浮気後、やり直したいのに苦しくなるのはなぜ?|再構築を決めても気持ちが追いつかないとき

浮気されたあと、やり直したい気持ちはあるのにまた苦しくなる心理と許しの難しさを解説した記事のアイキャッチ画像 浮気・不倫

夫とやり直したい気持ちはある。別れたいわけではないし、いつまでも浮気の話をしていたいわけでもない。
本当は、夫婦としてこれからどうしていくのかを考えたい。そう思っているのに、なぜか苦しさがなくならないことがあります。

夫が何気なく笑っていると腹が立つ。
以前よりやさしくされても「今さら」と思ってしまう。
夫婦の会話が戻ってくると少しうれしいのに、このまま何もなかったようになっていくのは嫌だとも感じる。
「やり直すと決めたのだから、もう責めたくない」「私もそろそろ落ち着きたい」と思っているのに、気持ちは思うようには動いてくれません。

浮気後の再構築で苦しいのは、やり直すと決めることと、浮気によって生まれた怒りや悲しみがなくなることは、別だからです。

やり直すと決めても、気持ちはすぐには切り替わらない

浮気がわかったあと、すぐに離婚を選ぶ人もいれば、夫婦関係を続けたいと思う人もいます。
まだ夫を好きな気持ちがある、長く一緒に暮らしてきた、子どもや家族のこともある、夫が反省しているように見える、何より自分自身がまだこの関係を終わらせたいとは思えない。
理由は人によって違います。

だから、「やり直したい」と思うこと自体は不思議なことではありません。ただ、「やり直そう」と決めた瞬間に、怒りや悲しみまで切り替わるわけではありません。
頭ではこれからのことを考えたい。でも気持ちはまだ、「なぜこんなことをされたのだろう」「私は何だったのだろう」と感じている。その両方が同時にあるため、再構築を選んだあとも心が揺れます。

「やり直すと言ったのに、まだ怒っている私はおかしいのかな」と自分を責める必要はありません。決断と感情は、同じ速さでは動かないのです。

「もう蒸し返してはいけない」と思うほど苦しくなる

再構築を選ぶと、「いつまでも責めていたら関係が悪くなる」「夫も反省しているのだから」「私も変わらなければ」「もう終わった話にしなければ」と、自分にいろいろなことを言い聞かせたくなることがあります。

でも、言わないようにしたからといって、感じなくなるわけではありません。
本当はまだ腹が立っている。本当は悲しい。本当は「どうして私にこんなことをしたの」と言いたい。その気持ちを抑えながら普通の生活を続けていると、思いがけないところで感情が出てきます。

夫が楽しそうにしているだけで腹が立ったり、「疲れた」と言われただけで「こちらの方が疲れている」と思ったりする。自分でも「なぜこんなことで」と思うような場面です。

でも、本当に反応しているのは、その日の出来事だけではありません。まだ言えずに残っていることや、わかってほしかった気持ちが一緒に出てきているのです。

責めたいのではなく、わかってほしいことがある

再構築を望んでいるのに、夫を責めてしまうことがあります。
「本当に反省しているの?」「私がどれだけ苦しかったかわかってる?」「どうしてそんなことができたの?」と言ったあとで、「また責めてしまった」と後悔する人もいます。

もちろん、怒りから夫を責めたいときもあるでしょう。
でも、その奥には別の気持ちがあることも少なくありません。

自分がどれほど傷ついたのかを、本当にわかってほしい。
浮気を簡単に過去のことにしないでほしい。
自分だけがまだ苦しんでいるような状態にしないでほしい。
自分がどれほど大切なものを失ったように感じたのか、知ってほしい。

ところが、それをうまく言葉にできないと、責める言い方になります。そして夫が黙ったり逃げたりすると、「やっぱりわかってもらえない」という悲しさが増し、さらに強く責めたくなる。こうして二人とも苦しくなっていきます。

大切なのは、自分が何をわかってほしくて、その言葉を言っているのかに気づくことです。
「謝ってほしい」のか、「傷つけたことを軽く扱わないでほしい」のか、「私は今も悲しいとわかってほしい」のか。
そこがわかってくると、伝え方も少しずつ変わってきます。

夫がやさしくなっても、素直に喜べない

浮気が発覚したあと、夫が以前よりやさしくなることがあります。家事をするようになったり、予定を知らせるようになったり、妻のことを気遣うようになったりします。

本来ならうれしいはずなのに、なぜか腹が立つ。「できるなら、どうして浮気する前にしてくれなかったの?」と思うのです。

今まで欲しかったものが、浮気が発覚したあとになって差し出される。そのこと自体が、かえって悲しさを刺激することがあります。
「私があれだけ我慢していたときには、してくれなかった」「私がここまで傷つかなければ、変わらなかったの?」と思えば、夫のやさしさを素直に受け取れないのも無理はありません。

また、「本当に私を大切に思っているからなのか」「離婚されたくないからなのか」「罪悪感からやっているだけなのか」と考えてしまう人もいます。
夫が変わり始めたからといって、妻の気持ちまで同じ速さで変わるわけではありません。

だから、すぐに喜べなくても、それだけで「私は再構築に本気ではないのかも」と考える必要はないのです。

日常が戻ってくるほど、「なかったことにしないで」と思う

時間がたつと、少しずつ夫婦の日常が戻ってきます。普通に食事をする。何気ない話をする。二人で笑うこともある。浮気の話をしない日も増えてくる。本来なら、関係が少し落ち着いてきたということです。

ところが、その頃になって苦しくなる人もいます。「このまま全部、なかったことみたいになってしまうの?」と思うからです。

自分はあれほど泣いた。眠れない日もあった。自分の価値までわからなくなった。それなのに、夫は普通に仕事へ行き、家ではテレビを見て笑っている。日常が戻ってくるほど、自分の苦しさだけが置いていかれるように感じるのです。

これは、「いつまでも浮気の話をしたい」ということとは少し違います。
起きたことの重要さまで、なかったことにされたくない。
自分がどれほど傷ついたのかを、夫には覚えていてほしい。そのうえで二人のこれからを作りたい。そんな気持ちなのだと思います。

「許したい」と「許せない」は同時にあっていい

再構築を考えると、「許す」という言葉が気になる人も多いでしょう。
いつまでも怒り続けるのは苦しい。自分のためにも、この出来事に振り回されなくなりたい。夫とやり直すなら、いつかは許さなければならないのではないか。そう考えます。

でも、頭で「許そう」と決めても、すぐに気持ちがついてくるわけではありません。
やり直したい。でも許せない。好きな気持ちはある。でも腹が立つ。大切にしたい。でも傷つけられたことを忘れられない。こうした矛盾した気持ちは、同時にあっていいのです。

むしろ「もう許さなければ」と急ぐほど、まだ残っている怒りや悲しみを自分で否定することになります。許すことを急ぐよりも、今、自分の中にどんな感情が残っているのかを知る方が大切です。

許すことは、浮気をなかったことにすることではない

許すという言葉から、「もう怒らない」「もう浮気について話さない」「全部忘れる」「以前のように接する」という状態を想像する人もいます。でも、起きた出来事を消してしまうことはできません。

浮気によって知ったこともあります。夫について、自分について、二人の関係について、それまで知らなかったものが見えてきた人もいるでしょう。だから、許すことを「浮気する前の状態に戻ること」と考えると、とても苦しくなります。

私が考える許しは、もっと違うものです。

あの出来事に、これからの自分の人生まで支配され続けなくなること。

浮気を思い出すたびに一日中苦しくなっていたのが、思い出しても自分の生活へ戻れるようになる。
夫を見るたびに浮気しか思い浮かばなかったのが、今の夫を見ることもできるようになる。
「あのことはあった。でも私は今を生きている」。そんな状態に近づいていくことだと思います。

これは、夫のためだけにすることではありません。自分自身が、浮気された出来事だけに人生を握られないためでもあります。

「何に傷ついたのか」は、人によって違う

同じ浮気でも、何が一番つらかったのかは人によって違います。
他の女性と関係を持ったことそのものが一番許せない人もいれば、長い間嘘をつかれていたことがつらい人もいます。
自分だけが何も知らなかったことが惨めだった人もいれば、浮気がわかったあとの夫の態度に一番傷ついた人もいます。

浮気相手と自分を比べ、「私は女として負けた」と感じた人もいるでしょう。
ここを全部「浮気されたからつらい」でまとめてしまうと、自分でもなぜ何度も同じところで苦しくなるのかわからなくなります。

たとえば、本当に傷ついたのが「嘘をつかれ続けたこと」なら、夫が謝るだけでは足りないかもしれません。
これからは隠し事をしない関係を作れるのかが重要になります。
「大切にされなかった」と感じたことが一番悲しかったなら、これから夫婦の間でお互いをどう大切にしていくのかが重要になります。

自分が何に傷ついたのかがわかってくると、「なぜまだ苦しいのか」も少しずつわかるようになります。

再構築は、以前の夫婦に戻ることではない

浮気後にやり直すとなると、「早く元の夫婦に戻りたい」と思うことがあります。でも、私は必ずしも元に戻ることが再構築だとは思いません。

浮気が起きる前の夫婦にも、すでに何かうまくいっていないことがあったかもしれません。
お互いに言えないことが増えていた、寂しさを我慢していた、役割だけでつながっていた、どちらかがずっと無理をしていた。
そこへそのまま戻ったのでは、また同じ問題を抱えることになります。

だから再構築は、以前と同じ夫婦になることより、これからどんな二人になるのかを作っていくことなのだと思います。

浮気によって壊れた信頼をどう作り直すのか。お互いに何を言えずにいたのか。夫婦の間で何が不足していたのか。これからはどんな関わり方をしたいのか。そこには、夫にも妻にも取り組むことがあります。

妻だけが許そうと努力し、妻だけが責めないように我慢し、妻だけが自分の感情を何とかする。それでは再構築とは言いにくいでしょう。夫にも、自分が浮気したことで妻を傷つけたことに向き合う必要があります。

夫にも時間が必要になることがある

浮気した側には、「早くこの話を終わらせたい」という気持ちが出ることがあります。
自分が悪いことをしたとわかっているからこそ、妻の怒りや悲しみに触れるのが苦しい。
責められると逃げたくなる。自分のしたことを考えると、ひどく自分を責めたくなる。

でも、再構築をするなら、夫もその苦しさからずっと逃げ続けることはできません。
自分が妻を傷つけたことを認める。妻が苦しんでいることを、自分への攻撃だけとして受け取らない
「本当に申し訳なかった」と、言葉だけではなく自分の中でも思えるようになる。

ここまで来るには、時間がかかります。カウンセリングをしていると、数年たってからようやく夫が「自分は本当に妻を傷つけたんだ」と受け止められるようになることもあります。

妻の気持ちだけが時間を必要とするのではありません。夫もまた、自分がしたことに向き合えるようになるまでに時間が必要な場合があります。

ただ、その時間を妻が黙って待ち続けなければならないということでもありません。二人とも、それぞれ自分が引き受けるところに向き合っていくことが必要なのです。

やり直したいのに苦しいとき、すぐに答えを出さなくてもいい

再構築の途中では、「私は本当にこの人とやり直したいのかな」と思う日もあります。
昨日は「一緒にいたい」と思ったのに、今日は「もう無理」と思うこともある。
夫の態度によって気持ちが変わることもあるでしょう。

そんなときに、毎回「離婚するのか、続けるのか」と結論を出そうとすると、さらに疲れてしまいます。まだ決めきれない時期があってもいいと思います。

今日は腹が立っている。今日は悲しい。今日は少し夫を好きだと思える。今日は顔も見たくない。その日その日で気持ちが違っても、それだけで最終的な答えが決まるわけではありません。

再構築は、「やり直します」と決めた一日で完成するものではありません。
二人の関係を続けながら、「これからもこの人と一緒にいたいと思えるのか」を確かめていく時間でもあります。

まとめ

浮気後、夫とやり直したいのに苦しくなるのは、やり直したいという気持ちが間違いだからではありません。関係を続けると決めても、怒りや悲しみまでその日に終わるわけではないのです。

夫がやさしくなっても
「今さら」と思う。
日常が戻ると「なかったことにしないで」と感じる。
許したいのに、許せない。
そんな矛盾した気持ちがあるのが、浮気後の再構築です。

大切なのは、早く許すことでも、以前の夫婦に戻ることでもありません。自分は何に一番傷ついたのか。夫に何をわかってほしいのか。そして二人は、これからどんな関係を作りたいのか。そこを時間をかけて考えていくことです。

夫婦関係を続けるなら、妻だけが頑張るのでも、夫だけが謝り続けるのでもありません。二人とも、自分がこれからできることに取り組んでいく必要があります。

そして、その先で「以前と同じではないけれど、この人とまた一緒に生きていきたい」と思えるようになれば、それがその夫婦なりの再構築なのだと思います。

一人で考えていると、「許すべきなのか」「まだ怒っていていいのか」「本当にやり直したいのか」と、何度も同じところを考えてしまうことがあります。カウンセリングでは、怒りや悲しみの奥に何があるのか、夫との間で本当は何を取り戻したいのかを一緒に見ていくことができます。

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