私と元パートナーである困ったちゃんとの、様々なエピソードをご紹介しつつ、浮気などの問題に隠れている心理を、わかりやすくお伝えするシリーズです。
子供時代は些細なことで傷ついてしまう
前回、大人がグレる話を書きましたが、今回は「子供時代にどうやって傷ついちゃうのか?」というお話を。
私の子供時代、思わぬ出来事でハートブレイクしたエピソードをひとつ、ご紹介します。
無口すぎる父と私
私には2歳年上の兄がおります。そして、我が父は恐ろしく無口な男でした。
父ときちんと会話らしい会話をしたのは、私に子供が生まれてから。それまでは、父と話した記憶がほぼありません。
子供時代、私と父との会話といえば…
- 「ごはん、できたよ~!」(母に呼びに行かされる)
- 「電話やよ~!」(携帯なんて影も形もない時代)
- 「お風呂沸いたよ~!」(父が入らないと夕飯が始まらない)
この3つくらい。しかも、父の返事は決まって「ん」の一言。会話になってません。
ある時、母に言われるがまま、父と二人きりで車に乗せられたことがあります。片道1時間の無言ドライブ。お昼になり、父が気をきかせたのか、うどん屋に入りました。
そして、無言でうどんを食べました。
そして、また無言で1時間ドライブ。
小2の私、
- 父:鍋焼きうどん
- 私:きつねうどん
黙ってるのって、つらいよねぇ…。
事件発生!
ある日、父と兄と私の3人で、裏山へ石を取りに行った時のこと。我が家の庭に置く石を軽トラック「ミゼット」に積み込みました。帰る頃には荷台はパンパン。
ところが!
帰宅途中、家の前の急坂で、まさかのブレーキが効かない事態発生!
暴走するミゼット!!
父、叫ぶ!
「飛び降りろっ!!」
…え?
「ん」しか言わない父が、こんなにハッキリ言葉を発するなんて!と、呑気に感心したのも束の間。
父と兄、飛び降りる。
私は…
飛び降りられない!!
なぜなら、
- 父(運転席)
- 私(真ん中)
- 兄(助手席)
ドア側の2人は飛び降りられるけど、真ん中の私は無理!!
小1の私、呆然。
「え、私見捨てられた…?」
幼少期のハートブレイク
暴走する軽トラに取り残された私は、心の中で大絶叫。
「父と兄に見捨てられたーーーー!!!」
そんな間にも、車はどんどん坂を下っていきます。
このまま行けば交差点に突っ込み、その先にはさらに急な坂道と民家。
「ヤバい!本当に死ぬかも!」
すると!
父が罪悪感に駆られたのか、車の横を全力疾走!
開いていた運転席のドアからハンドルをつかみ、
「えいっ!!!」
と、おもいっきり右にハンドルを切る!
ガッシャーーン!!!
車、道路脇の溝に突っ込んで停止。
ホッとする間もなく、父が私に一言。
「どうして飛び降りなかった!!」
私、
「……」
小1に、それは無茶ってもんですよ、父さん。
でも、当時の私は、
「飛び降りなかった私が悪いんだ…!」 「迷惑かけちゃった…!」 「兄はちゃんと飛び降りたのに、私は鈍いんだ…!」
と、思いっきりハートブレイクしてしまったのでした。
これ、完全に誤解でした
大人になって冷静に考えると、これは完全に誤解だったと分かります。
- 兄は小3で精一杯だった。
- 父は「娘も飛び降りる」と思い込んでいただけ。
- そして父も「娘を抱えて飛び降りるべきだった」と罪悪感を抱えていた。
罪悪感って、自分を責めて、最終的に相手を責めちゃうんですよね。
「どうして飛び降りなかった!」の言葉の裏には、父自身の後悔が詰まっていたのでした。
でも、当時の私はそんなこと知る由もなく、「見捨てられた」と傷ついたわけです。
幼少期の傷が人生に影響する
この時のハートブレイクが、その後の私の人生にどう影響したかというと…
- 「見捨てられた私なんて、その程度」と無価値感を抱く。
- 「迷惑かけた!もう二度と人に迷惑かけない!」と、役立つ人間になろうとする。
結果、
- 必要以上に頑張る。
- 「価値ある人間」と思われたくて、無理をする。
- もしくは、「どうせ私なんて…」と、どん底へ。
つまり、ウルトラマンの着ぐるみを着て、「役立つ人間にならなきゃ!」と奮闘する羽目になるのです。
…幼少期の誤解、なかなかあなどれません。
まとめ
子供は、ちょっとした出来事を「自分のせいだ!」と誤解して、深く傷ついてしまいます。
でも、その誤解が、知らぬ間に大人になった自分の行動を左右していることも。
もしあなたにも「なぜか繰り返してしまうパターン」があるなら、
「それ、子供時代の誤解じゃない?」
と、自分に問いかけてみるといいかもしれません。
意外と、そこに大きなヒントが隠れているかもしれませんよ。
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