12月になると、なんとなく心が落ち着かない──そんな感覚が生まれる方は多いものです。
予定が増えているわけではないのに、
気持ちがザワザワしたり、息が浅くなったり、
いつもより人の言葉に敏感になったり。
「なんでこんなに考えすぎてしまうんだろう」
そんなふうに自分を責めてしまう方もいます。
でも実は、この“揺れやすさ”にはちゃんと理由があります。
今日は、12月の心に起きやすい変化についてのお話です。
1年分の“がんばり疲れ”が表に出てくる
12月は、心が一年で最も“疲れを自覚しやすい”時期です。
私たちは無意識に、
「今年のうちに」「そろそろまとめに入らなきゃ」と
自分を追い立てるスイッチを入れてしまいがちです。
すると、普段なら流せていたことにも反応しやすくなります。
- なんだか落ち着かない
- 気持ちがそわそわする
- 仕事に集中できない
- ちょっとした言葉に傷つきやすい
これは、1年分の疲れが丁寧に回収されていくプロセスなんです。
周りとの温度差を感じやすい季節
年末は、周囲の人の忙しさや気配に敏感になりやすくなります。
誰かの表情がいつもより険しく見えたり、
返事が遅いだけで「迷惑をかけたかも」と感じたり、
逆にいつもより人恋しくなったり。
普段は気にならない“距離感”が、
少しだけ揺れやすい時期でもあります。
本当は疲れているだけなのに、
「私が悪いのかな」と自分の中で完結させてしまう人も多いのです。
“来年の自分”を無意識に思い描くから揺れる
12月は、次の年のことを考え始める時期でもあります。
- 来年はどうしたい?
- このままでいいのかな?
- もっとこうなりたい
- 変わりたいけど動けない
こうした“未来の私”への思いが浮かびやすく、
それが現在の気持ちを揺らす原因になることがあります。
心理学的には、
「未来のイメージがまだ定まらないとき、人は不安を感じやすい」
という性質があるので、この時期の揺れはとても自然なものなんです。
忙しさが“心の声”をかき消してしまう
12月は、予定ややることが増えていく一方、
心がゆっくり整理される時間が減りがちです。
すると、普段は見えなかった“本当の気持ち”が
ふと顔を出すことがあります。
- 本当は疲れていたんだな
- 無理してたな
- もうちょっと自分を大切にしたいな
こうした気づきが表に出てくるのは、
心がちゃんと回復したいサインでもあります。
心が揺れたときに大事なのは、“急に整えようとしないこと”
心が揺れると、
「なんとかしなきゃ」「すぐに整えなきゃ」と
力を入れたくなる人が多いものです。
でも実は、
心は急に元気になるわけではなく、
“ゆっくり整理する時間”を求めています。
できることはほんの少しでいいんです。
- 5分だけ深呼吸する
- 今日やらなくていいことを1つ減らす
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
- 誰かの優しい言葉を借りる
そんなちょっとした行動でも、
心が緩むことがあります。
12月の揺れを“整える時間”にしてみませんか?
心が揺れるときは、
“心が自分を守ろうとしているとき”でもあります。
その揺れを無理に押し込めなくていいし、
責めなくていいし、
「また揺れてる」と批判する必要もありません。
揺れるときは、揺れていいんです。
その揺れの中に、
自分の本音や、これから必要なことが隠れていることもあります。
◆心理学ナイトのお知らせ
今月の心理学ナイトでは、
こうした“冬に揺れやすい心のメカニズム”について
わかりやすく解説していきます。
- なぜ揺れるのか
- なぜ息が浅くなるのか
- どう受け止めれば心が軽くなるのか
そんなテーマを扱う予定です。
ゆっくり整理したい方は、ぜひ気軽にご参加くださいね。
👉 心理学ナイト 12月 16日(火)19:30〜21:30 開催|詳細はこちら

