいます。

誰かと付き合ったけれど、結婚には至らなかった人もいます。

自分に合わない相手と無理に進むことを選ばなかった人もいます。

傷ついた経験から、人との距離を取っていた時期がある人もいるでしょう。

出会いを求めていたけれど、思うような関係に巡り合わなかった人もいます。

結婚しなかったことを、すべて自分の力不足として受け取る必要はありません。

ただ、過去に誰かから選ばれなかった痛みや、大切にされなかった寂しさが残っていると、「結婚していない」という現実が、その傷を刺激することがあります。

本当に苦しいのは、結婚していないことよりも、

「私は誰にも選ばれない人なのかもしれない」

と感じることなのかもしれません。

「結婚しないことを選んだ」と言い切れない人もいる

「結婚しない人生も一つの選択です」

そう言われても、すっきりしない人もいるでしょう。

自分から積極的に、結婚しない道を選んだわけではない。

結婚を望んだこともある。

今も、よい相手と出会えたら結婚したいと思っている。

けれども、現時点では結婚していない。

そんな人にとって、「選ばない人生」という言葉は、ちょっと違うなと感じることがあります。

人生は、いつも決めた通りに進むものではありません。

選んだこともあれば、選べなかったこともあります。

迷っているうちに時間が過ぎたこともあるでしょう。

自分で決めたというより、さまざまな出来事の結果として、今の場所に立っていることもあります。

だから、今すぐ、

「私は結婚しない」

と決める必要はありません。

同じように、

「いつか必ず結婚する」

と決めなくてもよいのです。

これから気持ちが変わることもあります。

新しい出会いがあるかもしれません。

一人の暮らしが、ますます自分に合っていると感じるかもしれません。

今はまだ決められないという状態も、一つの現在地です。

一人の将来が不安になるのは、社会の価値観だけではない

結婚していないことへの不安には、周囲の価値観や比較が影響することがあります。

「大人になったら結婚するもの」

「一人暮らしは寂しいもの」

「家族がいない老後は不幸になる」

そんなイメージを繰り返し見聞きしていると、実際には困っていなくても、

「このままでいいのだろうか」

と思いやすくなります。

ただし、不安のすべてが社会から植えつけられたものとは限りません。

年齢を重ねれば、健康、お金、住まい、緊急時の連絡先など、現実的に考えた方がよいことも出てきます。

一人で暮らしていくなら、準備が必要なこともあります。

その不安まで、

「気にしすぎ」

「周りと比べているだけ」

と片づける必要はありません。

大切なのは、不安をすべて「結婚していないから」とまとめないことです。

老後のお金が心配なら、必要なのは結婚相手を探すことより、収入や支出、貯蓄を確認することかもしれません。

病気になったときが心配なら、医療や地域の支援、友人とのつながりについて調べることもできます。

寂しさが怖いなら、結婚するかどうかだけでなく、今ある人間関係をどのように育てていくかを考えることもできます。

結婚は、将来の不安をすべて解決する仕組みではありません。

結婚していても、病気やお金、孤独の問題に直面することはあります。

自分が何を怖がっているのかがわかれば、結婚以外にもできることが見えてきます。

誰かと暮らさなくても、人生は豊かにできる

一人で暮らす人生というと、何かを諦めた姿を思い浮かべる人もいるかもしれません。

けれども、一人で暮らすことと、誰ともつながらずに生きることは同じではありません。

心が通う友人がいる。

困ったときに連絡できる人がいる。

夢中になれる仕事や趣味がある。

安心して過ごせる住まいがある。

誰かの役に立てたと感じる時間がある。

そうしたものも、人生を支える大切なつながりです。

長年の友人と、気ままに出かける。

一人で好きな場所へ行く。

疲れている日は、予定を入れずに過ごす。

誰にも合わせず、朝の時間をゆっくり使う。

誰かと暮らしているから得られるにぎやかさとは違う、静かな豊かさがあります。

もちろん、一人の時間が好きでも、ふと寂しくなる夜はあります。

誰かと一緒に食事をしたい日もあるでしょう。

一人でいたい気持ちと、誰かとつながりたい気持ちは、どちらか一つに決めなくてもよいのです。

人との関係は、結婚か孤独かという二つだけではありません。

友人、家族、恋人、仕事仲間、地域の人。

一緒に暮らさなくても、大切に育てていける関係があります。

今の暮らしを「仮の人生」にしない

いつか結婚するかもしれない。

いつか誰かと暮らすかもしれない。

そう思っていると、今の一人暮らしを、次の生活が始まるまでの仮の時間のように扱ってしまうことがあります。

部屋を整えるのは、いつかでいい。

やりたいことは、誰かと出会ってから。

本当に好きな暮らしは、将来つくればいい。

けれども、今過ごしている時間も、自分の人生です。

結婚するかどうかが決まっていなくても、今の自分が心地よく暮らせるようにしてよいのです。

自分が好きな家具を選ぶ。

行ってみたい場所に行く。

一人では入りにくいと思っていた店にも行ってみる。

安心できる人との関係を大切にする。

将来が決まるまで待たずに、今の暮らしを育てていく。

その時間は、将来結婚することになったとしても、無駄にはなりません。

自分が何を心地よいと感じ、どのような関係を望んでいるかを知ることにつながるからです。

結婚してもしなくても、自分の人生は続いていく

結婚したいと思うこともある。

一人でいる方が落ち着くと思うこともある。

誰かと暮らす未来を想像する日もあれば、このままでも悪くないと思える日もある。

気持ちが揺れることはあります。

そのたびに、答えを一つに決めなくてもよいのだと思います。

大切なのは、結婚しているかどうかだけで、自分の人生を採点しないことです。

誰かに選ばれたから、価値がある。

結婚していないから、何かが足りない。

そんなふうに考え始めると、今すでに持っているものが見えなくなります。

自分が心地よく過ごせる時間。

安心して話せる人。

これからやってみたいこと。

これまで築いてきた仕事や関係。

そうした一つひとつも、自分の人生をつくっています。

結婚する人生にも、結婚しない人生にも、喜びと寂しさがあります。

誰かと一緒にいても、一人になる時間はあります。

一人で暮らしていても、人と深くつながることはできます。

今の時点で答えが出ていなくても、自分の人生まで保留にする必要はありません。

「この人生で、私は何を大切にしたいのだろう」

「どのような時間を、心地よいと感じるのだろう」

「誰と、どのような距離で関わっていきたいのだろう」

結婚するかどうかだけではなく、そんな視点からこれからを考えてみる。

そこから、自分に合った人生の形が見えてくることがあります。

結婚してもしなくても、今の人生は自分のものです。

そして、これから気持ちが変わることも含めて、自分に合う暮らしや関係を選び直していくことができます。

結婚していないことが、自分の価値や人生の遅れを表しているように感じるときには、現在の暮らしだけを考えても、不安が消えないことがあります。

カウンセリングでは、「誰にも選ばれなかったように感じる気持ち」や、周囲と違う人生を歩くことへの怖さを整理しながら、自分が本当に望んでいる関係や暮らしについて見ていきます。

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