すれ違う二人
結果重視の夫と、途中経過重視の妻とでは、大切にしているポイントが違うので、当然なのかもしれないけれど、お互いが理解できずにすれ違いが起こってしまう。
例えば、夫婦二人の目指すものが、「家族の幸せ」であり、そのために二人ともが「経済的な豊かさ」を目指しているとしましょうね。
わかりやすくするために、今回は目指すものが二人とも同じという設定にしましたが、目指すものが別々の場合や、それを目指す方法も別々の場合は、更にややこしいことになってしまいます。
で、家族の幸せを目指して、夫は経済的な豊かさを手に入れようと、がむしゃらに働いている。
寝る間も惜しみ、休日返上し、家族との時間に見向きもしないで、仕事に没頭する。
全ては、「経済的に豊かになって家族が幸せになるため」で、結果を追い求めるわけです。
この辺り、男性の特徴的なものなのかもしれないですが、結果をひたすら追い求めるわけです。
そのためには努力は惜しまないし、多少の犠牲は仕方ないと思っていたりもします。
結果重視なので、結果を手に入れるための途中経過は犠牲になることが多い。
対して妻側は、「経済的に豊かになって、家族が幸せになる」という目指すところは同じでも、途中経過が重要ですから、例え経済的に豊かになったとしても、その途中で家族一緒に過ごす時間がなくなったり、会話がなくなったりということは、犠牲にすることはできない。
幸せになるための途中経過が大切なので、夫を理解することができなくなってしまう。
妻としては、目指すゴールに二人で一緒に進んでいきたいと思っているのだけれど、夫は、「俺が連れていくぜ!」と意気込んでいたりするので、妻に負担をかけないように涙ぐましい努力をしていたりする。
妻から、「たまには二人で出かけましょう」などと提案されたとしても、「俺には仕事がある」とバッサリ切り捨てちゃったりするのですが、妻としては、途中経過重視なので、「いくら経済的に豊かになったとしても、二人がバラバラなら意味がない」と思ってしまう。
目指すゴールは同じでも・・・
こういうとき、結果重視なのか、途中経過重視なのか、お互いのポイントが違うことを理解しているだけでも、ずいぶん違うものなのですが、それでも女性としては、「一緒に」ということをとても大切にしているので、夫婦のすれ違いには我慢ならなくなってしまうかもしれませんね。
だから、熟年離婚なんてのも登場しちゃうのではないかと、思っちゃうわけです。
夫としても、「こんなに家族の幸せのために頑張っているのに、なんだよ妻は、俺に感謝もしないなんてひどい奴だ」と思っていたりする。
ひたすら結果を追い求めているので、途中の妻の気持ちなど気づきもしないことになる。
途中で「家族の幸せのために、俺必死で頑張っているけれど、たまにはありがとうって言ってもらえるとうれしいな」なんてことを言えればいいですが、そんなカッコ悪いこと言えないと思っているし、なにせ結果重視なので、経済的に豊かになって、「どうだっ!!」と胸を張って言えるその日まで、頑張りぬいてやるとなる。
男性の方がどれくらいこの記事を読んでいただけているのか不明ですが、できればこのようなすれ違いが起こらないように、途中経過にも気を付けていただければありがたい。
何も「役に立ちたい」と思っているのは、男性だけの専売特許ではなく、女性だって「役に立ちたい」わけですから、一人で勝手に結果に向けて頑張らないでもらいたいなと説に願う次第です。
夫が途中経過無視で、突っ走ってしまっていると、妻もついつい「私のことなんてどうでもいいのだ・・・」と落ち込んでしまうものですが、「ん?もしかしたら私のために必死で結果を追い求めているのかもしれないぞ」と考えてみるのもありなのかもですよ。
もし「私のために必死で結果を追い求めている」のだとしたら、少しくらい笑顔を向けてあげられるかもしれないし、少しくらいやさしい言葉をかけてあげられるかもしれない。
そうすると、殺伐とした環境でひたすら結果を追い求めている夫からすると、ホッと一息つける場所が家族の元ということになるので、一緒に過ごす時間も多少は増えるかも?
結果重視と途中経過重視、どちらが正しいということはないかと思います。
でも、仕事など成果が問われる時は結果重視が優先されることが多く、夫婦関係も含め人間関係においては、途中経過が優先されることが多いのかもしれませんね。
「結果を追い求めていたら、家族がいなくなっていた」なんてことがないように。
そして、「途中経過を重視しすぎていたら、いつまでたっても目指すものが手に入らなかった」なんてこともないように、お互いが協力しあえば、途中経過も結果も、よりよいものが、手に入りそうなんですけどね。
ケンカするならとことんまで
そうは言っても、我々は「自分のやり方」にこだわってしまい、「私は悪くない」ということを主張したくなってしまうものなので、やっぱりケンカになっちゃうんですが、そんなとき「二人が目指すもの」を、もう一度思い出せるとケンカも乗り越えられたりします。
どうせケンカするなら、とことんやってみるのもありだと思います。
私たちは、「これ以上近づいたら別れることになってしまうかも」とか「これ以上素直な気持ちを言ったら嫌われてしまうかも」というように、何らかのリスクを察知すると、「もういい!」と心のシャッターを閉じてしまって、コミュニケーションをやめてしまいがちです。
ですが、ここでリスクはあるけれど、「あなたは仕事ばかりで、私たち家族のことはどうでもいいと思っているのかもしれないと考えると、つらくて仕方ないのよ!こんなこと言ったら嫌われると思って言えなかったけど、もっとあなたと一緒の時間を過ごしたいのよ!!」なんて言えるといいのかも?
そんな長文無理!ならば、「腹が立つけど、あなたと一緒にいたい!」という短文もありかもです。
長文でも短文でも、はずかしかったり、別れることになったり、嫌われたりするのが怖くて言えなかった言葉を、伝えるのは相当な勇気が必要ですが、やってみる価値はあるかもしれませんね。