許しとは何か?
誰かに恨みや怒りを感じているとき、私たちは決して幸せではありません。「許してみましょう」と言われても、「そんな簡単に許せるわけがない!」と感じるのが普通です。
許しとは、相手の行為をよしとすることでも、社会的なルール違反を見逃すことでもありません。許しとは「こだわり続けることをやめること」なのです。
許さないことで苦しむのは自分
「あの人が許せない!」、「あの人さえいなければ…」と思い続けることは、過去にとらわれ続けることになります。とても傷つき、悲しく、悔しかったかもしれません。しかし、許さないということは、自ら過去の傷を何度も引っかき続けて、血を流し続けるようなものです。
「傷を治してしまったら、あの人のしたことがなかったことになってしまう!」と感じるかもしれませんが、実際には、許さないことで傷つき続けるのは自分自身です。そして、あなたを傷つけた人は、あなたの苦しみを知らず、何の影響も受けません。つまり、許さないことで損をするのは、あなたなのです。
許しとは自分のためにするもの
許しとは、相手のためにするものではなく、自分のためにするものです。過去にとらわれ、怒りや悲しみに支配されてしまうと、現在や未来を楽しむことができなくなります。
例えば、あなたをひどく傷つけた人がいたとしましょう。怒るのは当然ですが、その怒りをずっと抱えていても、その人が傷を癒してくれるわけではありません。むしろ、あなた自身が自分の傷を癒し、未来に進むために許しが必要なのです。
許しとは「自分に許可を与える」こと
許しにはもう一つ大切な意味があります。それは、「自分に許可を与える」ことです。
・自分が優しい人になることを許可する。 ・自分が過去の出来事から自由になることを許可する。 ・自分が幸せになることを許可する。
例えば、「私はもう怒らなくていい」、「私は自分の人生を楽しんでいい」と、自分に許可を与えることが、許しの第一歩になります。
また、「優しい人になることを自分に許可する」ことは、「自分に優しい人を許可する」ことにもつながります。自分自身が優しさを受け入れることで、周囲にも優しさを広げていくことができるのです。
まずは自分を癒すことから
許せない人がいるとき、あなたはとても傷ついている状態です。そんなときに「許さなければ」と無理に思う必要はありません。
大切なのは、まず自分の心の傷を癒すこと。怒りや悲しみをしっかり受け止めた上で、「もうこの傷に支配されなくてもいい」と、自分に許可を与えてあげてください。
許しとは、あなたの人生をより良くするためにするものなのです。
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