罪悪感が引き起こす潜在的な心の反応とその解消法

心の葛藤を象徴するイメージ 心理学の基礎
罪悪感を感じる心の葛藤を解消し、前に進むためのアプローチ

私たちは、潜在的に罪悪感という罪の意識をどうも持っているようで、誰にも何も言われていないにも関わらず、『私が悪いと言われている』『私のせいでこうなったのだ』と、関係ないのに罪の意識を持ってしまうことが多いものなのです。

つい言ってしまうこの言葉

例えば、パートナーの浮気が発覚した!というような大事件があったとき。
浮気された側の彼女や、奥さまが、つい口にしてしまうセリフがあります。

それは・・・

『いったい、私が何をしたって言うのよ!』

この『いったい、私が何をしたって言うのよ!』というのは、誰かに『あなたがあんなことするから浮気したのよ』なんて言われたわけじゃないのに、心のどこかで『私が悪いことをしちゃったバツとして、浮気というとってもひどいことをされてしまったのだ』と感じているということ。

浮気された側であり、彼や夫の浮気が発覚したわけなので、立場としては被害者になるのですが、どこかで『私が悪いことをしちゃった罰だ』と思っているなんて不思議な話しですよね。

他にも、彼女や奥さんのご機嫌が悪いと、『やばいっ!俺のせいだ』と思う男性というのもあります。

彼女や奥さんは、ただ機嫌が悪いだけ。
友だちとケンカして機嫌が悪いのかもしれないし、寝不足で機嫌が悪いのかもしれない。
誰に何を言われたわけでもないのに、『やばいっ!俺のせいだ』と思うのは、やっぱり潜在的に罪悪感を持っているからなのです。

他にもこんなのもあります。

友だちが、『あれ?ここに置いていたはずなんだけどな』と、机の上に置いておいたはずの書類を探している。
『私じゃないよ』とか『俺は知らないぞ』と言ってしまう。
これも、誰かが『あなたが別の場所に移動させたのだな!』『あなた以外に書類を移動させる人はいないはずだ!』とドラマの探偵のようなセリフを言っているわけではないのです。
ただ友だちは、『あれ?ここに置いていたはずなんだけどな』と言っているだけなのに、潜在的に持っている罪悪感が騒ぎ出してしまった人は、つい『私じゃないよ』『俺は知らないぞ』と言ってしまうのです。

やれるのにやらなかったことがある?

最初に例に出した浮気されてしまった女性の場合なんかは、どこかで『もっとやさしくしてあげられたはず』『もっと愛せたはず』という罪悪感を潜在的に持っているはずです。

実際に、やさしくなかったかというとそうではないでしょうし、実際に愛していなかったのかというとそうではないと思います。
でも、もしかしたらちょっと手を抜いてしまったことがあったかもしれないですし、愛するよりも愛してもらおうとすることが多かったのかもしれない。
そのことに罪悪感を持っているからこそ、つい『いったい私が何をしたって言うのよ!』という言葉が、誰も何も言っていないのに飛び出してしまうのです。

彼女や奥さんの機嫌が悪いと、『やばいっ!俺のせいだ!』と思ってしまう男性の場合も、彼女や奥さんに対して、もっとできることがあるにも関わらずやっていなかったり、手を抜いていたりすることで、罪悪感を持っていたりすると、誰にも何も言わていていなし、まったく関係のないことなのに、『やばいっ!俺のせいだ!』とつい思ってしまうのです。

友だちが、『あれ?ここに置いていたはずなんだけどな』と言っただけで、『私じゃない』『俺は知らない』と言ってしまうのは、やっぱり潜在的に何らかの罪悪感を持っているから。
もし潜在的に罪悪感を持っていないのであれば、友だちが『あれ?ここに置いていたはずなんだけどな』と言って書類を探し始めても、『一緒に探そうか?』とか、『そうなんだ。どうしたんだろうね?』となるはずなんですよね。

つい『いったい、私が何をしたって言うのよ!』『やばいっ!俺のせいだ!』『私じゃない』『俺は知らない』と言ってしまう場合、罪悪感を持っているから、その人が悪い人だということではありません。
もしかしたら、自分でも気づいていない部分で、罪悪感を持っているかもしれませんよということ。

罪悪感というのは、『悪いことをしてしまった!』というときに持つものだけではありません。
というより、罪悪感の大半は『やれるのにやっていない罪悪感』だと言われています。
ですから、自分でも気づいていないけれど、つい『いったい、私が何をしたって言うのよ!』『やばいっ!俺のせいだ!』『私じゃない』『俺は知らない』言ってしまっているなというときは、『やれるのにやっていないことって何かな?』と考え、そのやれるのにやっていないことをやってみることが大切。

やってみることで、潜在的に持っていた罪悪感がなくなりますから、ずいぶん楽になりますし、なんでもかんでも『私のせいだ』と思わなくてすむようになりますよ。

とは言っても、私たちはそもそも罪悪感が大好きなようなので、ついつい罪悪感を持つようなことばかりしちゃったり、自ら率先して罪悪感を持てるような物事の見方、解釈をしてしまうことが多いんですけどね。

罪悪感があると、自分を罪人のように扱ってしまうので、幸せになりづらいですし、自分よりも悪い人を探したくなるので、人の悪い部分ばかり見てしまうようにもなります。
他にも罪悪感によって引き起こされる問題があって、極端な話し、全ての問題に罪悪感あり状態なんですよね。

思わず自分の口から飛び出してくる言葉をチェックしてみると、自分の罪悪感度合いがわかるかもしれませんよ。

タイトルとURLをコピーしました