補償行為とは?
補償行為とは、何かを補うために無意識に行ってしまう行動のことです。 「罪を補う」「足りないものを埋め合わせる」といった心理から生じるもので、 自分に対して「これをするから許してね」と言い訳するような行動ともいえます。
補償行為の具体例
- 浮気をしてしまった場合
- 奥さんにはバレていないけど、心が痛む……。
- →「よしっ!寿司でも買って帰るか!」
- 自信がないと感じる場合
- 「私なんて何の取り柄もないし……」と彼に申し訳ない気がする。
- →「よしっ!彼にはいつも笑顔で接しよう!」
- 両親に申し訳ないと感じる場合
- 「最近、実家に帰ってないなぁ……」
- →「よしっ!隣のおじさんとおばさんに優しくしよう!」
- 仕事で成果が出せないと感じる場合
- 「このままでは“できない奴”だと思われる……」
- →「よしっ!残業をいっぱいしよう!」
こういった行動は、罪悪感や不足感を埋めるために無意識に行われるものですが、実は根本的な解決にはなっていません。
補償行為の特徴と問題点
補償行為には、次のような特徴があります。
- 心の底から嬉しくない
- 例えば、寿司を買って帰ったとしても、奥さんが喜んでくれても、「バレなくてよかった」とホッとするだけ。
- 本当の意味での幸福感や満足感を得られない。
- メリットがない
- 頑張っているのに達成感がない。
- 彼が優しくしてくれても、気持ちを素直に受け取れない。
- 「何かうまくいかない……」とモヤモヤし続ける。
- 不安や恐れがつきまとう
- 「いつかバレるかもしれない」という不安が消えない。
- 「自分はダメな人間かもしれない」という無価値感が強くなる。
補償行為をやめるためには?
行動の動機を変える
補償行為は「何かを埋めるため」に行われることが多いですが、 これを「自分が本当にしたいから」に変えるだけで、大きな違いが生まれます。
✅ 「罪悪感をなくすため」ではなく「相手を喜ばせたいから」
✅ 「できない自分を隠すため」ではなく「この仕事が好きだからやりたい」
このように、動機をポジティブなものに変えることで、 行動に対する満足感や達成感を得られるようになります。
自分の罪悪感や無価値感に気づく
どうしても補償行為をやめられない場合、 あなたの中に「根深い罪悪感」や「無価値感」があるのかもしれません。
- 「本当の私は愛される価値がない」
- 「努力しないと認められない」
- 「自分は何かが足りていない」
こうした考えがあると、無意識のうちに補償行為を繰り返してしまいます。
自分を許すことから始める
罪悪感や無価値感が強いと、「自分には何かが足りない」と思い込みがちです。
でも、本当は「そのままの自分でも大丈夫」なのです。
✅ 自分を許す練習をする
✅ 「足りない」と思うことではなく、「すでに持っているもの」に目を向ける
✅ 誰かと比べるのをやめる
このような小さな意識の変化が、補償行為を手放す第一歩になります。
まとめ
補償行為は、一見すると「良い行動」のように見えますが、 実は罪悪感や無価値感からくる「埋め合わせ」にすぎません。
本当に満たされるためには、罪悪感を手放し、 「誰かのためにしたいからやる」行動に変えていくことが大切です。
まずは、自分がどんな補償行為をしているか気づくことから始めてみましょう。
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