「姫になりたい」と願ったはずなのに、なぜかうまく“守られる”ことができない。
甘えるのも、頼るのも、どこか不器用でぎこちない——
そんな自立系ナイト女性たちが、
目指すべきは「姫」ではなく、「クイーン」なのかもしれません。
今回は、“戦う女”から“自分の人生を愛せる女”へと変わっていく心のプロセスを、
少し笑えて、でもちょっと刺さる感じで心理学的に解説していきます。
“姫になりたい”けど、“姫になれない”と感じていた理由
「守られたい」「甘やかされたい」
そんな気持ちを、心のどこかでこっそり抱えていた。
けれど実際に誰かに優しくされると、なんだか落ち着かない。
「私がこれを受け取っていいの?」「ちゃんとお返ししなきゃ」
そんな気持ちが先に立ってしまう——
それは、長く“戦ってきた”女性たちにとっては、よくあることです。
たとえば幼い頃、「しっかりしなさい」と言われ続けた人。
家族の中で“がんばる役”を任されてきた人。
期待に応えてきた人、頼られてきた人、我慢を美徳として育ってきた人——
そういう人たちは、「受け取る」ことより「差し出す」ことに慣れています。
“姫”になるには、受け取ることが必要。
でも、ナイトとして生きてきた人にとって、それは未知の領域なんです。
「姫=弱い」「姫=受け身」そんな誤解がある
「姫になりたい」と思っていたはずなのに、
いざ“姫っぽく”振る舞ってみると、なんだかザワザワする。
その理由のひとつは、心のどこかで「姫=弱くて、何もできない存在」だと思い込んでいるからです。
たとえば——
・誰かに荷物を持ってもらうと、「自分で持てるし」と思ってしまう
・「かわいいね」と言われると、なんだか“軽く見られてる”気がしてしまう
・頼るより、頼られる方がラク(むしろ安心する)
それって、“姫”という存在に対して、ちょっと偏ったイメージを持っているサインでもあります。
目指すべきは「自分の意志を持った姫」=クイーン
ここで提案したいのが、「姫」じゃなくて「クイーン」を目指すという選択です。
クイーンは、誰かに守ってもらうだけの存在じゃありません。
ちゃんと自分の意志があり、自分の世界を持ち、でも“助けを受け取ること”もできる人。
ナイトのように戦いすぎず、姫のように受け身すぎず。
その中間で、「自分の感情」と「人とのつながり」のバランスを取れる人。
それが、“クイーン”という在り方なのです。
クイーンの資質①:「自分の気持ち」にちゃんと気づける
ナイト時代の私たちは、
“感情は戦場では不要”という美学を持っていました。
「泣いてるヒマがあったら動け」
「不安なんて、気合いでねじ伏せろ」
「感情?それ、食べられるの?」みたいな。
でもクイーンは違います。
クイーンは、自分の感情を“情報”としてちゃんと受け取ります。
たとえば——
- 「今、悲しい」と気づける=自分が何を大切にしているのか分かる
- 「今、怒っている」と気づける=自分の境界線を超えられたサインに気づける
- 「今、不安だな」と思える=慎重に進みたい場面だと分かる
🎯心理的には
これは内省(self-awareness)の力が育っている証拠。
自分の感情に気づくことで、
“自分の本音”に沿った行動ができるようになります。
感情に振り回されるんじゃなくて、感情をナビゲーションに使えるようになる。
それが、クイーンのしなやかな強さのひとつです。
クイーンの資質②:「私はどうしたい?」と選ぶスタンス
ナイト時代は、反射神経が命でした。
誰かの困り顔→「大丈夫?」
職場の緊急事態→「私がやります!」
友達のドタキャン→「むしろありがとう(疲れてたし)」
…そう、すべては“即応モード”。
でもクイーンは違います。
何かを選ぶとき、まず一度、こう問いかけるのです。
「私は、どうしたい?」
この問いかけが、
“反応するナイト”から、“主権を持つクイーン”へと変化していく大きなカギになります。
🎯心理的には
これは「主語の回復」——つまり、自分の人生の軸を他人から自分へ戻すプロセスです。
自分の気持ち・価値観・状態を確認してから動くから、
「引き受けたけどモヤモヤ」「やったけど後悔」みたいな空回りが減っていきます。
クイーンは、行動の前に“自分に立ち返る”習慣を持っているのです。
クイーンの資質③:「受け取ることは、信頼すること」
ナイト時代、受け取りはちょっと苦手でした。
何かをしてもらったとき、
つい「悪いから…」「なんか申し訳ない…」って、
“感謝”より先に“恐縮”が出るクセ、ありませんでしたか?
でもクイーンは、「ありがとう♡」で終わります。
「わー、うれしい♡」で受け取ります。
これ、簡単そうで、意外と難しい。
なぜなら、受け取る=心を開くこと=相手を信じることだからです。
🎯心理的には
これは「他者信頼感」+「自己肯定感」の合わせ技。
自分は愛されてもいい存在だと信じているから、
好意や親切を“遠慮なく、でも感謝を持って”受け取れる。
クイーンの魅力は、受け取ることを「弱さ」ではなく、「豊かさ」に変えるところにあります。
クイーンの資質④:「完璧であること」より、「自分であること」
最後に大事なことをひとつ。
クイーンって、めちゃくちゃ完璧な人…ではありません。
むしろ、ちょっと抜けてるくらいがちょうどいいのです。
- パジャマ裏表で寝ちゃう日もある
- メール返し忘れることもある
- ときどき「もう無理」って泣いちゃう夜もある
でも、そんな自分をダメとは思わない。
むしろ、「あー、今日も人間だった♡」くらいに受け止める。
🎯心理的には
これは「自己受容」。
ありのままの自分を、そのまま肯定する力です。
自分を否定せず、失敗しても戻ってこれる心の安全基地を、自分の中に持っている。
それがクイーンの“しなやかな強さ”の根っこなのです。
クイーンとして生きるということ
クイーンになるというのは、
誰かに選ばれる存在になることでも、
王冠をかぶって上から指示を出すことでもありません。
それは、自分の人生に責任を持つということ。
同時に、人を信じ、受け取り、委ねる力を持つということ。
ナイトからクイーンへ
ナイトとして長く戦ってきたあなたは、
きっと多くの人を守ってきたはずです。
でも、もうひとり——
「あなた自身」のことも、
これからはちゃんと守ってあげてもいい。
そして守るだけじゃなくて、
幸せを“受け取る側”にも回っていいのです。
姫にはなれなかったわけじゃない。クイーンを選んだのかもしれない。
かつて「お姫様みたいに愛されたい」と願ったことがある人も、
いざ誰かに大事にされそうになると、どこかムズムズしてしまう。
「そんな扱い、慣れてないし」
「これ、照れてるんじゃなくて、警戒してるかも…?」
——そんな自分にがっかりしたこと、ありませんか?
でも実はそれ、“姫になれなかった”んじゃなくて、“姫でいることを選ばなかった”のかもしれません。
姫は、誰かに守られることが前提の存在。
でもクイーンは、自分で選び、自分で立ち、自分の価値を知っている。
クイーンというのは、
「誰かに愛される私」ではなく、
「私が愛せる私」になっていくプロセスでもあるのです。
クイーンは、強くて優しい
クイーンは、完全無欠じゃなくていい。
強くありながら、ちゃんと人に頼れる。
自分を信じながら、他人も信じられる。
何でもできるわけじゃないけれど、
“できない自分”にも笑って手を振れる人です。
そんなクイーンとして、あなたが自分の人生を堂々と歩き出すとき——
不思議なことに、世界もあなたに合わせて変わっていくはず。
かつてナイトだったあなたが、
鎧を脱いで、剣を置いて、
美しくまっすぐに立ち上がるとき。その姿こそが、“クイーン”の本質なのです。
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