あの時知りたかった心理学シリーズ第21:子供時代の誤解が人生をこじらせる

子供が一人で落ち込んでいる様子 オススメ記事
小さな誤解が、大人になってからの生き方を左右することも

私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの問題に隠れている心理を、わかりやすくお伝えするシリーズです。


子供時代は些細なことで傷ついてしまう

前回、大人がグレる話を書きましたが、今回は「子供時代にどうやって傷ついちゃうのか?」というお話を。

私の子供時代、思わぬ出来事でハートブレイクしたエピソードをひとつ、ご紹介します。


無口すぎる父と私

私には2歳年上の兄がおります。そして、我が父は恐ろしく無口な男でした。

父ときちんと会話らしい会話をしたのは、私に子供が生まれてから。それまでは、父と話した記憶がほぼありません。

子供時代、私と父との会話といえば…

  • 「ごはん、できたよ~!」(母に呼びに行かされる)
  • 「電話やよ~!」(携帯なんて影も形もない時代)
  • 「お風呂沸いたよ~!」(父が入らないと夕飯が始まらない)

この3つくらい。しかも、父の返事は決まって「ん」の一言。会話になってません。

ある時、母に言われるがまま、父と二人きりで車に乗せられたことがあります。片道1時間の無言ドライブ。お昼になり、父が気をきかせたのか、うどん屋に入りました。

そして、無言でうどんを食べました。

そして、また無言で1時間ドライブ。

小2の私、

  • 父:鍋焼きうどん
  • 私:きつねうどん

黙ってるのって、つらいよねぇ…。


事件発生!

ある日、父と兄と私の3人で、裏山へ石を取りに行った時のこと。我が家の庭に置く石を軽トラック「ミゼット」に積み込みました。帰る頃には荷台はパンパン。

ところが!

帰宅途中、家の前の急坂で、まさかのブレーキが効かない事態発生!

暴走するミゼット!!

父、叫ぶ!

「飛び降りろっ!!」

…え?

「ん」しか言わない父が、こんなにハッキリ言葉を発するなんて!と、呑気に感心したのも束の間。

父と兄、飛び降りる。

私は…

飛び降りられない!!

なぜなら、

  • 父(運転席)
  • 私(真ん中)
  • 兄(助手席)

ドア側の2人は飛び降りられるけど、真ん中の私は無理!!

小1の私、呆然。

「え、私見捨てられた…?」


幼少期のハートブレイク

暴走する軽トラに取り残された私は、心の中で大絶叫。

「父と兄に見捨てられたーーーー!!!」

そんな間にも、車はどんどん坂を下っていきます。

このまま行けば交差点に突っ込み、その先にはさらに急な坂道と民家。

「ヤバい!本当に死ぬかも!」

すると!

父が罪悪感に駆られたのか、車の横を全力疾走!

開いていた運転席のドアからハンドルをつかみ、

「えいっ!!!」

と、おもいっきり右にハンドルを切る!

ガッシャーーン!!!

車、道路脇の溝に突っ込んで停止。

ホッとする間もなく、父が私に一言。

「どうして飛び降りなかった!!」

私、

「……」

小1に、それは無茶ってもんですよ、父さん。

でも、当時の私は、

「飛び降りなかった私が悪いんだ…!」 「迷惑かけちゃった…!」 「兄はちゃんと飛び降りたのに、私は鈍いんだ…!」

と、思いっきりハートブレイクしてしまったのでした。


これ、完全に誤解でした

大人になって冷静に考えると、これは完全に誤解だったと分かります。

  • 兄は小3で精一杯だった。
  • 父は「娘も飛び降りる」と思い込んでいただけ。
  • そして父も「娘を抱えて飛び降りるべきだった」と罪悪感を抱えていた。

罪悪感って、自分を責めて、最終的に相手を責めちゃうんですよね。

「どうして飛び降りなかった!」の言葉の裏には、父自身の後悔が詰まっていたのでした。

でも、当時の私はそんなこと知る由もなく、「見捨てられた」と傷ついたわけです。


幼少期の傷が人生に影響する

この時のハートブレイクが、その後の私の人生にどう影響したかというと…

  • 「見捨てられた私なんて、その程度」と無価値感を抱く。
  • 「迷惑かけた!もう二度と人に迷惑かけない!」と、役立つ人間になろうとする。

結果、

  • 必要以上に頑張る。
  • 「価値ある人間」と思われたくて、無理をする。
  • もしくは、「どうせ私なんて…」と、どん底へ。

つまり、ウルトラマンの着ぐるみを着て、「役立つ人間にならなきゃ!」と奮闘する羽目になるのです。

…幼少期の誤解、なかなかあなどれません。


まとめ

子供は、ちょっとした出来事を「自分のせいだ!」と誤解して、深く傷ついてしまいます。

でも、その誤解が、知らぬ間に大人になった自分の行動を左右していることも。

もしあなたにも「なぜか繰り返してしまうパターン」があるなら、

「それ、子供時代の誤解じゃない?」

と、自分に問いかけてみるといいかもしれません。

意外と、そこに大きなヒントが隠れているかもしれませんよ。


この記事は、旧ブログに掲載していた内容を元に加筆修正したものです。内容を整理し新しいブログへ移行しました。

タイトルとURLをコピーしました